絶対評価と相対評価

車を評価するとき、どちらに軸を置いて考えるかで論評は変わると思います。

個人的には相対評価は楽ですね。褒めたい場合は一番あほなモデルを吊るし上げたり、並べて褒めたい方の良い部分だけをクロースアップしたり、とにかく相手が居ると楽です。お笑いだって、それこそ人をイジッて笑いを取るヤツ、一人だと何もできんじゃないですか、笑。

無の状態でぽっと置かれて、はいどうぞって結構難しいもんです。

だから、カージャーナリストの大御所にしたって「ｘｘｘはＤセグメントのメートル原器だ」とかいう訳です。何かしらの評価軸を作ると本当に楽ですから。

日本人は基本的に絶対評価が非常に得意じゃないんです。多分。

蛇足ですが、未だコロナウイルスの絶対評価出来てないですよね。そりゃ未知のウイルスだったわけで分からない部分が多くてやりずらいですが、基本的に日本は全然出来てないでしょ。世論形成にしても、絶対評価から来るオリンピック中止論ではないと思うんです。こんな状況じゃやれないよ・・・というのが主な総論だと思いますが、それは「ウイルスが無い状態」との相対的な評価が主な判断基準になっていると思います。

そもそもの、ウイルスがある場合においての絶対的な判断（全体の感染者数の人口比率、他の傷病と比較した死者数や経済影響、抜本的な医療体制の見直しの可否や水際対策の徹底、時限立法での対応がどこまで出来るのか、国際協調を考えた場合の是非などを考えた総合的な判断）では、多分「やっていい」なんだと思うんです。フランスにしてもドイツにしても、ＩＯＣの本丸連中は「絶対的に被害が少ないし、やっていいじゃない。マジで対策すれば」と考えている気がします（問題はちゃんと出来ない日本って事を言えてない）。

さらに蛇足ですが、ボクはやらんでいいと思ってます。だって、最初から反対だったから、笑。商業五輪はぜーんぶ赤字で、意味があるのは先進国以外の宣伝したい国がやる場合の宣伝効果くらいじゃないですか。東京に決まった時はリアルにガッカリしました。こんなお祭りイベントに頼っているからあほぅな経済政策しか打てないし、大衆は浮かれるし・・・。昔の日記にそんなの書いた記憶があります。

大丈夫、賠償金なんて日銀が金刷って出しゃいいのさ、笑。止めちゃおうよ、やらんでみんなでその時期暇しようよ。ドライブでもしようよ、感染しないし。首都高の期間中値上げとかも無くなるでしょ？助かるもん、それの方が。賠償金ついでに日本の選手には「ありがとう金メダル」でも配ってさ、記録にも記憶にも名誉にも残そうよ。外人？知らないです、ボク国家主義者だし、全部日本人選手にくれちゃおうよ。ほんで次の年の全部のスポーツ大会にガッツリ報奨金出しつつ参加してもらってそこで勝とうよ。

っと蛇足しましたが、やっぱり絶対評価って難しいですね。こう書いていても難しい。

ドイツのアウトシュピーゲルとか、クソつまらんのですが原因は多分絶対評価に徹してやたら数値だとか何だかばっかり乗せるから。でも、それが彼らの判断に役立つから成立しているわけです。多分、日本だと「もっと叙事詩みたいなインプレ書け！」と怒られて廃刊するかもしれません、笑。

日本だとカーグラなんかがジャイアントテストなどで絶対評価に近い事をしていましたが、個人的には結構あれでも感情バイアスやらお好みバイアス入ってるなぁと感じました。だって、E46だかW203だか出た時に１７０系クラウンだかをそこにぶち込んでコケにしていたけど、おいおいそれ可哀そうだよ・・・と思ったもんです。１００ｋｍ走行が最高速度の車（にしては加速力抜群なわけですが）をそこに入れたらかわいそうじゃんよ・・・と。

オートカージャパンはオートカーに倣っているだけだし・・・しかも日本の執筆陣はなんかなぁ・・・。本国の連中は好みも反映しながら、上手に絶対評価しているから参考になるんですよね。どうやらあれが日本人には難しいのです。

さらにいえば、そもそも読者も絶対評価を求めてないフシもあるので、まぁそれで良いのかも知れません。

日本人はサーキット走行があんまり好きじゃないというか、とにかくはっきりと能力がばれたり、実力差が数値化されるのも嫌いみたいで、そういうところからもそもそも絶対評価なんて要らない国民性があるのかも知れません。

まぁ、確かに絶対評価だけの文章は楽しくないなってボクでも思います。小林彰太郎さんの文章みたいな、銘文１００選みたいなのが確かに心に染みますし。

というわけで、ボクの絶対評価の軸はトヨタ・プリウスです。結局相対評価じゃん。