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2018年07月07日

なぜ日本車は「人生最後の1台」に選ばれないのか


DIAMOND online

【転載開始】

 なぜ日本車は「人生最後の1台」に選ばれないのか
 2018.7.7

■クルマづくりは日本のお家芸なのに
 なぜ欧州車のようなプレミアムブランドがないのか

 数年前のことだ。

 久しぶりに、昔の職場の先輩たち数人と
飲んだ。
その席で、どんな流れだったかは忘れたが、
自分が乗っているクルマの自慢話大会に
なった。

 私は基本的にクルマに関心がなく、
「走れば何だっていい」くらいにしか考えて
いない。なのでその大会には参加できな
かったのだが、よく意味が分からない
ウンチクの応酬が最高潮に達した時、
とりわけクルマ好きの50代後半の先輩が、
こんな質問を投げかけたのを覚えている。

 「人生最後に乗りたいクルマを挙げるとしたら、
何?」

 私には当然答えられるわけもなく、
適当に相づちを打ちながら皆の話をただ
聞いていた。

 「ポルシェだな」「いや、フェラーリだよ」
「マセラティ以外考えられない」など、
先輩たちは口々にお気に入りのブランドを
答えていく。

 その時、ふと不思議に思ったのは、日本車
を挙げる先輩が一人もいなかったことだ。

 クルマづくりは日本のお家芸のはずだ。
トヨタやホンダ、日産など世界に冠たる
メーカーもたくさんある。
それなのに、なぜ日本車はクルマ好きの
彼らの心を捉えないのだろうか。

 本書『マツダがBMWを超える日』を読んで、
その疑問の答えが分かったように思う。

 著者の山崎明氏は、1984年電通に入社。
戦略プランナーとして30年以上にわたって
トヨタ、レクサス、ソニー、BMW、MINIの
マーケティング戦略やコミュニケーション戦略
などに深く関わってきた。
2017年に独立し、マーケティング/ブランディング
コンサルタントとして活躍する人物だ。

 山崎氏はブランドには大きく分けて2種類が
あると指摘する。

 コカ・コーラ」「マクドナルド」といった一般向け
大量販売の対象となるのは「マスブランド」だ。
一方、「メルセデス・ベンツ」「ロレックス」のように、
高価で多くの人が憧れる高級品は
「プレミアムブランド」である。

 トヨタ、ソニー、任天堂といった世界中の人が
知っている日本発のブランドがある。
しかし、そのほとんどはマスブランドだ。
プレミアムブランドとしてよく名前が挙がるのは、
ヨーロッパ企業によるものばかりだ。

 しかし、日本製品の品質は世界の折り紙付きだ。
それなのになぜ、日本には「人生最後の○○」に
なるようなプレミアムブランドが育たないのだろうか。

■メルセデス・ベンツとBMWは
 “違うキャラクター”の富裕層がターゲット

 山崎氏が言うには、プレミアムブランドは
「そのブランドを持っている自分」が、他人の目に
どのように映るかを意識しながら選ばれる。
つまり、プレミアムブランドは、オーナーのアイデン
ティティーやステータスを代弁するものでなければ
ならない。

 例えばメルセデス・ベンツとBMWは、どちらも
高級車として知られるプレミアムブランドだ。
しかし、それぞれがまとうイメージはだいぶ違う。

 ベンツには「高年齢」「保守本流」「権威主義」と
いったイメージがないだろうか。
乗るのは、大会社の社長や、金融系の偉い人など、
どっしりと落ち着いた富裕層に思える。

 一方、BMWは「若々しい」「スポーティー」
「アクティブ」といったイメージで語られることが多い。
高級車ゆえに乗るのはベンツと同じく会社社長だが、
IT系やメディア系のトップ。
フットワークが軽く、活動的な富裕層だ。

 ベンツからBMWへ、もしくはBMWからベンツへ
と乗り換える人は少ないらしい。
この2つの車種を同時に所有しているケースも
まれだという。

 それは両者のキャラクターの違いが明らかだ
からだ。
所有することで自分のアイデンティティーを表現し、
満足感を得る顧客のセグメントがはっきり分かれて
いるということだ。

 メルセデス・ベンツは、1886年に自動車の特許を
取得した「自動車を発明した会社」によって世に
送り出された。
そして1900年代前半の世界各地のグランプリレース
(現在のF1に相当)で大活躍し、堅牢な高性能車と
しての評価を高めていったのだ。
ナチス政権にも愛用されたという。

 戦後も「自動車を発明した会社」の矜持を保ち、
特に安全性にこだわった名車を数多く生み出して
きた。

 日本では昭和天皇の御料車(天皇や皇族が使う車)
に採用されたこともあり、高級車の代名詞のような
ブランドイメージを確立している。

 一方、BMWは、航空機エンジンのメーカーとして
スタートした会社だ。
1929年に小型大衆車の生産を始めたのだが、
当初はブランドイメージにも、ラインアップにも統一性
がまるでなかったそうだ。

