先日、夜間の新東名を走って思った事。
2016年3月24日、警視庁が高速道路の速度規制を現行の100km/hから120km/hに引き上げる方針を決定したとかいう記事が出てほぼ一年。
警視庁曰く、高速道路の「利用効果を高める」という理由での高速道路の制限速度引き上げで、東北道の一部と新東名の一部で2017年からを目途に試験導入決定とあります。
利用効果を高める?
早い話、もっと高速道路を利用してもらおうという事なんだと思います。
新幹線が270km/hで走る時代に高速道路を120km/hで走れるって事だけで利用者が大幅に増加するって事もないかと思いますが、個人的には大歓迎。
車って自由に動かせるから楽しいんであって、単純にスピード出せるから嬉しいっていうのよりも、自由の幅がちょっとでも広がる事には大賛成 !!
日本の高速道路に関しては「道路法」っていう法律に”道路は安全で円滑な交通を確保しなくてはならない”って定められていて、そこには”道路の構造の基準”の具体的な基準事項が定められ、さらには政令「道路構造令」によって”道路の構造の基準”が具体的数値を伴って設定されるとあります。
道路の規格が都会か田舎といった場所によって第一種から第四種まで分類され、交通量や地形でさらに第一級から第四級まで細かく設計に関する規制がその政令「道路構造令」に定められているんです。
で、実際の状況に合わせて具体的に各道路への制限速度を設定する権限を持っているのが各都道府県の公安委員会。 つまりは警察の親玉。
つまりは法律と政令によって道路の品質基準が決まっていて公安委員会でも勝手にその品質基準を超えた制限速度を変えられないようになっております。
その政令によって具体的に定められているのがドライバーの運転視界の見通しや道路の勾配率、カーブの曲がり角度なんかで設計速度が決まっていてたとえば見通し210メートル無ければ設計速度は120km/hと設計できないとか、高倍率は5%以上あったら設計速度は120km/hとできないとか・・・。
細かくその政令で規定されてるんですよ。
こういうのも車の動力性能、安全性能の向上にともない、時代とともに変わっていくべきものだとは思いますが、ちょこちょこ変えれば良いっていう物でもない。
それなりに手続を踏んで慎重に変えるべき物だって思います。
まあ、時間が掛かって当然なものなわけです。
で、実際に各道路の制限速度を設定する警察に120km/hの制限速度を認めさせたいって思ったら、少なくともその設計速度が120km/hを超えている道路でないとならん。
現状では道路の設計速度に対して10%以上の余裕を見て制限速度が警視庁や都道府県の県警によって設定されておりますが、制限速度120kmの10%増しで設計されている高速道路は日本では新東名と新名神だけ。
東北道はすべて制限速度120km/h以内での設計速度となっており、それを超える区間はひとつもない。
だから、公安委員会が東北道で120km/h制限速度を試験的にでも導入するって言ったというのはかなり思い切った話。
今までは120km/h設計で100km/hまでの制限速度としていた物を設計値ギリギリまで制限速度を認めようっていう試みです。
ちなみに公安委員会が120km/h制限速度試験区間としたのは下記の二カ所。
・ 東北道 花巻南IC---盛岡南C
・ 新東名 御殿場JCT---浜松いなさJCT
ただ、速度規制120km/hへの引き上げに関して言えば、六車線区間が長い東北道はいざしらず新東名って基本四車線(片側二車線だけ)じゃないですか?
試験導入される区間の御殿場JCT---浜松いなさJCTだって新東名だから当然四車線道路。
じゃあ東北道は?
東北道だって花巻南IC---盛岡南IC区間は四車線。
公安委員会は80km制限の大型車両と120km/h制限に引き上げるが一緒に走る事の危険性に関しては無視しちゃってるんですよ。
誰が考えたって分かるじゃないですか?
