2010年06月02日
30日の深夜、祖父が亡くなりました。
3月末から肺炎を患って入院し、約2ヶ月闘いぬいての出来事でした。
明治生まれの祖父は98歳。
現役時代は大学教授として活躍し、私の出身大学・出身学部を含むいくつかの大学で研究室を持ち、引退後は名誉教授として生涯を研究にささげた人でした。
自分が大学選びをするにあたっても祖父の影響は非常に大きく、いつか祖父の背中を越えるような研究者になることが出来ればと化学の門を叩いた時に、祖父が非常に嬉しそうな顔をしてくれたことが今でも鮮明に思い出されます。
結局私は研究の道を離れ、今は全く違う道を歩むことになりました。
祖父が心から愛した化学の道を極めることが出来なかったことは心残りではありますが、祖父から学んだ物事を追求する姿勢は今でも持ち続けているつもりです。
晩年、身体の自由が徐々にきかなくなり、記憶に靄がかかり始めても、祖父は人の手を煩わせる事を嫌い、自分で出来ることは全て自分でこなそうとし続けました。
研究の世界の第一線で闘ってきたプライドがそうさせる部分もあったのでしょう。
96を過ぎて、転倒して腰の骨を折る大怪我を負った時も、誰もが寝たきりを覚悟したにもかかわらず、骨折が直ったらまた自力で歩き出す祖父の姿に、人間の強さを感じずにはいられませんでした。
そんな祖父は今回の入院でも何度も持ち直したりを繰り返したのですが、30日の夜に容態が悪化して病院から連絡が入ってすぐに息を引き取ったそうです。
連絡を受けた親戚が駆けつけたときにはもう呼吸も止まっていて、私も駆けつけるための準備をしていたのですが、間に合うことが出来ませんでした。
でも不思議と親戚一同、深い悲しみというよりは「おじいちゃんらしいね」という感覚で、みんなそれぞれに祖父の思い出を語り合っていました。
祖父の表情も凛としていて、とても誇らしげに感じました。
明日3日に家族と祖父の友人でお別れの会をして、見送ってきます。
感謝の気持ちを伝えられたら・・・いいなぁ
Posted at 2010/06/02 14:15:47 | |
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