Car View が 日本カー・オブ・ザ・イヤーに投票した
選考委員のコメントを特集している。 それによると,初の
輸入車の受賞をやはり皆が密かに予感していた模様。
先回触れた,
こもだきよし 氏に続き,興味深い内容が
続々と登場! 皆さんのコメントを拝見すると,Polo が
2位になった理由が益々謎・・・ 由美さんも
こちら で
「ポロで取れないっていうことは輸入車が大賞を取る
チャンスはもう無いかも・・・」 とまで呟いちゃってます。
日下部保雄氏
いつも10年後に選ばれて当然と言う視点で選定しているつもりだ。
次点としたVW 『ポロ』 の性能にも驚いた。その実力はこのクラスとして群を抜いている。
エンジンのダウンサイジングとトランスミッションの革新はさすがVW,王道を歩んでいる。
もっと突き詰めれば更に小さいエンジンがポロにとっては最適だと思うが。
中谷明彦氏
これまで数百万円のお金を出さなければ手に入れることのできなかった欧州車特有の高い
質感と高速安定性をコンパクトカーのスタンダードであるポロで実現した。十分なエコ性能を
持ちながら,走る事,運転する事の楽しさ,歓びを与えてくれる。
久し振りに傑作といえるクルマに出会った。
河村康彦氏
ポロの10点は初めてこのモデルをテストドライブして,「現時点ではこれが“1等賞”だナ」という
印象を受けた瞬間から,結局投票に至るまでの間にその感動を上回る存在が現れなかった故。
CR-Zはこれまでにリリースされて来た様々な自社技術をいわば“焼き直し”で採用した所,
そして組み合わされるエンジンそのものがどうもホンダらしい個性とフィーリングに欠ける点など
から,トップ点を投じる気にはなれず。
小沢コージ氏
今年のCOTYにおいて,CR-Z がもう一つの候補なのは判っていた。勿論いいクルマだ。
但し,賞を貰ってもクルマ好きしか振り向かせないように思えた。 かたや 『ポロ』が取ると
輸入車初なだけで無く,今までVWに目を向けなかった人まで振り向かせるきっかけになる。
なにより最大のポイントは今の日本の“鎖国性”だ。 ハイブリッドが素晴らしいと思い過ぎ。
このままではクルマ世界を公平に見れない。 よってあえて CR-Z との差を最大限付けた。
「この野郎!」と一部言われたらしいが,後悔はしていない。
島下泰久氏
個人的には今年はVWポロにイヤーカーになってほしいと思っていました。勿論,だからこそ
10点を入れているんですが,その10点が単に自分の評価を示すだけでなく,もっと大きな
働きをしてほしい。そう思ったのです。 今は日本車にとって苦しい時期。だから日本車を応援
すべきだ。そんな声もあります。でも,それは今の求めるレベルに達していない日本車をほめ
そやすこととは違うべきでしょう。日本のメーカーに日本車がどうあるべきかを再考してもらう為
にもこの賞はポロに与えられてほしかった。
岩貞るみこ氏
長距離&長時間乗り続けても疲れを感じさせない素晴らしいボディ剛性,シートの快適性にも
抜かりがない。 エコだけでなく,走りの楽しさをも高次元でバランスさせるなど,全くもって
申し分ない。 このサイズで,こんなに見事に手を抜かずに作った車は他に無い。裏を返せば
多くの国産車は手を抜き過ぎ。 輸入車は価格が高いと言われるが,ポロについている装備を
国産コンパクトに装着すれば逆に国産コンパクトのほうが高い位。 国産メーカーの開発陣及び
経営陣はぜひ,ポロを見て深く深く反省して欲しい。
川端由美氏
これまでイヤー・カーにはずっと国産車が選ばれてきた。しかし今年はVW 『ポロ』 の健闘で
日本市場もグローバル標準でクルマを評価する時代になったと感じた。 私自身はポロに10点
満点を付けた。力強い走りをしてくれるTSIユニット,そのパワーと受け止める剛性感の高いボディ,
上級モデルの 『ゴルフ』 顔負けの質感の高い内外装とコンパクトカーを語る上で必要なものが
すべて揃っている。CR-Zはエコと走りを両立したものの,ホンダらしいスポーティネスまで
昇華できなかった点でわずかな曇りを残した。
ピーター・ライオン氏
この基準に照らして,私が10点を投票したのはVW 『ポロ』 です。新ポロのどの部分をみても
シックなデザイン,力強いエンジン・ラインアップ,気持ちのいいDSG,シャープな走り,
快適な乗り心地,パッケージングのみならず,エンジンとDSGとの素晴らしい組み合わせと
いった面で間違いなくクラス・リーダーと言えます。他のメーカーはこのクルマの完成度を
追いかけることになるでしょう。
松下 宏氏
COTYに対する基本的な考え方は普通の人の普通のクルマ選びに役立つものにしたいという事。
10ベストに選ばれたクルマのうち,これらの条件を最も良く満たすクルマは『ポロ』であった。
島崎七生人氏
『CR-Z』 と 『ポロ』 の2車には,実は熱を出し1日半寝込むほど(!)迷わされた。
両車を数日間ずつ借り受け,高速,山道を始めスーパーへの買い物,家人の通院など,
いつもの自分の日常のなかで使ってみた。すると実感したのがポロのクルマとしての完成度の
高さ,安心感,誠実さで現時点ではCR-Zより一枚上手だと思った。
森野恭行氏
結果的にスタイリングを含めて「エコとスポーツ」の新しい提案をしたCR-Zを1位としましたが,
最後まで大いに悩みました。投票用紙の選考理由にも記しましたが,ボクは現時点でのCR-Zは
未完成だと思っています。ホンダは生みっぱなしではなく,親としてCR-Zをイヤーカーに相応しい
モデルに育て上げる責任があると考えます。
青山尚暉氏
CR-Zに10点,VWポロに7点で投票。 その3点の差はいったい何なんだ……と言われると,
本当はもっと差は少ないんですけど,VWポロは1.2リットルのコンパクトな実用車にしてハイオク
ガソリンを要求するところがちょっと引っかかった。もしポロが1位になっていたら,COTYで初めて
輸入車がオブ・ザ・イヤーだったわけで,その劇的な結果も見てみたかった 。
開票会場はその快挙にもの凄い騒ぎになったかも知れない……。