小学生の時、家の前まで嬉しそうに跳ねてくるカラスと仲良くなった。
そうなるまでは結構時間がかかったんだけど、今ほど里にカラスも降りてきてない時代で東京の下町とはいえ、カラスは割と珍しい存在だったよ。
知ってる人もいるとは思うけどカラスって頭いいんだよね。
鳥類世界一の頭脳と決定されているヨウムの次に頭がいい。
だから俺を上空からでも認識してたし、俺の親にもなついてた。
その日も小学校から帰ってきた俺を発見して、甘ったれた鳴き声を出して、奴は跳ねて寄ってきた。

瞬間、隣のアパートの置屋上がりと噂される90超えの婆さんが、竹箒で「こらぁぁ!」とか言いながら叩いてくれた。直撃。予想外に飛び散る大量の黒い羽。
とどめを刺さんと竹箒を振り上げる婆さんに、俺は「やめろー!」と叫んで抱きついた。
「グエーグエーグエ!」とか聞いたことない鳴き声を上げながらびっこでぐるぐる這い回っていたカラスは俺を見た。漆黒の目に確かに俺への信頼感が消え去った色の変化を見た。「いやいやいや、それ違うし」・・・カラスは「クェ!」と短く鳴き、羽ばたいていった。
あれ以来、2度と現れなくなった。
婆さんに聞くと、俺んちの前の電線に毎日カラスが居る。カラスは不吉な存在だから何とかしなければと仏壇に手を合わせて誓った。俺に無防備によってくるのを見た。そのチャンスを狙ってボンが帰ってくるのを竹箒を構えて待っていた。
おまえは魔法使いのばばあか?だれだボンってwと心の声。
時代ですかね。あの頃の老人は皆んな居なくなったけど、俺たちとは確実に違う、動物に対する意識の違いがあったなあ。もっとも血統書付きの飼い猫や飼い犬しか存在しない、今の動物好きとの感覚にも希に隔たりを感じる時がある。 そんなとき自分が旧世代になったのを感じますよ。
俺の子供の頃って、まんま赤塚とか藤子不二雄とかの世界観だった。野良犬とは普通に道ですれ違ったしジャイアンリサイタルの土管も上下水道計画のなかであちこちの広場にあったもの。
まーそんな事を田舎の船橋に越して来た今日、うようよ居るカラスを見ながら思い出した。
娘の髪の毛を何度も抜きに来たり、逃亡したオカメインコさんを食べようと1m前で身構えてたり船橋カオスw
Posted at 2012/08/26 21:17:27 | |
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オカメインコとか | 日記