どこから書いていいのかわかりませんが・・・。ここらへんかな、と。
相変わらずほぼノンフィクションです。
前々から日記で散々自慢していたヒロ。早くも三歳になり、すくすく何もなく育ってきた。一時期ぽっちゃりしたりして少し焦った時期もあった。
そんな中、俺は・・・
「刺激がほしいなぁ・・・」なんて考えながら日々仕事。そんな考えもそろそろ無くなり、車にのめり込もうかな~なんて考え始めた日だった、今でも覚えてる。
毎日配達初めが朝の9時ごろ。そのくらいの時間に嫁から毎日メールがくる。嫁はその日シフト上は仕事が休みだったんだが、請求書の締め日かなんかで、仕事に行かなきゃいけなかった。ただ、朝から行く必要が無かったそうで、お昼頃から出勤という話は聞いていた。
なので、気にしないで仕事する俺。11時頃になると多少は仕事が落ち着く。そのタイミングでメールが届く。
文面がない。添付されてる写真があるが、なんだかわからない。

「ん~~~~・・・??」何度か見るがわからん!
って考え込む間も無く、電話が鳴る。やっぱり・・・。
俺「もしもし?」
嫁「写メ見た!?」
俺「見たけどなんだかわからん」
嫁「見えないの??よ~く見て!」
とりあえず電話切って写真見直す・・・。
ねずみ?なんか生き物は微かに見える。
とりあえず電話してみる。
俺「ねずみ?まさか猫か?」
嫁「そうだよ!茶トラ真ん中に居るでしょ?」
俺「なんだかわからん。ちっちゃすぎ・・・。とりあえず近づいて見てみれば?」
嫁「逃げちゃうから無理だよ。柵があっていけないし・・・」
俺「そんなに気になるなら俺みたいに腹に入れて職場行けば?」
嫁「それは無理でしょ!職場に一旦置くなんて無理だし・・・」
俺「とりあえず親猫居るかもわかんないし、様子見てれば?」
嫁「そうしたいけど・・絶対やんなきゃいけない仕事あるから仕事は行くよ」
そんな会話をして俺は仕事に戻る。
当事者ってワケでも無いのに、なんでかスゴくウキウキしている自分が居るのに薄々感づいては居た・・・。
こがね色の風2
続き。
仕事するしかない俺は、とりあえず仕事する。
・・・・・・全然集中できん!!気になってしょうがない。しかしそういう時こそミスしないようにせねば。結果的に余計な時間を食ってしまう事になる。
と、いう事で少しだけ頑張る事にする。昼飯食う時にとりあえず電話してみる?
俺「お前仕事いったの?」
嫁「きてるよ。やんなきゃいけないもん」
俺「マジかよ!?信じられないっす」
嫁「定時で帰ってもしまだ居たら連れて帰っちゃうかもしんないけどね」
俺「そうっすか。俺はお前に無断でヒロ連れてきたから連れてくるな、とも連れて来いとも言えない。任せるよ」
嫁「任せるよって言われても決めらんないよ。ヒロも居るし、野良ちゃんだったら病気あるかもしれないし」
俺「んー・・・任せる。それ以上も以下も言えない。連絡待ってるから。じゃ」
半ば強引に電話を切る。
さー、仕事仕事。とりあえず今は給料もらってるしやろう。
なるべくニヤニヤしないように仕事する。よくよく写真を見ていると超~~可愛い写真だった事がわかってしまい、仕事中に手が空いたらずっと見てた。
そして営業時間が終わり、帰社。とっとと帰りたいところだが、そろそろ電話がくるはず・・・。待ってみる事にした。
・・・きた!携帯持って待ち構えていたので速攻で出る。
俺「もしもし?いたの?」
嫁「いたよ~・・・。今ご飯食べてるよ。とりあえず連れて帰るから。もらったダンボールダメだから、ダンボール持って帰ってきて!」
俺「わかった。すぐ帰るようにするよ」
よし!すぐ帰ろう。明日に回せる仕事は明日にしよう!そう決めてとっとと仕事して家に帰る。今までにないくらいマッハで仕事する俺。
9時くらいに家に着く。ダンボールは会社からちょっと借りてきた。
どれどれ・・・・・・?
