一度人を裏切った人は何度でも人を裏切るという諺を証明するような企業が一部に上場していることが信じられない。三菱自工の燃費にかかわる虚位申告は企業内のコンプライアンスの問題と簡単に片付けることはできない根深い原因がありそうです。 根本原因はスズキに燃費で勝てないことがあったのでしょう。 エンジンの開発にはカネがかかり、資金的に厳しい三菱自工の開発関係者は不正に走らざるをえないところまで追い込まれていたのかもしれません。
スズキの軽と乗り比べてみればその差は明らか。 三菱自工の軽はパワー(トルク)がない上に、アクセルレスポンスが極めて悪い。オーバードライブを解除してDSモードにすればそこそこの加速はするようになるが、エンジン回転数が高めにキープされるのでものすごい騒音に悩まされることになります。当然実走行燃費へのマイナスインパクトも大きい。
低燃費志向の強い現代のクルマは多かれ少なかれこの傾向がありますが、三菱自工のクルマは限度を越えて乗りにくいクルマになってしまっていた。 今回販売停止になったことで、こんなひどいクルマを買わずに済んだ人はラッキーでした。 エンジンの基本設計が古く、いまや当たり前のロングストロークエンジンではないなど燃費競争では不利なのをわかってはいても、開発予算が足りないため新世代エンジンが作れない状況なのでしょう。
さてニュース報道で疑問に感じたことがいくつかあります。
①性能実験部門の部長が不正を指示したというが、実験部門は開発部門の開発したクルマをチェック、審査する部門であり、性能を欺くというベクトルが働くことは考えにくい。 指示した役員クラスが存在するのではないか?
②不正発覚のニュースが株式市場がオープンしている最中の昼頃に流れたが、通常は後場が終了するまで情報管制をおこない情報が外部にもれないようにするはず。 誰が情報を外部にリークしたのか? これによって売り逃げした人に内部関係者はいないのか?
③前回のリコール問題で社内コンプライアンス監視のためにどれだけの努力をしたのか? たとえば社外取締役は多くが三菱財閥関係者であるが、もっと厳正にチェックできる体制をつくれたのではないか?
前回のリコール問題のときと同様に三菱自工のクルマは売れなくなり、倒産寸前まで追い込まれるでしょう。そしてまた三菱財閥グループが金融支援して持ちこたえるのでしょう。 けれどその先に見えるものは、開発余力の不足が露呈した競争力のない自動車メーカー。 中国企業にエンジンやトランスミッションを供給するだけの価値しかない。 もともと縮小する国内市場に自動車メーカーが多すぎる状況、新興国へ海外展開する余力がない独立ブランドの維持は限界かもしれませんね。
三菱自工が生き残るには同業他社との資本提携しかないでしょう。
どこと資本提携するのが得でしょうか?
トヨタはダイハツがあるのでいらない。ホンダは独自路線をキープする。日産はゴーンさんがいる限り三菱自工を買う選択はしない。 マツダ、富士重はトヨタグループ。 消去法で考えると国内ではスズキしか残らないが三菱自工を買うほどの資金はない。 やはり中国傘下になるしかないのかな!?
本日株価はストップ安(値幅制限マイナス20%)の583円。投資家からすればわずか2日で35%も損したことになります。 関連メーカーを含めた従業員の雇用を守るために与えられた時間は少ない。 従業員の家族を含めると数万人の生活を守れるか否かの瀬戸際に、この会社の役員や支援銀行(三菱UFJ)はどのような回答を導き出すのであろうか?
Posted at 2016/04/21 13:50:26 | |
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