
先日訪ねた兵庫県姫路市のあるお寺のお話。
ここは映画「ラスト・サムライ」の撮影に使われたことでも有名です。
ロープウェイで山上まで行かねばならず、山道仕様(?)の私の愛車も、ふもとの駐車場で留守番です。
でも、こういう時って、落書きなどのイタズラが心配ですよね。
愛車の無事を祈りつつ、ロープウェイで山上へ、そこからさらに20分ほど歩いて、ようやくお寺が見えてきます。
大講堂、食堂(じきどう)、常行堂と3つの重厚な木造建築が建ち並ぶ様は圧巻です。
いつものように、建物の柱や組木を観察していると、壁にいくつかの札(注意書き)がぶらさがっていることに気がつきました。
「落書きは末代までの恥」
そうです。落書きはいけません。車だけでなく、文化財へも落書きする人が多いのです。
ニュースでもたまに取り上げられますが、すごく悲しいことです。
気を取り直して中央の食堂へ。ここは現在は宝物館となっており、貴重な寺宝の数々が展示されています。順路どおり2階から観覧して1階へ戻り、中央まで進むと古い木の柱が展示してあります。
説明書きに曰く、「羽柴秀長(豊臣秀吉の弟)の家臣の落書きあとがある柱」とのこと。
よく見ると確かに落書きあとが・・・
「見せしめ? イヤ、どうみても寺宝扱いだよ・・・!?」
修行不足の私には、世の矛盾に対し、明確な解答を出すことができません。
愛車の無事を確認し、巡礼ごとに増えていく煩悩とともに、次のお寺へと車を走らせるのでした。
Posted at 2009/04/30 01:07:15 |
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古寺・仏像 | 日記