かいぐりのブログ一覧

１９９７年１０月、私の元へやってきた桜文鳥の“さくら”
今月で満１２歳となりました。

そして今日、１０月２４日　お星様になりました。

今朝はいつもより老衰具合が目立ちました。
仕事から帰り、まっさきに声をかけましたが返事がありません。
頭をよぎる考えの全てを否定せずにはいられませんでした。

しかしさくらは床から数センチの高さにある止まり木から
落ちるかのような格好で横たわり、息を引き取っていました。

ごめんな、ひとりで逝かせちゃって。

こいつと暮らして１２年。
引っ越す時も一人暮らしするときもいつも一緒に連れてゆきました。

小さい頃からのこいつの全てを今でも覚えてる。
売り場の小さなプラスチックの虫かごで初めて見つけたとき
指を差し出すと「エサちょうだい！」と他のヒナたちも大きな口をあけてギャーギャー鳴くんだけど
こいつはさらに他のヒナの上に乗っかって我先にと威勢がよかった。
そしてひときわ鳴き声も大きかった。

小さい頃は体のどこを触ってもガーガー鳴いて噛み付くわがままっぷり。
でも指先でクチバシを軽くつまんでやると急におとなしくなるんだ。
襟付きのシャツを着て肩に乗せて遊んでいると、必ず襟の中に頭をつっこんでシッポは丸出し。
寝転がっていれば袖やら裾を狙って入り込んでくる。

大人になってくると、音によく反応するようになったっけ。
鳴き声をまねすると盛んに鳴き返して寄ってくる。
手を叩けば私の身長より高い位置でも飛び乗ってくる。
玄関の鍵を開ける音がすると普段よりも高い声で鳴いたり
玄関の呼び鈴が鳴るとけたたましく鳴き続けたりした。

一番元気な時期を過ぎると
体のどこを触っても怒ることがなくなって、甘噛みでじゃれてくる。
私が後ずさりしながらハイハイすると、チョンチョン歩いてついてくる。
しだいに飛ぶ距離も短くなって、あまり高いところへ登れなくなったね。

おじいちゃんになると足の皮膚がゴツゴツになって潤いがなくなった。
握力もどんどん落ちてきたかな。
温かい手のひらが好きみたいで、なぜか手の甲側の方がすきだった。
そういえば若い頃、手の甲にのせると、何をカン違いしたのか求愛行動をとったりしてたなぁ。
まだまだまだまだ書ききれないほど沢山の記憶がある。

完璧な親だったとは言えないかもしれないけど
こいつと一緒だった１２年は幸せだった。
そしてその記憶は確実に僕のなかに息づいている。
寂しくなんてないよ。だから心配いらないよ。

星降る夜に一番輝いているのがきっとおまえだよ。
僕を選んでくれてありがとうね。　さくら