2011年04月24日
まだどうも“先生”と呼ばれる違和感が消えません。笑
この四月から初期研修のため滋賀県長浜市にやってきました。
こんなに居心地の良い病院があったんかーと思うほど、
先輩、同期、コメディカル、その他病院スタッフさんも本当にいい雰囲気で、
毎日、楽しく、そしてドロッと濃厚な時間を過ごさせてもらってます。
(大学病院の実習の時には、毎日一秒でも早く帰ることばかり考えてたのにねえ。笑)
とは言え、常勤医がおよそ80人しかいないと言われる滋賀県湖北の医師不足は肌で感じます。
こんなヨチヨチ歩きの自分の存在ですら、病棟業務を回していくために必要とされてしまいます。
これはボクの実力云々よりもライセンスの力に依る部分が大きいですが。
さて、ボクが病棟業務を開始してちょうど一週間が経った週末。先週の土曜日です。
一応みなし公務員の休日なわけですが、朝から病棟へ出向き業務をこなし夕方4時過ぎに帰宅しました。
まあせっかくやしちょっと出かけるかと思い、名古屋へ向かったわけです。
そして名古屋市守山区のお店で買い物をしていたところ、6時50分、病棟の看護師さんから急変を知らせる電話が入りました。
大急ぎで病院へ戻ろうとしたものの、交通量も多く思うように進まない。
病棟からはひっきりなしに電話がかかってくる上、クルマのブレーキはフェードして。
やっとの思いで病院に到着したのは7時40分。間に合いませんでした。
人生初、死亡診断書を発行しました。
もう不用意に長浜の地を離れることはできないと、覚悟しました。
今朝、4時にまた病棟からの電話で病院へ行ってました。
ボクが研修開始するのと同時に入院してこられた患者さん。
長い喫煙歴に加えて、医者嫌いで今まで一度も病院にかかったことが無かったそうです。
呼吸困難を訴えて来られたときには、もう肺がん末期でした。
全身メタに加えて、キャリアだったB型肝炎の発症。
ウルソ、強ミノを使いながら人生初化学療法のレジメンを考え、
人生初放射線治療をお願いしに行き、人生初、モルヒネまで使いました。
ここ4日間は吐血のために全く何も口にできない状況でしたが、
最後にこの患者さんが言ってくれました。
「先生とメシが食いたいなあー」
Posted at 2011/04/24 11:14:17 | |
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