2017年06月26日
エアバッグメーカーのタカタが法的整理され今後は中国KSSが事業を継承し再建を目指すこととなった。いままで自動車メーカーは部品供給が滞ると困るのでタカタが経営破綻しないようにリコール関連費用を肩代わりしてきた。
事業を継承する会社が現れたからといってリコール関連費用を請求できるかというと、実質的には不可能であろう。
タカタが独自に採用している相安定化硝酸アンモニウム(PSAN:Phase Stabilized Ammonium Nitrate)という火薬が湿度変化により異常爆発したことが原因と推定されているが未だに確定できていないことと、自動車業界の商慣習によって求償はできないと思う。
その商慣習とは、自動車メーカーがサプライヤに仕様提示を行い、詳細設計と製造をサプライヤが分担する方式で、仕様提示にはかなり詳しい情報が記載されている。インフレータの仕様提示には、火薬の成分まで記載されているはず。だとすると不具合が起こるような火薬を指定したのは自動車メーカーであり、部品メーカーには責任はないと裁判で主張することが可能である。信頼性試験についても同様で、自動車メーカーの指定した試験を行ったが問題はなかったと主張するであろう。部品供給契約書では、何か問題があったら部品メーカーが全責任を追うような記述になってはいるが、上記のような商慣習から裁判では自動車メーカーにとって厳しい判断になる可能性が高い。
自動車メーカーは自身の株主に対するポーズとしてリコール関連費用を請求するであろうが、裁判で勝ち取ることはできないとしたら泣き寝入りとはこのことか?
リコール費用はホンダがもっとも大きく数千億に及ぶと推測します。そのくらいの金額でホンダの経営が傾くことはないでしょうが痛い打撃ではあるでしょう。F1から撤退するようなことにならないと良いですね。
ホンダ以外でも損害を受ける自動車メーカーは多いがほとんどが損金として処理するでしょうから政府の税収の減少として国にも打撃がある。各企業は経常利益が目減りすることで株価が下がるから今年の自動車関連株は期待できない。タカタの影響は広範囲に広がる見込みで喜んでいるのは有望企業を格安で手にいれた中国政府かもしれませんね。
Posted at 2017/06/26 15:16:46 | |
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