2010年02月16日
ゴロク電子新聞のインタビュー内容です(2010年1月アップ)
編集部 | 車やバイク関連のお仕事は
ライフワークになってきていますね。 |
大鶴 |
そうですね、しつこくやってます。
隙間産業なんですよ(笑)。
オートバイの雑誌連載は
10年ほどやっていましたが、
車関連の映画はちょっと久しぶりです。
プロデューサーと
また車でやりましょうという話になった時、
僕の中で描きたいと思ったのが
オヤジたちの物語。
オートバイ雑誌の連載では、
「バイクを降りないオヤジたち」というのが
自然とテーマになってきているんですよ。
バイクに乗り続けるのはなかなか難しい。
奥さんの目や周囲の目がありますからね。
でも降りずに頑張るオヤジを
応援したいなと思っていて、
それと今回の作品のテーマは同じ。
レーサーの話ではなく、
あくまでオヤジたちの夢の話。
勝ち負けではなく、
湾岸最速と呼ばれるような
都市伝説を追い掛け回した、
遊び心を取り戻すという話を
描きたかったんです。 |
大鶴 |
40代にとっては、
走り屋のシンボルマークが鉄仮面です。
打ち合わせで名前が出た時も、
久々に聞いたよって盛り上がりましたよ(笑)。
今はあだ名が付く車がなくなりましたよね。
鉄仮面も格好良かったけど
ハチロクも良かった。
女の子も「彼氏が鉄仮面乗ってて」とか、
平気で使ってましたもんね。
時代は変わりました。
でも最近は、
80年代の車がネオクラシックと呼ばれて人気があり、
そういう流れも分かっていたので、
ここは鉄仮面でしょうと。
鉄仮面に関しては
インチキなものを登場させるわけには
いかなかったので、
「FJ会」というオーナーズクラブに
バックアップしていただき、
現代のテクノロジーで
チューニングされているエンジンも
複数用意していただきました。
さすがに最新のスカイラインR35には及びませんが、
200キロくらい出しても何も起きない
R35と比べると面白いと、
ドライビングの腕のある人はみんな言っていましたね。 |
編集部 |
湾岸でのバトルシーンはすごい迫力です。
CG映像ではないですよね? |
大鶴 |
合成は運転席のシーンだけで、
とてもすごい映像が撮れていると思います。
車に取り付けた電動クレーンがあり、
社内からリモコンでカメラを動かしているんです。
ハリウッドでも使われている機材で、
走っている車を
独特の映像で捉えることができるんですよ。
ボンネットに人が乗っかって
撮っているみたいなもの。
スピード感が出ますし、
これにコマ落としなどの技法も併用すると、
すさまじい迫力が出るんです。 |
大鶴 |
同年代との共演は独特の面白さがありますね。
僕も20代のころ、
40代くらいの俳優さん同士が仲良く共演しているのを
見たことがありますが、
その気持ちが良く分かりました。
いろいろなことを経験して
生き残ってきた戦友みたいなもので、
ライバル意識を持たずに
接することができるんです。
なんとなく“間”というものが
分かり合えるんですよね。 |
編集部 |
見た人にどんなことが伝わるとうれしいですか? |
大鶴 |
好きなことならば
釣りでもなんでもいいと思うんですが、
歳を取るにつれて止めてしまったことって
あると思います。
でも、絶対に忘れられないものもあるはずで、
若き日の夢にまた触れてもらえればうれしいですね。 |
編集部 |
今後も車やバイクにはかかわっていきますか? |
大鶴 |
スピードを競うものとは違うこともやりたいですね。
最近、ユアン・マクレガーが
バイクでアフリカ大陸横断に行ったじゃないですか。
ああいうバイクとの触れ合い方には憧れてしまいます。
彼は素晴らしいドリーマーですよ。 |
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大鶴義丹(おおつる・ぎたん)
1968年4月24日、東京生まれ。
中学生の時にNHKドラマ『安寿子の靴』(84)で
デビューするが、本格的には88年の映画
『首都高速トライアル』で俳優を目指す。
その後『君の瞳に恋してる!』(89)
『逢いたい時にあなたはいない…』(91)など
多くの人気ドラマに出演、
映画『湾岸ミットナイト』シリーズ、
『プライド 運命の瞬間』(98)、
90年には『スプラッシュ』ですばる文学賞を受賞。
95年には『となりのボブ・マーリィ』で
映画監督デビューを果たし、
最新監督作として『私のなかの8ミリ』『ブレーキ』
(09)などがある。 |
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Posted at 2010/02/16 19:05:15 | |
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