確かに見通しが良い直線区間でかつ空いてれば120km/hで走ってもなんら不安が無い道路ではありますが、先日の私が走った際の夜間の新東名上りがそうだったように制限速度80km/h以内の大型トラックが後方確認もそこそこに頻繁に追い越し車線に飛び出してくる状況では120kmでの追い抜きは危険この上ないというのが事実。
現実の話として制限速度120km/hというと130km/h位で走っちゃう人も多々いるわけです、走行車線をノロノロと走るトラックが追い抜き目的で80km-90km/hで追い越し車線に飛び出てこられた場合。
トラックドライバーもプロなので後確認してから車線変更してるんだとは思ってますが、後方から追い越し掛けてる車とかブレーキ踏ませる事に対しては何も考えてない輩が多すぎる。
こういうトラックドライバーって、「万が一普通車に後からぶつけられても俺は死なないもんね」、「死にたく無ければお前らがブレーキ踏め」、「俺達は仕事で道路走ってんだ」くらいの気持ちなんでしょうか?
大きい車乗ってると気持ちまで大きくなっちゃうんですかね?
制限速度120km/hに引き上げられた場合には頻繁にある状況だと思いますが、仮に速度差40km/hで、前方を走る大型トラックに追い抜きまたは追い越しを掛けた場合、前方30メートル手前で走行車線から追い越し車線に飛び出された場合、40km/hの速度差だと2.7秒後に激突。
まあ、普通の車だと40km/hの速度だと停止距離まで20メートルだそうなので飛び出された時の距離が30メートル確保されていればぶつからずに済む状況。
でもこれってフルブレーキ踏んだ場合ですよ。
普通、高速走っててフルブレーキとかあり得んですよね?
そんな危なっかしいこととてもできません。
まあ、そうなると低速で走っているトラックがいつ追い越し車線に飛び出してきても対応できるようにスピードを抑えて走りましょうって事になるわけですが、こうなるとトラックが走行宇車線を間断無く走っている特に夜間なんかは制限速度引き上げの本来の目的である「利用効果を高める」という目的に合致しない法律改正になってしまうわけですな。
費用掛けて改正とかする意味無いわけです。
制限速度を120km/hまでに引き上げるなら6車線道路に限定してかつ、追い越し車線を80km/h制限速度の車両を走行禁止にする。
当然、無視する輩も出てくるわけで頻繁な取り締まり、警察の厳密運用も必須。
当然、反対する人達も出てきそうですが・・・。
流通業界に警視庁の天下りとかたくさんいそうだし・・・。
難しいんですかね?
ただ、こと安全に関わることなので見ないふりとかして欲しくない。
公安委員会もこれを無視して制限速度の120km/hへの引き上げというのも「画竜点睛を欠く」ときちんと認識してもらいたい。
そして、公安委員会のトップになる「国家公安委員会」のトップである「国家公安委員会委員長」になるのは政治家。
山岡賢次氏なんかにさせといちゃいけません。
今回の制限速度引き上げは古屋圭司衆議院議員(自民党/国家公安委員会委員長: 2012.12.18-2014.9.3)のチャレンジです。
成蹊大出身で安倍総理の元秘書、で親も非祖父も議員だったっていう二世ならぬ三世議員ですが「警察の取締のための取締」に対して挑戦した事は評価にあたいします。
都市伝説?
警察利権に手を突っ込んだ政治家は選挙違反で逮捕されるそうですから・・・ (笑笑)
反則金だって信号やガードレールの整備に使われるらしくて、その関係民間企業に警察OBは天下りするそうですから立派な警察利権。
選挙違反の話は嘘かホントか知らんですよ。
でも、政治家としてはこんな話し聞いちゃうだけでも怖いですよね。
ちなみに青切符が反則金で赤切符が罰金。
反則金と罰金はそのお金の行き先が違うようで、警察利権としては反則金の行き先が利権だそうで、罰金は行き先が国庫だそうで地方の警察にはあまり関係無いんだそうです。 (笑)
古屋圭司衆議院議員 自民党 岐阜5区
こういう人は応援しないとね !!