『あの~　洗車機の上にお財布置いたまま忘れていませんか？』

いつもの洗車場で約１時間とチョット経過し仕上げも終盤…(^_^;)
風もなく気分も良い…


ホイールを洗っているワタシの右肩上方から　男性の声がした。


え！？　

驚きと同時に　振り向くワタシに20歳位の彼は戸惑いの笑顔を見せた。
ジェット洗車　一番東側のスペースに
真新しい　白のスイフトスポーツが泡を纏って停まっている。
まだ新しそうなバケツと洗車用具…　ホイール光ってるし…

お～　なんか　爽やか～(^_^;)




イヤ。。。でもワタシじゃないな。。。自分いつもコインしか出さないもんな。。。


『偉いね～　自分違うと思うケド…どんなヤツ？』

『あそこ　なんですけど…』

立ちあがったワタシに何気なく説明しだす彼のあとに続いてワタシも向かうと
洗車機の上に黒の太った長財布が…


『困ってるだろうね…』　　『ええ～』　




『たぶん　さっき　ココで軽トラにチャリンコ積んできて　チャリも一緒に洗ってた　人だと思うんだ。君が来る前に…顔は日本人だったけど…チョット言葉が…違ったみたい。。。』


『…』


『自分　常連で　オーナーさんとこの電話番号わかるしすぐ近くだから落し物です。って電話して取りに来て貰おうよ。』


と言うと　わかりました　と言いながらポケットから自分の携帯を取り出す彼。。。ほんと偉いな…


番号を伝え自分のアテのホイールにもどるワタシ…(乾いて水シミにならなくて良かった～)
しかし、1本が洗い終わって　振り返ってみると　彼はまだ電話をもってうろうろしている。


さっきまで　泡を纏っていたスイフトスポーツの泡は既に消えていた。。。


あらま？どしたんだろ？？




『繋がりましたか～？』近寄って声をかけると

『何回か掛けたんですけど出ないんで、今近くの交番に電話しようかどうしようかと…』




『ね…　作業が終わるまで　とりあえず放っといて水掛けちゃったりして作業を進めた方が良いよ！　車…大切にしているんでしょ(^_-)-☆』　『もしかしたら取りに来るかもしれないし…　』



『あ…　はい…』　　『ね！(^_-)-☆』



再びアテにもどるワタシ…　　　コーヒーの自販機で小銭を作る彼…



そこに　軽トラ登場！


彼のスイフトの後ろにナナメに横付け。。。運転手と助手席から降りてきて財布にダッシュ！
良く解らない言葉を早口でしゃべったかと思うと…そのまま乗り込みUターンして…



え？(＠_＠;)　行ってしまったの？？(＠_＠;)



唖然とする　ワタシと彼…


『ちょっと　なにあれ？　何か言ってた？』と聞くワタシに
『ありがと…って　言った？ような…』と彼。。。



まあ…一件落着なんですけどね。。。　ココが日本じゃなかったら。。。
気づいてくれたのが彼じゃなかったら。。。　



絶対無くなってるのに…



あーゆー　ヒト　のせいも有って。。。

水を掛けてもらって泡を流したスイフトスポーツの白い輝き　と
彼の爽やかさ　が　余計に際立って印象に残りました～(苦笑)



ホイール洗い終わり　タイヤにワックスをかけ　洗車場を出るワタシは
思わず　短めのクラクションを　２回鳴らした。


今度は彼が右肩越しに振り向いて　最初の時と同じような…

でも　それは戸惑いではなく　ハニカミの笑顔を　ワタシに見せてくれた（*^_^*）




あ～　スイフトスポーツに乗っている人は　みんな良い人なんだな…

その瞬間…そう思った。。。




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