先日は
某ディーラーでの試乗の際に安全運転支援システムの衝突軽減ブレーキを過信する余り、ノンブレーキで先行車につっこんで事故になった件がニュースになってましたね。自動運転なんて無理だ、人間の判断に機械がとってかわることは出来ないんだ、という声がまた大きくなってます。まぁ、ああいうニュースを見せ付けられるとそういう声があがるのも無理はないかも知れないですが、僕の立場は「人間と機械は全然違うものなんだから、
それぞれの長所を生かせればいいんであって、
どっちかじゃ無いとダメだっていうのはちょっと違うんじゃないか」ってことで変わってないです。そんな僕の考え方が、あながち外れてはいないんじゃ無いかと思うことが
今日だけで立て続けに2件も起きました。私の愛車はホンダセンシングを搭載していますが、この衝突軽減ブレーキが作動して救われました。愛車のドライブレコーダーに記録されていた映像を振り返りながら検証してみます。
事例①
先行車に続いて制限時速50キロのところを55キロほどでスムーズに走行していたところ、後続の赤いボルボが方向指示器も出さずに急に追い越してきたが全然加速が鋭く無いポンコツな上に反対車線に対向車が近づいてきたので方向指示器も出さずに無理やりに私の車の前に割り込んで来た際に運転者が判断するより一瞬くシステムが自動で減速し衝突の回避に成功。
事例②
側道から一時停止もせずに飛び出してきたシルバーのスズキ:エスクード(運転者は高齢者のようだが高齢者マークの掲出は無し)。衝突軽減ブレーキの無い車ならぶつかっていたかも知れないほどのとっさの事態であったが、人間がブレーキペダルの上に足を乗せるよりも一瞬早くシステムが自動でブレーキを開始し、衝突の回避に成功。多分、前車だったらぶつかってたんじゃないかと思う。
人間ならではのメリットってのは確かにある。
たとえば、これまでの経験や知識と柔軟な判断力。
そういうのを人間と同じ様に機械がやろうと思うと限界がある。
機械ならではのメリットもあるだろう。
たとえば先入観無くありのままに情報を瞬時に判断する。
これを機械がやるレベルで人間がやろうと思うと限界がある。
現状の市販車に搭載されている安全運転支援システムは最高でもレベル2。あくまでも運転の主体は人間であり、機械は運転者を補助している。実のところ、これはまだまだシステムとしては「自動運転」とは言えない。レベル3になってようやく自動運転と呼べるものになる。でも、そう遠く無い未来にはレベル3の安全運転支援システム搭載車は普通にその辺の道路を走行し始めるだろう。事故を防ぐという面から、こういう技術の進歩は大歓迎であるしどんどん普及すべきだと思う。ただ、その際に
「自動運転」という言葉だけが独り歩きする事だけは避けて欲しいと思う。間違ってはいけないのが、我々が求めているのは機械によって安全運転をする技術が高まることで事故を軽減することであり、自動運転というのはその技術の先にある副次的な目標なんだよ、ということだ。どうやって安全に運転するか、事故を減らすか、事故の被害を軽くできるか、そういうったことをどんどん突き詰めていかないといけない。その為の方法が現在あらゆる自動車メーカーが必死になって研究している技術なんだよな。だから、「自動でブレーキが効くかどうか試してみようぜ~!」ってことをするのは
根本的に間違っているよ、というわけだ。私のように「こんなクソみたいなドライバーがいたぞ、ムカつく!」って晒すのが正しいのか?と言われると「ぐぬ、」ってなるが、あくまでも
「運転中に人間の判断だけでは間に合わないようなケースも機械のシステムを利用することでより高い安全を得ることが出来るんじゃないか?」という提言であると声を大にしていいたい。
それにしても心配になったことであるが、現車に搭載されているようなシステムはまだまだ少数派だろうけど、こういうのが大半のクルマに搭載される頃には先述のような追い越しからの無理やりな割り込みや側道からの無茶な飛び出しなんかも「やっても相手が回避してくれるよね~」ってことになるのかよ?「自動運転自動車」が溢れかえるほどの未来には自己中な無茶ドライバーが完全勝利する怖い世の中になっちゃうんじゃないか?そう思うと怖くなってきたが、少なくとも自分は
機械だけを過信するわけではなく上手く機械を利用しながら安全を心がける運転を目指す道を進みたいと思う。
Posted at 2017/04/22 18:43:01 | |
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