OS GIKEN OSスーパーロックLSD SPEC-S
OS技研のスーパーロックLSDを3月に装着し、5カ月経ちました。距離も6000km程走りましたので、自分の覚書も兼ねファーストインプレッションしてみたいと思います。多少でも機械式LSD入れようと考えている人の参考になれば...。(長文)
※以下は全て私の個人的な感想です。
★交換理由
純正のトルセンLSDに不満は無かったのですが、サーキット走行時にタイトコーナでのインリフトが気になった事と、一度はきちんとした機械式LSDを使ってみたかったのが理由です。
★スーパロックLSD選択理由
普段は存在を主張せず、必要な時にはガッチリ差動制限し、しかも丈夫で長持ちという条件で探したら、これしかありませんでした。(笑)
スーパーロックLSDはスペックSとXの2種類があり、Sは吊るし。Xはオーダで自分の好きな仕様を注文出来ます。が、私は機械式LSDの知見が無いので、万人向け設定であろうSを選択しました。
仕様としては1.5Way、プリロードはアルテッツァ用の場合6kg~8kg位との事です。ただ、スーパーロックLSDの構造を考えた場合、通常はバネでプレートに隙を作って効かせていないという認識なので、プリロードはあまり意味を成さない気もします。実際のとこどうなんでしょうねぇ...。
さて、耐久性や慣らし等についてはメーカインタビューがあるので、これが参考になります。
参考動画
https://www.youtube.com/watch?v=H5TH1SEnwgg
中々に凄い事をさらっと言ってますが、嘘だという話は見聞した事が無いので、多分本当なのでしょう。
オイルは粘度250(笑)のOS技研純正使用一択です。(メーカ曰く、原因不明だがレッドラインは相性最悪らしい)
★雑感
メンテや日常を含めたトータルバランスなら、トルセンがベストです。一般道、サーキット、スカイライン等々走った結果、これははっきり言えます。誤解を恐れずに言うと、機械式LSD装着して、トルセンの万能っぷりと素晴らしさが改めて良く分かりました。(笑)
※因みにアルテッツァの作手レコード車(29.4)は、純正トルセンらしいです。
アルテッツァの純正トルセンは優秀ですので、サーキット走行での機械式のメリットもそれ程ありません(コンマ数秒あるかないか)。
パワーの少ないアルテッツァでは、むしろタイトコーナの差動制限で発生する内輪側スリップロスが馬鹿にならない気もします。コーナ進入では、少しでもブレーキングでリア荷重を抜き、更にヨーでアウト側に荷重移してイン側リアの荷重を抜かないと、ヨー発生の抵抗になります。コーナ進入姿勢は、FFの3輪走行が理想かも。スーパーロックLSDはまだ良いですが、普通の機械式では機構上街乗りの方がイン側タイヤの摩耗が早く進む気がします。(^^;
メリットとしては、ミニサーキットのタイトコーナでインリフトしなくなる位です。無くても大勢に影響ありません。一般走行では、ほとんど違い感じません。なお、ドリフトやジムカーナだと違いがあるかも知れないので、来月実験予定です。
ただ、LSDを効果的に使う挙動の探求という面白いネタ?には巡り合えました。www
地味ですが、これがFRの醍醐味なのかも知れません。原理も挙動も全然違いますが、イメージとしてはレシプロ機でいうところの左捻り込みでしょうか。微妙な動きの中でわずかに旋回性が上がる領域を見つけ、その領域で走る感じです。車なので左右は関係ないですが。
もちろん、今はまだ全然出来ません。今後の自己課題です。(笑)
★慣らし
今回は新品装着なので、慣らしが必要です。方法はメーカ推奨通り、急の付く操作をせず一般道を300km程普通に走りました。8の字とかは不要らしいです。
装着後、店から出る時に「ガコッガコッ」というショックがあり、その後もステアリング切っての発進や、Uターンする時は時折「ガコッ」という衝撃がありましたが、300km程走ったら無くなりました。本当に機械式が装着されているのかどうか、不安になるレベル。ステルス性高く、普段は存在を主張しません。
ファイナルギヤも同時交換しているので、700km程で一回目のオイル交換を実施。1000km越えた位で高速道路を200km程走って一旦完了。
3000km程走った時点で、2回目のデフオイル交換を実施。サーキット走行4回にスカイラインを何度か流した事もあってか、かなり鉄粉出てました(写真を撮り忘れ)。これでほぼ馴染んだと思うので、次回以降はそれほど鉄粉出ないはず。
★一般道(普段乗り)
山道ドライブ程度では、トルセンと大差ありません。あまりに変化が無いので、100%ロックとか言ってるけど、本当なんだろうかと、少々疑心暗鬼になります。いや、装着されているかどうかも疑わしいレベルです。Uターンも車庫入れも、今まで(純正トルセン)と何一つ変わりません。
機械式LSD装着効果の一つとして、直進性の向上があるらしいですが、これも感じません。むしろ、一定速度で巡行中はセンシティブになった気すらします。(あくまで個人の感想です)
あまりに変化が無いので初期不良が心配になり、低速で少しステアリング切ってアクセルを踏み込んでUターン試してみると...。
全然曲がらずダダダッとフロントがジャダー起こし、超久しぶりにドアンダー丸出し状態に...。ビビりました。(笑) 広いとこだったので助かりましたが、狭い場所だったらヤバかった...。
純正トルセンだと普通にUターン出来るのに、ほぼ直進します。きっちりLSD効いている証です。
トルセンは上手に左右ロック率を調整してくれますが(それがメリット)、スーパーロックは100%ロックが謳い文句ですから、リアタイヤ両方に均等に荷重が掛かっている状態でアクセル踏めば、曲がるはずも無し...。(笑)