 そんな状態がたたってか、1960年代初頭には
財務状況が厳しくなり、倒産寸前に陥る。

 BMWはそこから起死回生の策を打ち出す。
資産家からの援助を仰ぎ、全てを白紙から設計しな
おした新モデルを発表したのだ。
そしてこの車種が大ヒットする。

 新モデルは、先進メカニズムを搭載し、実用セダン
でありながら走りがスポーティで運転を楽しめる。
この特性が広く受け入れられたと判断したBMWは、
全ての車種のコンセプトを「運転を楽しむための車」
に統一することにした。

 統一コンセプトのもと、必要なメカニズムの開発を
進め、スポーティな外観から、航空機のコックピット
を意識した内装まで、デザインルールもそろえた。

 その上で、明確にターゲットを設定する。
グローバルにマーケットシェアを取る戦略を固めた
のだ。

 経済的に豊かで、かつ、アクティブに運転を楽しむ
ライフスタイルをアイデンティティーとする層は、
少数ではあるがどの国にも一定の割合で存在する、
と考えた。

 こうしてBMWは、世界中に「熱いファン」をつかまえ
ることに成功、プレミアムブランドの地位を確立したの
である。

■生粋の自動車マニアである著者もほれた
 マツダのロードスターRF

 日本メーカーも高級車を生産している。
トヨタのレクサスや日産のシーマなどだ。
だが、どの高級日本車にも、残念ながらベンツや
BMWのような明確な個性は感じられない。

 山崎氏の指摘によると、それは日本メーカー
に経営視点のブランド戦略が欠けているからだ。
長期的なビジョンが足りないのだという。 

 自動車に限らず日本製品の特質として、
品質が高く便利で故障も少ない半面、無難で
個性に乏しいとよく言われる。

 それだと安心感はあるが、「絶対これが欲しい」
「これこそが自分にふさわしい」とは感じられない
のではないだろうか。
後続で同じ機能と品質の安価な製品が登場
すれば、簡単に乗り換えられてしまうだろう。

 他社製品よりも高額を費やしてもいいと
思えるほど突出した魅力を打ち出す。
そしてそれを一貫して守り抜く。
そうした努力を続けていかなければ、ベンツや
BMWのようなプレミアムブランドにはなれない
ということだ。

 ところで、生粋の自動車マニアでもある山崎氏が、
最近になって愛車ポルシェボクスターGTSを売って
まで手に入れた車があるそうだ。

 マツダのロードスターRFである。

 マツダといえば、世界で2%のシェアしかない、
トヨタやホンダと比べるべくもない小さなメーカーだ。
しかし最近のマツダは、ちょっと違うのだ。
自社のブランドポリシーを明確に定めた1960年代
のBMWに似ているところがある。

 かつてマツダは米フォードの傘下にあった。
ところが2010年頃からフォードはマツダの経営から
手を引き始める。
そこで、マツダは単独での生き残りをかけて自社の
アイデンティティ確立に乗り出したのだ。

 BMWと同じように、エンジン、ボディ、
サスペンションなどを根本的に見直し、製品開発を
全てゼロからやり直した。
マツダが考えるベストを追求した。

 それは、車との対話を楽しみながら日々気持ちよく
走れるクルマづくり。
「人馬一体」のように、乗る人と1つになれるクルマ
づくりだ。

 この新生マツダのユニークなキャラクターを持つ車に、
長年世界の高級車を見てきた山崎氏も共感した。
冒頭に紹介したクルマ好きの先輩も、今ならもしかして
「人生最後にマツダに乗りたい」と言うかもしれない。

 マツダは決してナンバーワンを目標としていない。
世界の2%でも構わないが、「マツダが一番好き」
というファンを獲得できるブランドを目指しているのだ。

 日本製品や日本発の技術が世界標準になれない、
という嘆きもよく聞かれる。
だが、世界標準を目指すよりも、マツダのようにうまく
独自性をアピールして、少数でも世界中に固定ファン
を作るのは可能ではないか。

 本書に紹介されているBMWやマツダなどの戦略を
参考に、プレミアムな価値を追求する日本独自の
ものづくりを、ぜひ目指してほしい。

(文/情報工場シニアエディター 浅羽登志也)

【転載終了】

*************************

 欧州車には顔がありますが、残念なことに、
日本車には顔がありませんでした。

 しかし、昨今、トヨタや日産、マツダなどは
顔が見えてきたように思います。

 最後にもう一台選ぶとすれば、
BMWZ4 or ロードスターRFでしょうか。

 お値段とニラメッコするとロードスターですが、
本音は、Z4なんですよね。

 夫婦二人だけでプチ旅行には最適かな。
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Posted at 2018/07/07 09:41:45

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