
今更ですけど
取り敢えず長さと太さとテーパー角についてはザックリと説明したので今回は総合的な事を書こうと思います。
勝手に

チャンバー理論 その1~3を参考にしながら考えて下さい。
ハイパワーチャンバー限定ですけど‥‥。
※掃排気時間や排気温度音速の解らない人がいるといけないのでさわりだけ説明します。
ポートの開閉時間はストロークをクランクの角度に置き換えて考えます。1000分の2~3秒台位になると思います。
排気温度音速については温度センサーが無いと話しにならないので秒速500mでいいと思います。
どうせ最後は勘に頼るんで‥‥。(笑)
まずは、排気ポートが開いてから閉じる迄のストロークをクランクの角度に置き換えてそこから20度分を
引いた角度から自分で設定したパワーバンド手前の吹け始め・ピークパワー・頭打ちの排気時間を割り出し
排気温度音速(秒)で掛けて2で割った長さを出しておきます。
同じチャンバーで排気ポートを上げるとエンジンパワーが高回転に移動するのもこれが原因の一つです。
エキパイの太さの選定はシリンダーボアの80%位の直径を上限にします。 これは排気ポートの最大投影面積がシリンダーボアで決まってしまうからです。
つまり、太いエキパイを使いたければ排気ポートもそれに合わせて広くしないといけないと言う事です。
細かい説明は省きますがエキパイを太くするとエンジン特性はピーキーになります。
まずは製図ですがダイバージェントコーンが二段階に広がるタイプで説明します。
ストレート部分の太さはエキパイの太さの3倍位の直径を上限にして(2.6倍位が理想的)エキパイに2度位のテーパー角を付け
ダイバージェントコーン1に8度前後、ダイバージェントコーン2に14度位
と各々にテーパー角を付けておきます。
排気ポート長を含むダイバージェントコーンの開端迄の長さとエキパイの太さ、ストレート部分の太さが決まったら図面上で
エキパイとダイバージェントコーン2を繋げてみましょう。 そしてダイバージェントコーン1をエキパイとダイバージェントコーン2のジョイント部分に被せます。
(被らない場合は各テーパーの角度を変えるか1は使わない)
残すエキパイの長さ(排気ポートを含む)は排気ポートと掃気ポートの差(リードと言います)に関係していてパワーバンド手前の回転数を使って
リード寸法をクランク角に置き換えリード時間を排気温度音速で掛けた長さでいいと思います。
排気を有効に引き出す効果が有るのはあくまでもダイバージェントコーン2なので
ダイバージェントコーン1は排気を引き出すタイミングを合わせる為に有ると考えて下さい。
因みにダイバージェントコーンが三段階のチャンバーですがこれはチャンバーの容積を減らしたい時などに使います。
ダイバージェントコーンの全長を変化させない事が前提ですがダイバージェントコーン3(14度以上のテーパー角を付けた物)を追加します。
(勿論、テーパー1や2の角度は絞る方向に変化させます)
容積を調整しつつ排気の引き出し効果を有効に狙った物だと言えます。
ストレート部分の長さはピークパワー~頭打ち迄の長さでいいです。
コンバージェントコーンもバンド手前の吹け始めからピークパワー迄の長さでいいです。
容積に注意が必要ですが御碗型やラッパ型などの多段テーパーにすると吹き上がり方が変わります。
テールパイプの太さは細くてもエキパイの50%位の直径の太さでそれより太いとパワーは痩せる傾向に有りますが
長くする事である程度は解消出来ます。 長めのテールパイプにしたい時は微妙に太くした方がいいでしょう。
参考ですが自分のチャンバーの基準回転数は下から10000rpm・14000rpm・16000rpmです。
以上の条件で出来た物で実際に走りエキパイやストレート部分の長さを調整すればかなりいい物が出来ると思います。
それでも納得しない時はそのチャンバーを基準にパワー特性の計算をし直したりダイバージェントコーンのテーパー角を見直す必要が有ります。
以上でチャンバー理論の説明は終わります。 それなりに分かる人から見たらかなり怪しい理論だと思いますが
それでもちゃんと動くんでコレも有りだと思って下さい。
おわり
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