そう言えば、仕事先の野辺地出身の子に「年末クルマでそっちに行くんだ」と話したとき「実家の方、雪全然無いって言ってましたよ」なんて聞いたのが12月20日。
12月25日。北日本に強い寒波が襲来。翌26日にかけて東北地方は大荒れの吹雪。
覚えているだろうか。会津の国道で300台のクルマが閉じ込められたというニュースの、あの日だ。
26日未明、東京を出発した時点で、
東北道は、すでに
福島県須賀川IC以北が全線に渡りスベリ止め規制。
福島県本宮IC~福島西IC間は吹雪のため通行止め。
26日の夕刻までに下北半島の下風呂温泉に着けば良い。
通行止め区間は国道を迂回すれば良い。
時間はたっぷりある。
そう判断。
BXを追い抜いたバンが目の前でスピンして中央分離帯に激突…とか
地元の人でも走行を控えるだろう道路状況に涙目になりながらも、
午前10時には盛岡を越えて岩手山SAまで到達。
残り250kmを6~7時間掛けて行けば良い。
あながち強行判断は間違っていなかったと思った。
ところが
岩手山SAで休憩中、携帯電話が鳴る。
翌27日早朝、下北半島の大間から函館に渡るはずだったフェリー欠航の連絡。
嗚呼。
天候は26日中に収まって、27日は出航するとふんでいた。
大間から函館へのフェリーは1日2便。
27日午後の便はいまのところ出航の予定という。
しばし考えて振り替えを頼む。
念のため、八戸で高速を降りたあとの国道の状況を、宿に電話して確認する。
すると、雪は止んでいるが、スリップ事故が多発して各地で事故車が道を塞ぎ大渋滞とのこと。
7時間掛けても到着するか怪しくなった。
それ以前に、道が危な過ぎる。
このまま引き返せば良かったのかもしれないが、
なんせ涙目になってやってきた同じ状態の道を引き返す頭はなかった。
いや、岩手の温泉で天候の回復を待って帰京するという手もあったのだが…。
帰りのフェリーのキャンセル料のことも頭をよぎった。
こういうときは頭が回転する。
回転しなけりゃ良かったという説もあるが…。
八戸から苫小牧へ出ているシルバーフェリー。
これで一気に道央まで出てしまえないか。
問い合わせると、今日の空きはないが、明日の第1便の空きはあるという。
ここで、下風呂温泉と函館の宿、大間のフェリーをキャンセル。
温泉もある八戸のビジネスホテルに予約を入れ、この日の宿とした。
北海道に渡ってからは、雪はあったものも順調だった。
苫小牧から小樽へ、小樽からニセコ、ニセコから札幌に戻ったのが29日。
翌30日には苫小牧からフェリーに乗り、茨城県の大洗まで一気に戻る予定だった。
29日夜。
ススキノでスープカレーを食べていたら、携帯電話が鳴った。
低気圧の影響で明日のフェリーが出航出来るか「天候調査中」だという。
くらっとした。
正月、帰れるのか?
小樽から新潟に向かう新日本海フェリーに乗ってしまおうと考えた。
問い合わせたら、船室、乗用車航送とも空きがあり、船も出るという。
ところが、大洗行きのさんふらわあは「天候調査中」。
欠航が決まっていないこの時点でキャンセルすると、キャンセル料が掛かる。
前日なので30%だ。
上等船室を奢ったので、かなりの額になる。
夜遅くまで情報を集めて出した結論、さんふらわあの出港を信じて苫小牧に向かうことにした。
小樽から新潟に上陸出来ても、日本海側大荒れの予報というニュースが心配だった。
さんふらわあが出なくても、津軽海峡フェリーは出る確信があった。
最悪、東北道を自走すれば帰れる。
大荒れ予報の関越越え300kmよりも、東北道700kmのほうがマシなのではと思った。
とにかく、さんふらわあの出港を信じて、翌30日朝、苫小牧へ向かう。
道央道、輪厚PA。
iPhoneでmixiを見たら、ミゾッチさんの書き込み。
さんふらわあ欠航。
あはははは。
帰りも札幌→東京を自走することになった。
同乗のヨメ様は免許を持っていない。
交替要員はいない。
覚悟は出来ていたので、意外とあっさり受け入れる。
苫小牧で高速を降りずに、そのまま函館へ。
こうやって書くと1行だが、4時間半掛かってる。
津軽海峡フェリーで青森へ。
この時点で、東北道は福島辺りでスベリ止め規制が掛かり始めている。
30日から大晦日にかけての寒波もひどいものだった。
鳥取の国道で1000台のクルマが立ち往生というニュースの、あの日だ。
東北道のスベリ止め規制は、ようやく本州に上陸した頃から本格化し、
福島以北はほとんどスベリ止め規制になっていた。
宮城県内が特にひどかった。
札幌を出発して以来、青函フェリーの区間を除いてハンドルを握りっぱなしで、深夜の、猛吹雪で視界も悪く、除雪が追いつかない本線。
大きめのSA/PAで休憩と先の道路状況を確認する度に、泣き…というかある種達観した“つぶやき”を送信。
栃木県に入り、那須を越えたら、ようやく雪が消えた。
関東は晴れだった。
関越コースも“東北ほど”雪はなかったらしい。失敗した。
このせいだけではないが、“生きて”(←実感…)関東に帰ってきたBXのマフラーには穴が開いて、ひどい振動と騒音だった。
前日の朝9時半に札幌を出て、ちょうど24時間。中野長者橋で首都高を降りた。トリップメーターはほぼ1000kmを示していた。
地図を見る
次回から、写真を交えた旅行レポート編…。