とりあえず見てみよう。
俺「ヒロただいま~。あれ?連れてきたんじゃないの?」やっぱりヒロは一番最初だよね!
嫁「ヒロも居るから和室に隔離してるよ」
俺「どれどれ~」
俺「うわっっ!ちっちゃ!」
思わず声になってしまった。
嫁「ホントだよ~。日が暮れて寒かったのかちっちゃく丸まってたから、もうほっとけなかったよ」
俺「まぁ~~正直俺でも連れて帰ってきちゃったと思うよ。意義なし」
チビ達「に~に~に~」
俺「元気だな~お前ら。よろしくな」
ヒロはなれてくれるかな?一番不安だった。お嬢だしツンデレだからなぁ。
その日はヒロに合わせないように工夫して、隔離する。
ダンボールもちっちゃかったので工作してお家を作る。
あ~~ホントに増えてしまった。大変そうだけど・・・可愛すぎて不安が吹っ飛んでしまう。
寝る前にも顔見に行ったりして、ヒロはやっぱりイライラ気味。ごめんね。
その日以降は、早く帰るためだけに仕事を必死に頑張った。
こがね色の風 3
それからの日々はチビ達とヒロとの闘いの様に忙しい毎日だった。
色々あった。
やたら下痢すると思い、病院に連れて行ったら、腹の中に虫が居たり・・・。
病院に連れて行った帰りに、みんなに入ってもらってたかばんの中で、茶色いお漏らしをされたり・・・。みんなお風呂。ちっちゃいけど。
怖かったんだよね・・・、ごめんね。
ヒロはホンットに綺麗な状態で五体満足、怪我病気なしだったから、色々が始めてでホントに疲れた。
でも、ヒロの時にも思ったけど、子猫の可愛さは犯罪すぎる。
歯向かえないよね。ほっとけない。
そんなこんなでホンットに色々あった。
その中の一つという訳じゃないけど、最初に連れて帰ってきた日に二人で話し合い決めて居た事が一つだけあった。
チビ達の里親探しだ。
こがね色の風 4
続き。
連れてきた最初の日から色々考えていたけど、やっぱりチビ3、ボス1は正直大変。というか人間はいいけどボスが怒り狂うので、やっぱり里子に出さないと後々ヒロがかわいそうかなぁ・・・と。
ヒロと遊ぶ時間が減ってしまうのもアレだし。先住からしたら「自分に対する愛が減っている」と感じるらしい。本で勉強した。
実際連れてきてからそんな感じがするし・・・。
連れてきたのはチビ3匹だ。
茶トラ。クロ。サビ柄。
仮名で「トラ」「クロ」「サビ」そのまんまだね。まじめに名前考えたら里子になんて出せないから。
そんな中実は「トラ」、この子だけはアテがあった。
嫁の職場の同僚だ。茶トラが欲しい!と前から言っていたそうで、何かの縁だと思い話を進める。クロとサビに関してはチラシを作っていた。
近くのスーパー等で張り紙してるの見た事あるし、張り出してもらおうと思っていた。
とりあえず里子に出す前に健康な状態にしないとまずいからワクチンとか済ませるようにそこまでは面倒見よう!
そんなこんなでまたまた時間ばかりが過ぎていく・・・。
こがね色の風 5
チラシだなんだと里親さんになってくれる人を探す方向で動こうとしてはいたものの、中々時間が空かない。
なんだかんだとやっているうちにワクチンの一回目(猫のワクチンは初回は二回打ちます)も終わり、嫁の同僚のS子さんの元へトラが旅立つ日が近づいてきてしまった。
その間にチビ3匹には名前を付けてしまった。
さすがに「トラ」「サビ」「クロ」じゃあんまりだ、という事で・・・。
名前付けたらもう手放すのが辛くなっちゃうのはわかってたんだけど。
トラ→ナッツ
色がピーナッツっぽいし性格も夏っぽいイメージだったから。
サビ→あずき
女の子らしい可愛い名前。実際は俺が肉球見た時にあずき豆に見えたから。
クロ→サスケ
男らしいかっこいい感じ。左から助けにきてくれるだろうと予想した。
大体こんな名前の付け方だったと思う。

そして、S子さん宅にも先住が居る為、会っていきなり噛み合うようじゃちょっと危ないかも?という考えもあったため、最初は連れて行ったが、先住のラブタンに対面させてナッツは連れて帰った。
その帰りに強く思った。
コイツが居なくなったら寂しい!!
