
実は、
ブレーキホースをステンメッシュに変えた後、
最初の遊びが増えてしまったのか、
ストロークが増えてしまったのか、
「?」な感じでした。
きちんと制動力はあるのですが、どうにも気になって、
再度の施工をお願いしたのです。
その結果、
ノーマルホースのときと同じような遊びの量で、
タッチが確かになってからのしっかり感が増しました。
その分、強くブレーキをかけたときのストローク感が短くなったように思います。
ブレーキの効き具合をストローク量ではなく、踏力の加減で調整するような感じです。
初期のタッチは、微調整しやすいノーマルブレーキの感じに近いのに、
踏み込むと剛性感があるようなフィーリングだと思いました♪
またまた自己満足ですね~(^-^)。
また、有り難いことに、制動力のチェックをしてもらい、
前軸重950kg(車検証)で、右283kg、左277kg
後軸重650kg(車検証)で、右171kg、左170kg でした。
左右差が少なく、バランスが良いことは分かったのですが、SVXの車重に対してどうなのか、
この件に関して、GC8(STI RA)に新車から乗り続けている友人からアドバイスをもらいました。
今回「も」勉強になったので、以下に紹介します。
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ブレーキの件ですが、単に踏みしろと言われてもペダルの遊びのことなのか、マスターのピストンを
押し始めてから有効な圧力に達するまでのストロークのことなのかわかりにくいんだけど、話の流れから後者かな。
で、ブレーキシステムはGH-GDBのブレンボABSなしだったよね、たしか。
だとすると、日常的な市街地での走行しかしていないなら、エアが抜けきっていなかったと思われる。
ブレーキを酷使するような使い方を少しでもしていたらフルードの状態によってはそれが元でエアがみする事もある。
手でブレーキかける二輪はエアがみすると独特のぐにゃっとしたタッチになるからわかりやすいんだけど、ブースターもある四輪は分かりにくいんだよね。普段乗ってない人だと、踏んでそれらしいストロークのところで踏み応えが出ればOKってなっちゃう。
ブレーキホースの交換なんか今時よっぽどのことがないかぎりやらない(整備解説書には4年または5万キロで交換とか書いてはあるが)うえに、通常のフルード交換ならばエアがみする要因は無く、担当したメカニックさんは抜けたと思ったけど実は抜けきってなかった可能性ほぼ100%。交換の前にペダルの踏みしろ残を測定しておき、交換後にチェックすれば済む話。
もう一つ、ものすごくレアな可能性としてはブースターの動作不良(が治った)。同じような力で踏んだ時に、ブースターが利いていれば踏み込みが深くなり、利きが悪ければ踏み込みが浅くなる(アシストがない分力を余計に入れないと深く踏み込めない)。今まではブースター系統のどこかから負圧がリークしていて、偶然ホース交換とともに治るようなことがあれば踏み込みは深くなり、ブレーキも少ない踏力で利くようになったと感じる。それが再度のエア抜きでまた動作不良に戻り踏みしろも元に戻った。
ホース交換の時にどういう手順で作業したかわからんけど、どんなに手早くやってもオイルはほぼすべて流出するだろうし、対向キャリパーもホース接続部より上は空になるから、ちゃんとしたエア抜きが必要なのは当たり前の話で、ブレーキシステム自体もエア抜きしやすいようにリザーブタンクが一番高いところにあって、ブリーダーボルトを緩めてやるだけで自然落下でオイルがエアを押しながら流れてくれるように基本的には設計されてる。とはいっても、二人組みポンピングでエア抜きやってもジョイント部分の段差とかブリーダーボルトの根元に小さな気泡が残ったり、対向キャリパー限定でホース接続部の反対側に残ったりとかは起こることはある。
これを完全に無くすには、作業中にプラハンで怪しそうなところにショックを与えながら作業するしかない。
今回、違和感を感じながらもしばらく走った後にやり直して元に戻ったのは、キャリパー中に残っていた気泡が走行の振動で浮き上がってブリーダーのところに集まり、再エア抜きの一番最初に抜けたから見ていてもわかんなかったのでは?
