テスラが2018年第1四半期(1~3月)決算を開示した。
売上高は約3750億円。前年同期に対して約26%伸びたが第1四半期の最終損益は約780億円と過去最大の赤字。
売り上げが伸びて赤字が拡大する = 作れば作るほど損する会社
第一四半期の生産台数は約35000台なので台当たり約220万円の赤字ということになる。キャッシュバーンレートの大幅な上昇により年内には手持ち資金がなくなると予想されている。
納入部品の40%に不具合があり、最終検査での不良率が90%もあるという内部告発があり同業他社に比べて10倍以上多く手直しが発生しているようだ。
通常重大不具合が見つかったらラインを止めて対策するのだが、テスラはラインを止めないので不良車両を次々とラインオフさせてしまう。確かに見かけ上の生産台数は増えたが、売り物にするための手作業コストが収益悪化の最大要因だろう。
累積赤字が1兆円を越えても存続できているのは社債を買ってくれる投資家がいるからであるが近いうちに手持ち資金が枯渇して償還できなくなる可能性が高い。倒産しないためには転換社債や新規公開株の発行が必須であるがそうすると株価は希薄化により必ず下がる。これを見越して空売りする投資家が増えているが、イーロンマスクが自社株買いで支えているようだ。通常経営者が自社株を買うとインサイダー取引に当たる可能性が高く違法に近い行為なのだが、司法当局や公正取引委員会が文句を言わないのはどうせ破綻すると見ているからだろう。
いまテスラ株を買うのはアマゾンのように株価が化けることを期待したりイーロンマスクが好きな人だろうが、いつ倒産してもおかしくない財務状況なのですでに社債はジャンク級に格下げされている。株価暴落がいつ起こるかわからない状況なのである。
今後、中国の新工場設立に2000億円程度、モデルYやセミトラックの工場に3000億円程度の資金が必要になるはずだが、こんな会社に金を貸す投資家がいるのだろうか?
さて、、、
テスラが財政破綻したらどこの会社がテスラを買収するかが興味の中心になりそうだ。
アップル、アマゾン、ソフトバンクなどのIT系、トヨタ、VW、ルノー日産などの同業者が一斉に買いに走ることになるだろうが、中国の金持ち企業も虎視眈々と狙っている。売却先決定にあたりプロキシーファイトのようなことが起これば一時的に株価が急騰するかも知れないが、長期的にはネガティブと判断せざるを得ない。
いずれにせよイーロンマスクは経営から手をひき、生産技術に優れた会社にバトンタッチすべきだろう。テスラの部品には韓国製品が多く採用されているようだが、トヨタ圏内メーカーの部品に切り替えれば品質向上が約束され日本人の雇用にもプラスになる。トヨタさん、テスラを買ってください!
ブログ一覧 |
電装品 | 日記
Posted at
2018/05/17 14:53:08