一般道での感想は、純正トルセンと違いはありません。ステルス性が高く、まさに自分の求めていたLSDです。ただ、上り坂の低速タイトターンでは、イン側からザザッとか、キュキュというスリップ音がします。
★某スカイライン
一般道での感触が大体分かったので、某スカイラインを少し速めのペースで走ってみました。が、特に純正トルセンとの大きな違いは感じません。
テスト中、見知らぬ86君が遊びましょうと前に出て来たので、先ほどより少し早いペースで1往復しましたが、それでも明確にトルセンとの違いは感じません。コーナリング中の安定感が若干増してる気がしましたが、あくまで「気がする」レベルです。むしろ、ファイナル交換で速度感覚に対する変速タイミングが変わった事に少し戸惑いました。
ただし、私が「体感出来ない」事と「効果が無い」は、まったく別です。
★サーキット(YZ東、モータランド三河(2回)、オートランド作手、美浜サーキット)
一般道、スカイラインの次は、全開で走れてタイムも分かるサーキットでテスト。
まず作手。トップターンでは、リアを振って回り込む動きのコントロールが、純正より楽かつ安定する様になりました。でもタイムはベストの0.2秒落ち...。orz
YZ東(JACC)では、最終コーナ進入で少々曲げ難く感じたので、Fタイヤに荷重を大き目に掛ける事を意識したら...。ずいぶんノーズが入る様になりました。純正では多少F荷重を増やしても大きな変化はなかったので、機械式の方がF荷重の効果が大きく出るのかも知れません。
YZ東は2回目の走行で、前回より2秒程アップしましたが、1回目は終わったタイヤで走ったので、全然参考になりません。orz
次はモータランド三河。
1コーナの進入で、純正より僅かに曲がり難い気がします。そこでYZ東で覚えた、「よし、頑張ってフロント荷重増やしちゃうぞ」をやってみたらあっさり解決。純正だとF荷重増やしても、あるポイントからはあまり変化無かったので、機械式の方が許容範囲が広い様です。ちと不思議ですけど。
1コーナ立上りでは、リアが出た時に当て舵入れると、純正の時はスライドが止まった瞬間にガクッと失速感がありましたが、機械式はスライド収束させながら普通に立ち上がれます。ただ、これがLSDの恩恵かファイナル変更の恩恵かは分かりません...。
明確に違いが分かったのが、最終1つ手前の登りながらの左コーナです。以前はここで必ずインリフトしていたのですが、それが収まりました。しかしタイムは50.6位でベストには遠く届かず。w
4月末は美浜行ったのですが、真冬に出したベストとほぼ同じタイムが出ました。でもこれは、LSDよりファイナル交換の恩恵でしょう。美浜最終コーナも必ずインリフトが発生していたのですが、収まりました。でも、カート大会の関係で大混雑のため、1クールで早々に退散。
サーキットでは、さすがに純正トルセンに対する若干の違いと恩恵は感じるものの、何か釈然としないものがあります。そう、この程度では、大枚叩いた機械式LSDの性能を活かせていない気がするのです。
取りあえず、F荷重を今までより増やす事により、ノーズが入る事が分かりました。タイトコーナでのインリフトも解決。作手トップターンやリヤがスライドした時のコントロール性の向上も体感出来てます。あとは立上りでグリグリとインに入っていく感じがあれば...。
何かを掴むため、再びモーターランド三河に行ってみました。今まで以上のF荷重を意識すると、ノーズがぐりぐりと入って行きます。
が、進入で手を抜いて態勢作りが甘いと、結構なアンダーが出ます。やはり機械式はコーナ進入時に、イン側リア荷重をきちんと抜く必要がありそうです。純正トルセンの時には経験した事の無い挙動です。
あと立上りの際、ほんの僅かに車が曲がってくれるアクセルONの狭いスイートスポットがある様な気がします。あくまで気がするレベルですが。そこで、2枠目にトライ。立上りのアクセルワークに気を使い、アウト側リアタイヤをAYCの様に回して僅かでも車体を曲げる意識で操作したら、1枠目では更新出来る気がしなかった50.5を更新し、50.4が出ました。
更に立上りでリアタイヤを回して旋回させる意識で走ると、、最終ラップで50.3までアップしました。
後付けで理屈を考えたのですが、機械式はイン側の荷重を抜けば抜くほど、AYC的な働きをしてくれるはずです。しかしアクセルワイドオープンすると、僅かなプッシュアンダーが出て効果を相殺してしまうのかも知れません。つまり、タイトロープの様な狭い範囲に、スイートスポットがあるのかも?
★総括
アルテッツァの純正LSDは良く出来ており、素晴らしいです。サーキットから街乗りまで万能で、ドリフトやジムカーナも真似事レベルなら十分対応出来ます。コスパ考えるなら、お高い機械式に交換する必要ありません。
でも装着に後悔は無く、付けて良かったと思ってます。何と言っても、LSDを活かす走り方を探すのが楽しい♪ 色々と走り方を試してタイム少しでもが上がると、脳から汁が出ます。(笑) あと、一般道でのUターンも楽しい♪
ただ、期待していたコーナリング中の挙動については、純正トルセンが良い仕事してるので、機械式に換えたからと言ってグイグイ前に出るとか、ゴリゴリ曲がるなんてのは幻想です。わずかに前に出る気がするとか、曲がる気がするというレベルです。
結論としては、コスパ悪いですがFRでサーキット走行する人なら、1度は装着しても良いかも知れません。あと、何だかんだ言ってリアがきっちりロックするのは、面白いです。そこに価値を見出せるなら、アリでしょう。
※少し前にアライメントチェックしたら、左リアトーがアウトに振ってました。一部挙動はその影響があるかも知れません。
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