

最近少し話題になっている、コンテナを客室にしたホテル。
建築用コンテナモジュールを1台1客室とし通常はホテルとして展開しながら、
災害時等には避難所や仮設住宅代わりに提供するレスキューホテルとして
客室コンテナを被災者に開放したり運搬して被災地に設営できる
災害対応ホテルで、現在は関東以西に66店舗あります。
コンテナホテルは建築型と車両型の2タイプあり
前者はコンテナのみを基礎の上に置いて設営する半固定方式で
出動時は大型トラックの荷台にクレーンで載せて運びます。
後者はコンテナがトレーラーに載ったままホテルになっていて
出動時にはトレーラーヘッドに接続しそのまま走っていけるので
普段のホテルの時からタイヤとナンバーが付いています。
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【動くホテル】災害時に活躍する!?話題の「レスキューホテル」とは?
ホテル名の"R9"とは"レスキュー"の事だったのですね。
宿泊を決めた時に調べてみて初めて知りました。
ホテルとしても災害対応としてもとても有効ですし
コンテナという規格品の活用という点からもとても良いアイデアで、
災害大国日本にとってとても役立ちますね。
地震だけでなく年々豪雨災害も増えていますし
北日本へもどんどんと展開して行って欲しいところですね。
2019年頃から全国にこのコンテナホテルを展開している
"HOTEL R9 The Yard"が少し前から気になっていたのですが
先日の兵庫県への旅行で運良く目的地付近に
直前の7月にオープンしていたので利用してみました。
"HOTEL R9 The Yard"は私の地元にも2店舗ありますし
旅先でも見かけた事があって前々から少しだけ気になっていました。
コンテナをそのまま居室にしてしまうのは
ビジネスホテルのシングルルームのサイズにちょうど良いですし、
私がよく見る賃貸物件の内覧動画でも以前コンテナハウスが紹介されていて
それもあって気になっていたのですね。
という訳で、今年初の上陸台風7号と一緒に兵庫県に乗り込んで
コンテナホテルに宿泊してみました。
場所は7月6日(木)にオープンしたばかりの"HOTEL R9 The Yard 加西"さん。
できたてホヤホヤなので全てが新しかったです。


"HOTEL R9 The Yard"さんはコンテナひとつで居室1室なので
全ての居室が離れていて、各居室の前に駐車場があるのが特徴ですが、
この加西では残念ながらレイアウトが土地形状と合わないからか
居室前に駐車場があるのはごく一部で、
居室と駐車場はそれぞれ別々にまとまっていました。
ここは少し残念でした。
災害対応時にコンテナを出し入れしやすくする為に
仕方が無かったのかもしれませんね。
フロントの裏にあるコンテナ2台ぶんの大きな部屋がデラックスツインで、
03~05がツインルーム、残りは全てシングルルームです。
各コンテナ居室の間のスペースはこんな感じ。



コンテナとコンテナの間は人が一人やっと通れるくらいで
メンテナンス以外にはまず使われないと思われます。
間が開いているので隣の客室の音を気にしなくて良いのですが、
耳を澄ませば一応隣の音や話し声は聞こえるといえば聞こえるレベルで
ほぼ気になりません。
それよりも、コンテナという特性上、通路や玄関周りといった
外の声や音の方がよっぽどよく聞こえてきますので、
通路あたりで喋っている人がいると会話もほぼ聞こえてしまいます。
自分の部屋でTVや音楽を大きめの音で流しても
隣にはまず聞こえないので良いのですが外には少しだけ音漏れします。
玄関の鍵は基本的にはデジタルロックです。


鍵は主に3パターンあり
スマートチェックインの場合はフロントのスマートエントリーで
発行されたチェックインコードをタッチパネルに入力して解錠、
通常のチェックインの場合はフロントで通常のチェックイン手続きをし
受け取ったカードキーをタッチセンサーにかざして解錠となりますが、
台風や豪雨時はフロントで物理キーを受け取って
タッチセンサー下の丸いカバーを開けて鍵を挿して解錠します。
今回は初日のチェックイン日がちょうど台風7号直撃だったので
私は物理キーになりました。
トップ画像でフロント棟の窓ガラスに水色のテープが
バッテンに貼ってあるのは台風対策で翌日には剥がされていました。
ちなみに私が宿に到着してチェックインしている8月15日16時頃は
風雨がほぼ止んでいました。
なぜなら、
ちょうど台風の目真っ只中だったので!(笑
客室内はこんな感じ。今回はツインルームです。


客室内には収納は無く、
玄関にハンガー4個とコートフック4箇所があるくらいです。
クローゼットはもちろんパイプハンガーも無いので
薄着の夏場は良いですが、冬はコートをかける場所も無くて
そのあたりは何か対策をしておく必要がありそうですね。


ベッドはツインルームのみ幅が110cmのシングルサイズで
シングルとデラックスツインは140cmのダブルベッドとなり、
長さは全て195cmのシモンズ製となっています。


エアコンは家庭用の独立タイプでリモコンで細かく制御できます。
強力なので夏場でもすぐ冷えますし、コンテナ外装には遮熱塗料と
内壁には遮熱材が施されているのでしっかり室温キープが可能です。
TVは地上デジタル放送のみでBSやCATVには非対応でした。
これはレスキューホテルとして移動設営する為なので仕方がありませんね。
客室内唯一の扉の中はよくある3点ユニットバスとなっていて
サーモスタット水栓は水圧が強く手洗いもシャワーも
最大にすると痛いくらいで水圧不足で困る事はまずありません。
ただバスタブにお湯を張るには10分くらいはかかりそうですが。
手洗い用ソープは紅茶の香りがするタイプで私の超好みです。
備え付けの他のシャンプーやボディソープも高級感があります。


全客室に電子レンジ、冷蔵冷凍庫、加湿空気清浄機が標準装備されていて、
冷凍庫は溶けかけのアイスクリームもすぐに凍るくらいです。
ツインルームのデスクはスペースの関係上、
小さく狭いのでここで食事を取るのはかなり辛そうです。
他にテーブル等もありませんので室内での食事は工夫が必要かも。
テーブルの中にはドライヤーとケトルが備わっています。
フロントでアメニティと共に1泊につき冷凍食品を1個貰えるのもあり
ビジネスユースにも便利でありがたいですね。
全客室提供のWi-Fiは実用レベルですが特別速い訳では無いようです。

上りも下りも50~100Mbpsといったところですが、
タイミングによっては20Mbpsあたりになる事もありました。
まぁホテルで回線速度を必要とするような事も無いでしょうから十分かと。
といった感じで、コンテナホテルに泊まってみたお話でした。
なかなか良いなと思うので、また機会があれば
別の場所で泊まってみたいと思います。
できれば玄関前に屋根があって駐車場が目の前にある、
雨の日でも濡れないところに。

台風直撃の翌日は台風一過の気持ちの良い青空でした。
…なお、その次の日からはまた天気が悪かったですがっ(^^;