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車名 : 日産サニー 1.5 EXサルーン
型式 : TA-FB15
年式 : 平成13年8月
駆動方式 : FF
ドア枚数 : 4D セダン
ミッション : 4AT
ホイールベース : 2,535 mm
長x幅x高 : 4,345 mm x 1,695 mm x 1,415 mm
車両重量 : 1,100 kg
前軸重量 : 690 kg
後軸重量 : 410 kg
エンジン : QG15DE
排気量 : 1,497 cc
最高出力 : 105 ps/6,000 rpm
最大トルク : 13.8 kg-m/4,400 rpm
燃費 (10/15) : 16.8 km/ℓ
最小回転半径 : 4.6 m
タイヤ・サイズ : 175/70R14
ブレーキ(前) : Vディスク
ブレーキ(後) : ドラム
サスペンション(前) : ストラット
サスペンション(後) : ストラット
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2010年10月から我が家にやって来た。
前のオーナーに大事にされていたとみえて、とにかく状態がよい。十年近く経っているというのに、ゴムがほとんど劣化していない。ディーラーの人も言及していたように、完全な屋外ではなく、屋根のあるところでずっとお眠りしていたようだ。
走り出してみると、これまた新車のようなシャキッとした感触にびっくり。私が今まで乗った中古車でこんな感触の車はなかった。恐らく足回りのブッシュ類の状態がよいからではないかと推測している。
<外観>
おっさん臭い外観だが、個人的には好みのデザインだ。フロント・フェイスは少しだけゴージャス、且つ日産らしく少し控え目でデリカシーのある感じ。個人的には◎。リアはトランクの角度が孤高の絶壁を生み出しており、これがまたおっさん臭さを演出している。だが、個人的には◎。塗装色は敢えてこの色を狙った訳ではなく、やっぱり本来はブラックが理想的。ブラックだともう少し重厚感や高級感が増したと思う。スーパーの駐車場で隣にクラウンが並んだ時は、さすがに5ナンバー・サイズの車体が小さく幅狭く感じられ、大衆車の雰囲気が強く感じられたが、それでも、昔の大衆車に比べればとってもゴージャスなデザインだと思う。
リア右側の下にせり出したストローのような細いマフラーが泣ける。
<内装・室内>
安っぽいと言えば安っぽい。ギア・シフトはATだが、操作感はカチャカチャしており、しっとりかっちりした感じとは正反対であり、安っぽい。ダッシュボードやハンドルなど、樹脂の質感もカリカリしていて安っぽい。如何にも大衆車という感じ。
エアコンはグレードからしてマニュアルだが、全く不満はない。
トランクは容量に特に不満はないが、タイヤを載せる時、ほんの僅かにスペースが足りず、3本しか載せられないのが惜しい。4本しっかり収まるスペースはあるのに、閉める時に中のブリッジというか車体と蓋を繋いでいる鉄の棒が僅かにタイヤの角に当たってしまうのだ。ほんの僅かな事なのにと思うと余計に残念でならない。
それから、私の個人的な不満だが、この車もハンドルの調整幅が少な過ぎて適切な運転姿勢を取る事ができない。身長180cmの男は今や日本人でも珍しくはないけれど、未だこの車にとっては規格外のサイズらしい。
あと、シートのポジションが低い。最近の車は尻の位置が高く、乗り降りが楽で、しかも運転姿勢も楽なように設計されているが、この車は昔の設計なので、乗り降りは結構大変。若ければ何でもない事だけど、老人などを乗せる時はさすがに最近の車との差を感じてしまう。
<エンジン>
最初、RBやSRなどのスポーティなエンジンに乗り慣れてきた私の感覚には余りに非力に感じられたが、一般的な車としてはこんなものだろう。低回転では静かで存在感を消していても、ひとたび回転を上げるとガゴーッとうるさくなるのも大衆車としてはこんなものだと思う。エンジンの音やフィーリング、レスポンスについては、そもそもスポーツ・エンジンではないから私としては何にも感想がない(スポーティでないから興味がないのです・・・)。ただ、格下のホンダ・フィットと比べて加速が劣っているなと感じた時は少し悔しかった。格下のより非力なエンジンであってもCVTで武装されると4ATで対抗するのは何だか分が悪いようだ。
燃費は10km/ℓ程度、しかも一回当たりの給油量の少なさも大食漢のスカイラインと比べると御の字以外の何物でもない。
<ハンドリング>
乗り心地は上々、ハンドリングも上々だ。軽自動車は完全に町乗り用で、高速道路には向いていないが、この車は“町乗り兼高速道路だって結構行けるぞ”仕様だ。但し、120km/h以下という前提だけど・・・。
しかし、この車を侮ってはいけない。曲がりなりにも低重心の伝統的なセダンであるから、峠に行って攻め込むとなかなか奥深い走りを楽しむ事ができるのだ。足はさすがに柔らかいけれど、そこは軽自動車のフニャフニャの足とは違う。スポーツ・カーに比べると大袈裟なリアクションを返してくれるが、これがまた車の動きがよく見えて面白い。それゆえに、正しいタイミングで正しい操作を入れた時には思いも寄らぬ速さで峠道を駆け抜けてくれる。
FF特有の頭ばかりが重たくてリアの軽いバランスは、操作が悪いとなかなかヨーが立ち上がらず、ハンドルをねじ込んでしまう気持ち悪さもあるけど、正しい操作が決まった時には嘘のようにバッチリ曲がってくれて実に気持ちいい。
恐らく、RV車やミニバンで峠道を走ってもアクセル踏む気も起こらないだろうが、この車は結構行ける口なのだ。いや、改めて考えてみると、エンジンは確かにスポーティではないが、車体は結構行けると思う。恰好つけて言うなら、晩年の年老いたサニーではあっても、若い頃、B110やB310でブイブイ言わせただけの車と言えるのかもしれない。確かにVZ-Rという過激グレードがある事も考えると、思うよりずっと“行ける車”かも・・・。
【故障箇所】
フロント・ロワー・アームのブーツ破れ
スターター・モーター(動作不良)
スピーカー!?(オーディオが無音)