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イイね!
2024年04月17日

Thema8.32を思い出さずに居られるか

カウンシルで何か見忘れたような、何かを探していたような、、、

帰り道に友人と二人でB10のV8サウンド(といっても巡航時のハミング)を楽しんでいて、ふと友人が「この上質な感じは前乗っていたテーマを思い出すなぁ」と。

ああ、それだ、、、

ランチア・テーマ8.32、車好きであれば記憶の片隅に必ず巣食う異端サルーンだと勝手にボクは思っています。

80年代は70年代よりも自動車産業に合理化の必要性が叫ばれた時代で、欧州車もその例に漏れず、ランチアはグループ内のフィアットやアルファ、挙句何故かサーブともくっ付いてミドル級高級サルーンを作ることになります。その名もプロジェクト4。

各社出来上がったのが、テーマ・クロマ・164・9000なのですが、164に至っては外板の共用ゼロだし、9000は足回りが大幅に違うし、積むエンジンにも共通性があまりない、という一見悲惨な協業にさえ見えたプロジェクト4ですが、各社どれも魅力あるものを作ってとりあえずエアコンが効くという奇跡を起こしたとも言えます(?)。

その中でも一番怪しい?動きをしたのがランチア、次いでアルファだと個人的には思っていて、ランチアは308クアトロヴァルボーレのエンジンを突っ込む荒業、アルファロメオはFFから無理矢理四駆のハイパフォーマー164「Q4」を製作。結果的に削れたコストをそこに突っ込んで赤字を作るという「いつ潰れても結局国が救うさ」というラテンの乗りを世界に見せつけるわけです。

で、そのテーマ8.32ですが、、、何て呼ぶんでしょう?多数派は「ハチサンニ」ですよね。「八の三十二」は聞いたことが無い、、、しいて言えばたまぁーに「エイト・サーティトゥ」がいるくらいで、まぁはちさんに、なのでしょう。

呼び方さえ微妙に迷うこの数字、8気筒32バルブの意味ですが、これにも所説あって、本当はランチア・フェラーリまたはテーマ・フェラーリが良かったのに、エンツォがダメだ!と言ったとか言わない伝説は有名。ヘッドのランチア・バイ・フェラーリだけは許したとか許さないとか。

でもそれを言ったらフェラーリがF1で優勝したのはランチアD50を下ろしてもらったから、と言う話もあるわけで。これにも伝説があり、あの時の借りはこれで返したからな?というのが8.32のエンジン供給なんだとか。

ほんとかいな・・・ちなみに本家の供給モデルである308は既に328へ移行、92年の生産時には既に348まで時期的に届くわけでして、なんでずっと308由来だったかは謎。途中のフェイズ2とかで、せめて328ベースに、、、

勝手な推測ですが、余ったとか余らない以前に、308用をテーマに載せるにあたって、ミッションをランチアサイドで設計していて、多分これが時間掛かったのと、328ベースにするにしても、また再設計が必要で大変だったのでは?とボクは思います。まぁ、さすがに最新型のエンジンをランチアに下ろすのは嫌だったかもしれないし、、、

フェラーリもそうですが、ランチアも伝説が多いメーカーだと思います(というかラテンな仕事が謎を産んで伝説化する?)。ちなみに、エンツォは8.32のリアシートにふんぞり返っていた説もあり、でもそれは無くて自社の412に乗っていた説もあるので、これも面白いですね。多分両方乗っていたと思うけど。

そういえば、412って最初は4リッター12気筒だったはず。365GT4が最初のモデルだったはずですが、これは一気筒辺りの排気量。308は3リッター8気筒。。。フェラーリの数字ってすげぇ適当だな、と思います。モデルにより違うんだもん、苦笑。599とか612とか348とか360とか430とか、、、なんやねん、、、

さて脱線しすぎた、8.32のこと。

脱線が長い=好きな証拠なのですが、本当に好きです、この車。

乗った事は数回しかありませんが、好きです。なんせ、もう内装がたまらん。ポルトローナ・フラウがどうこう以前に、木と革の使い方がこれ以上のレベルはないだろう、という素晴らしさ。マセラーティほど華奢で華美でなく、かと言ってドイツ車ほどの冷酷さもない、実にバランスが良いもの。ベースのテーマの内装を考えたら、素材でのスープアップ度は凄まじいレベルです。

ランチアさすが。

この内装に最高のエンジンが組み合わさるわけで、速く無くても痺れるわけです。

ただ、個人的に異論があるのはサウンドとフィーリング。

ご存知の通り、308QVのフラットプレーンクランクシャフトから、クロスプレーンになっているテーマ8・32のエンジンは、どっちかと言うと、ロロロン♪と謳うタイプ。

308や328のそれは、低回転ではまるで4発、回してくと421の集合エキパイが二組あるせいなのか、あたかもアグスタF4Vを謳わせるが如くの反響音か今日鳴音、、、、ソプラノ歌手の美声の様なサウンド。

