安全なところに居る者のふるまい方

こういう状況のときに「否定的なこと」を言うのはやめましょう。
今はこの国の総合力で救援と復興にあたるべきときであり、担当者や指揮を取っている行政を問い詰めたり、「何をやっているんだ」となじったりすることは控えるべきです。彼らは今もこれからもその立場上、活動の主体とならなければならないわけなんですから、被災者同様に物心両面での支援を必要としているはずです。「苦しんでいる人間」を代表するような言葉づかいで「安全なところにいる人間」をなじることは、被災者の苦しみを自己利益のために利用してしまうことになりかねません。「否定的なこと」を言うのは自制したいと思います。

各地では個別的判断で、さまざまな施設やサービスが被災者に無料で提供されたし、いまも次々と申し出が続いているようです。こういうときこそルールの「弾力的運用」ということに配慮すべきです。例えばホームセンターで「屋根が落ちて雨漏りがする」というのでブルーシートを買いに来た人に店員が無料でブルーシートを渡し、一方で私がストーブ用の灯油を買い求めたときに定価で売られても文句はなしです。このふるまいは「臨機応変」のすぐれた実例だと思います。

災害への対応は何よりも専門家に委託すべきことがらです。「政治的正しさ」や「取引上の利得」とはかかわりを持つべきではありません。私たちは私たちが委託した専門家の指示に従って、整然とふるまうべきです。

以上三点、「寛容」「臨機応変」「整然とふるまう」を、被災の現場から遠く離れているものとして私は心がけたいと思っています。（受け売りですけど）