天野祐吉先生ご逝去

FBM2013からの帰路、天野祐吉先生のご逝去をネットで知った。
先生に直接お目にかかったのは、ただ一度。学生時代、当時所属していたサークルが主催した講演会だった。開催は半ドンの土曜日の午後。私の役割は広報。１か月ほど前から、数千枚のチラシを印刷して教室に撒き、当日の立て看板は毛筆と墨汁で書いた。
確かに題名は「就職活動と広告」。先生との出演交渉にあたったM部長曰く、講演料の多寡ではなく、依頼する側が何を話してもらいたいかで、可否を判断されていたそうだ。
講演の本旨は忘れたが、当時はやりの大型ブラウン管テレビは四畳半の部屋に置いて、背中を壁に密着させながらスーパーファミコンのシューティングゲームをしてこそ価値がある。というジェスチャーを交えたお話は鮮明に覚えている。
また、理学部の原田助手の「表現の面白さも大切だが、商品そのものの機能・品質・安全性・耐久性も伝える必要があるのでは？」という質問に対しては一転真剣に答えられていた姿も忘れられない。
入場無料で、やや平均年齢が高かった聴講者は約１２３名。広報担当としては猛省が必要な数字だった。今でも、僅か２０万円の講演料で、往復の移動を含めると１日がかりの講演を、Power Pointも、OHPも、スライドも無しで引き受けてくださった先生に感謝している。
ご冥福を祈りつつ、水曜日の新聞を引っ張り出してCM天気図を読みかえしたい。
from WILLCOM HYBRID W-ZERO3 （WS027SH）