フェラーリサウンドっていうけど、テーマのそれは多分ランチアテーマ8.32のサウンドです。

これ、クアトロポルテ5にも同じ事言えると思っていて、あれをフェラーリサウンドっていう人多いんですが、どっちかと言うとあれはマセラティのサウンドだと思うんです。例えばギブリ1は4.9のV8ツインカムですが、クロスプレーンのせいかどっちかというと音は良く回るアメ車みたいで、テノールサウンドなんですよね。ただ、上はアメリカンほどバリバリしない、木管楽器の共鳴のような音で、これが良いんです。

多分、イタリアのハイクラスが求めるものって、サルーンで8発ならこれ、ってのがあるんじゃないですかね。まぁ、それが心地よいから、みんなとりあえずフェラーリのエンジンだしフェラーリサウンドって事にしちゃうんでしょうけど、、、

あれはランチア一流の調律なんだ、とボクは思っています。

ちなみに、この重たいエンジンをFFでやったが為に、バランスは悪いのでコーナーはしんどいし、下手に低速で走るとスカットルシェイクするし、そもそもフロントサスが耐え切れないのか、全体的な実力は全然ダメだ・・・と思いました。腕さえあれば多少行けると思うんですが、何分フロントヘビーだし、目を吊り上げて気合のハシリをするもんじゃないんですよね。

これもある種のイタリアンハイクラスGTの姿かもしれません。

ボクは、多分エンツォはランチアに敬意は合ったと思うし、ランチアにもプライドがあったから、安易なネーミングはしないで、ぱっと見良く分からない数字のグレードにしたんじゃないかな?と思うんです。

アンダーステートメントを旨とする貴族社会が未だ残るヨーロッパ、その貴族が乗るべき車として存在し続けたランチアの意地みたいなものを感じるんです。まぁ、、、妄想ですけどね。

ビジネス的にもちょうどいい塩梅をお互い狙ったのも現実としてあるとは思うのですが、まぁなんかエンツォとかその下の役員が、ランチアの古参役員とかと完成車を見て微笑んでいる気がするんですよね。エンツォも実は結構な商売人で腹芸も出来るし怖くもなれる人だったようだし、まぁなんていうか伝説独り歩きを抜き去ると、案外面白いおっちゃんだったのでは?と思わなくもないです。

てっきりその8.32が居ると思ったカウンシル、いませんでした。

ずっと欲しいクアトロポルテ4は居て、これも恋焦がれる存在のままですが、何となくテーマ8.32は別の何かこう、よく分からない感情をずっと持っています。

マセラティ以上にアンダーステートメントで、だけれどもそれ以上のプライドがあったであろうランチア。その最終的な意地の露見が8.32なのか、、、

いつかチャンスがあれば手にしてB10と並べてみたいなぁとか思ってしまいました。意外と似ているかもしれない、そんな車なような気もします。
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Posted at 2024/04/17 22:39:18

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この記事へのコメント

2024年4月17日 22:48
832カッコよかったですね。
親父をそそのかせて買わそうとしたのですが 失敗しました。
その代わり164借りて乗ってましたが
カッコイイ車でした。
コメントへの返答
2024年4月17日 22:59
私の知り合いが買おうとしたらオートザム、、、東京(ガレイタ)は遠いなぁと諦め164Lを買って速攻ぶっ壊れて東京のチェッカーオート?だかにもっていって本末転倒だったなぁ、というのをコメントで思いだしました。
アルピナ以上のアンダーステートメントと狂気の同居にも思え、未だに忘れられません。
2024年4月18日 9:36
コメント失礼します。
8.32が売られていた当時から、何故か8.32とはV8 3.2Lのことだろうと思い込んでいて、実は308用だったの言うのを昨年になって知りました。
そして、クロスプレーンに変えられていたのですね!! それは知りませんでした。勉強になります。
そうなのか、じゃあフェラーリを名乗っちゃだめですね。
バランサーなしのフラットプレーンのクソ振動と引き替えに、あの回りっぷりと音があるので、いいとこ取りをしようというのは虫が良すぎでしょう。
コメントへの返答
2024年4月18日 10:05
ランチアはこのエンジンを積み込むのに相当苦労したみたいで、ミッションの置き場所が丸っきり308QVと違う上に、噂のタイベル二年寿命は横方向の余裕がなく無茶苦茶細いタイベルにしてしまったAndおまけに補器類を回すベルトが3本という地獄のような構成になってます。
個人的にはランチアは誇り高きブランドだと思っているので、お互いに安易なネーミングは止めたのだろう、と思っています。

180度スローと90度スローではドエライ違うクルマなので、ブロックを308QVから持ってきた、くらいが妥当なところなのでしょうけれども、それでも80年後半の、やや外れている変態バブル紳士の心を満たすに余るある車だったように思えます。

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