参考までに、ペダルの高さ、遊びの量はある程度機械的に調整できるので、アクセルペダルの高さとの兼ね合いを見ながら調整すれば使いやすくなるよ。
制動力は、知ってると思うけど車検の際のブレーキの利き具合の判定基準として定められている。
参考までにGH-GDBは次の通り。
後輪和:軸重の10%以上(E-GC8は軸重の20%以上)
総和(前輪和+後輪和):検査時重量の50%以上
各輪左右差:軸重の8%以上
これを見るとGC-8よりも新型のGDBのほうがフロントブレーキへの依存度を高めている??
ABSが標準装備されるとこういうセッティングになる??
GDBってGC8よりもはるかにフロントヘビー??
といったようにいろんな事が考えられるようになる。
SVXはわかんないけど整備手帳とかに載ってないかな。
メールのデータから見ると、検査時重量が実際は何キロかわかんないけど、車検証の重量で見ると、1600kg+運転手で1670kg(仮)なので、総和の合格基準は835kg以上。
総和は283kg+277kg+171kg+170kgで901kg。
合格はしてるけど実際にはガソリンも含めた装備が加算されるからあんまり余裕ないかな。
左右差はシンメトリの効果か車重があるためか素晴らしく小さいね。
GH-GDBは同じ条件で見ると765kg以上になる。
ただ、この数値って踏み方によって大きく変わるし、検査そのものについてはロックしたらその時点で合格なのであまり意味ない。
比較データとして、今回車検時に計測した自分のGC8のデータは以下の通り。
前軸重785kg、制動力右297kg、制動力左293kg
後軸重490kg、制動力右182kg、制動力左166kg
これを見ると、前後の軸重バランスに対する制動力バランスは意外にもSVXもGC8もほぼ同じ。
ブレンボだったらもっと大きな制動力になるとか、GH-GDBみたいにもっとフロント寄りになるのかと思ったんだけどね。
もしかしたら、何らかの要因でブレーキ性能が出し切れていない?移植したのはマスターシリンダーとかマスターバッグとかも含めたシステム一式だったっけ?
GC8との差ではっきりしているのは車両重量に対する制動力の総和。
SVXは901kg÷1670kg=0.56
GC8は938kg÷1275kg=0.74
意味合いとしてはパワーウエイトレシオとかトルクウエイトレシオの逆で減速性能。ただ、あくまで静的な条件での制動力値なので、参考程度かも。
GC8は総和でSVXより大きく、車重も約400kg軽い。すなわち、SVXよりも減速性能を発揮する(要求される)使い方をされる前提の設計がされているって考えられる。
軽量車のABSシステムを含むブレーキシステムを重量車とか前後軸重のバランスが大きく違う車に
そのままポン付けで流用しようとしたら、制御プログラムまでいじらないと車検通らないかも。
ABSがなくても利き具合が軽量車前提にチューニングされていたら、重量車で同じスピードで使えばブレーキが負ける。ブレーキシステムの原理って、運動エネルギーから熱エネルギーへのコンバーターだから、当たり前の話。ブレーキシステムの流用で理解していないといけないところってこのあたりかな。
ブレーキの利き具合の測定はそれほど手間でもないし金額も高くはないものの、あくまでも静的状、
低温状態での測定になるので、同じ条件で測定できるのであれば、例えば後ろのパッドを変えたらバランスがどうなって、実際に走った時のフィーリングがどうで、というようにデータを蓄積できれば価値が出るかな。でも温度に依存して特性が大きく変わるブレーキパットだとうまくいかないかも。
軸重が約60:40で、ブレーキの利き具合も約60:40だからばっちりだぜ~とか思うのは間違いで、減速って通常はフロント側への荷重移動を伴うから、もっとフロント寄りの利き具合にしたほうがいいと思う。今のままだと、例えばコーナーへブレーキ残しながら侵入したら、ドライならいいかもしれないけど、ウエットだとリアが流れてスピンするかも。フロントのパッドをもっと利きのいいものに変えて(総和が不足気味なので弱める方向は無し)、例えば利き具合のバランスが70:30になったなら方向としてはOK、実際のフィーリングは・・・
というような利用をしたらいいのではないかな。プロの世界では、今は車輪毎の走行データを記録できるので車体挙動のデータやドライバーのフィーリングを紐づけて解析できるけど、フツーのアマチュアではそうはいかないのでこんなやり方でしか数値化、データ化できない。どうだろう?