SPEEDKINGのブログ一覧

家電でもなんでもそうですが、もともと興味のなかったものを、買うという前提で選ぼうとした時、手っ取り早いのは

「おススメはどれ？」

と営業マンにストレートに聞くことです。

フィットの場合は「ファイン・スタイル」というお買い得仕様車で、13G・スマートセレクションというもの。

スマートキーシステムやETC、ディスチャージヘッドライト、フルオートエアコン、運転席アームレスト等が標準で付いてくる。

これなら後はナビを付けるだけです。

ただ、難点はボディーカラーにあまり気の利いた色がないこと。

ましてモデルチェンジ直前ですからすでに生産は終了しており、白・黒・銀くらいしか在庫がありません。


この段階で候補はおおよそフィットとデミオに絞られていました。

パッソはなかなか可愛らしいと娘と妻には好感を持たれていたのですが、私が勝手に落としました。

あまりに文房具的な、女子供に媚びた雰囲気が好きになれなかったのと、以前ブログに書いたように試乗した際の印象が良くなかったからです。

というわけで２車種に絞られたわけですが、私としてはフィットのシルバー（アラバスターシルバーメタリック）で行こうかなと考えていました。

しかし乗るのは娘ですから、あくまで娘に決めさせなければなりません。

集めたカタログはすべて見せてありましたので、

「お前はどんなんが（デザインのこと）ええんや？」

と聞いてみました。

すると予想もしなかった答えが。

ムスメ「う～ん、カタチというより、色かな」
私「…イロォ？」

デザインやスタイルは何でもいいというのです。

マジか？

俺にはありえんぞ。

ムスメ曰く、フィットには欲しい色がない。

デミオは現行モデルですし、結構カラーが豊富です。

デミオのカタログを見せると、「これかこれかこれ」と３色候補を挙げてきました。

しかしシルバーのフィットで決まりかなと思っていた私は、ムスメに現車を見せにディーラーに行くことにしました。

先ほどTVを見ていたら、奈良県の山中で大きな木が走行中の車を直撃、乗っていた男性がケガをしたというNHKのニュースが流れていました。

その木というのが、高さ３０ｍ・幹の最も太いところで直径１．９ｍという巨木。

内部がすっかり腐っていたらしい。

ドライバーは大したケガではなかったそうで、運のいい人だなぁ、と思いながら見ていたら…

大木が直撃したという車は
なんとトヨタ2000GT！

まさか、そんな…

いや、やっばりそうだ。

ドアの形が間違いない。

よりにもよってこんな希少な車に…

しかもコンバーチブルみたいだぞ。

車両保険はかかっとったのか？

車価表には載っとらんだろうな。

時価で５千万円もするというクルマ。

仮に車両保険が下りたところで、売り物がめったに出ない。

オーナーは死ぬほどつらいだろうなぁ（汗）。

２代目フィットに乗り込んで、まず目に付くのが上部が広大なダッシュボード。

旧型のNewビートルを思い出します。

「なぜこんな無駄なスペースが？」と一瞬思ったのですが、これは無駄ではありません。

短い全長でキャビンスペースを最大化すべくスカットルをギリギリまで後ろにする一方、空力向上を図ってフロントウィンドウ下端をノーズ付近まで伸ばした結果でしょう。

しかしそう理解しても、貧乏性の私はこのスペースが気になって仕方がありません。

「もっと窪みを作って色々な物が置けるようにすれば…」

と思いますが、ダッシュボード上に物を置くのは危険ですからね。


グラスエリアが広いので開放感がある一方、自分の体がむき出しになっているようで不安感もあります。

そういえばかつて友人が所有していたシビックも「むき出し感」が気になったことを思い出しました。

ホンダはグラスエリアを広くしてある車が多く、設計上の特徴なのかもしれません。


ウレタンのステアリングは断面が楕円形(刀の柄みたいな感じ)で握りやすい。

エンジンのレスポンスはまずまず。可もなく不可もなし。

ハンドリングもごく普通で、ホンダ車だからと期待すると少し当ては外れます。

グラスエリアが広いデザインゆえか、ボディ剛性はイマイチでフロアが若干ブルブルと震えます。まあさほど気にならないレベルですが。

この時点でデミオ(スカイアクティブエンジン搭載車)の試乗を済ませていたのですが、正直言って差があまり感じられませんでした。

エントリークラスとしては、あまりとんがったところを出せないということなのでしょうか？

まあ娘の通勤用としては何の文句もないだろうということで、見積もり（結着ではない、とりあえずの）を貰って帰りました。


ところでこの時の車選びでは実にたくさんの店を回り、カタログをもらい、営業マンに話を聞きましたが、試乗をしたのはフィット、デミオ、スイフト、パッソの４車種だけでした。

ディーラーに行くと必ず試乗と見積もりの提示を勧められますが、一応見に行ってるだけで実際には候補として考えていないモデルもたくさんあり、無用な期待を持たせても申し訳ないとの考えから、本当に買ってもいいかなと思った車種だけにしたのです。

客なんだから気にしないという方もたくさんおられるでしょうが、ここで遠慮してしまうのは自分も営業だからというのが多分にあります。


試乗をして最終候補を絞り込んだのはまさに猛暑の７月で、小排気量車にとってはつらい時期です。

エアコン全開でも大した冷房効果は得られません。これは仕方ないところでしょう。

しかしそれを差し引いてもパッソは選べないと思いました。少なくとも1,000ccエンジン車は。

エンジンが非力でスロットルレスポンスが鈍く、ステアリングの中立付近が曖昧すぎます。

パッソのメインターゲットは若い女性から主婦で、実際に乗っている人を見ていても同様です。

なのであえてアクセルとハンドルの切り始めをダルにしているのかもしれません。

しかしこれでは片側二車線以上の交通量の多い幹線道路で怖くて右折ができません。

クルマ作りがちょっと間違ってるんじゃないかと思いました。