もうやられてるのはわかっていた。ただ、ナッツに関しては前々から話していた様だし、4匹から3匹になったらウチも面倒を見るのは楽というか、見やすくなる。面倒見切れなくてどうかしてしまうのは一番やっちゃいけない事だと思うし。
帰りながらほぼ心に決めていた。
一匹も三匹もかわんねえ!まとめて面倒みてやんよ~!
正直、まだ引渡しも済んでないのに、こんなに寂しい思いをするのはもう嫌だと思った。
続く。
こがね色の風 6
さて、遅くなってしまいましたが、続きです。
その後、S子さんへナッツの今後をお願いするのも目の前になり、そっちに集中するばかりに結局作った里親募集の張り紙は出しませんでした。
というより出す気も失せました。
ヒロがアパートの管理会社にバレたのものあり、アパートも引越し、ここは何匹居てもいいですよ、と言われたのもあったので・・・。
そして少しずつ、でも俺にとってはすごく早い毎日が過ぎていき、とうとうお別れの日になってしまった・・・。
ただ、寂しさは抑えられた。一応嫁さんの職場の同僚だし、どんどん会いにきてって事だし。ワクチンもそうだけど、虚勢手術が終わって落ち着いたらサスケとあずきとも会わせようと話をしていた。
引渡し当日、連れて行く時に少しでも多く・・・と撮った写真。珍しく綺麗に撮れた。

そして車を走らせる事約一時間・・・。到着。先住のラブタンとS子さんの待つ家へ。
間空きすぎってツッコミは無しで!
あずきの手術は無事に終わり、次は、シンバの番。猫のことは俺なんかよりよっぽど知識があるS子さんだから病院も信用できる所だろう。
嫁と話をしててもそれは伺えた。
手術当日はうちは立ち会えなかった。
その日までのシンバの様子とかは嫁づたいで耳に入っていたから安心もしていた。
手術は無事に終わった
はずだった。
翌日は様子を見るためにS子さんは休みだったと思う。
確か、その次の日くらいからだったろうか。
写真付きのメールで元気がないとS子さんから連絡があったのは…。
二日三日経ち、手術前の元気のよさが明らかに無くなっていたので再度病院につれていったりしてくれ回復を待つ日が過ぎていった。
俺は、うちから出した子は頑丈に出来てるから大丈夫!なんて根拠のない自信で沸き上がる不安を隠していた。
手術が終わってから一週間くらいだったか。
毎日シンバの様子を連絡してくれていたS子さん。それは毎日俺にも伝わって家で色々話ししていた。
俺は何故か嫌な予感だけはやたらと的中する自分に嫌気がさした。
朝の九時頃か。嫁からの電話。
はっきり言って出たくなかった。
「シンバの容態が急変したって連絡があったんだけど…」
馬鹿野郎!俺がそんな事ほんの少しでも考えたからか?等と頭の中で色々よぎったが
『何してでもいいから病院行ってくれ!』
と。俺に今出来ることはこれくらいしかなかった。配達の荷物が終わったら行こうと思ったがそんなに都合よくは行かなかった。
こがね色の風 10
ここから少し、聞いた話しになる。俺は集中できない状態のまま仕事を続けてた。
病院でのシンバ。久々といいたくなるくらい寂しい時間を過ごした嫁との再開だったが、嫁は目に飛び込んだ瞬間に涙が止まらなくなってしまったそうだ。
あれだけうちのなかでワンパク大将だったアイツには数えきれないほどの管がついていて息をしてるのか目を凝らさないとわからないような状態だった。
あまり詳しくは書けない。
結果を言ってしまうとシンバの容態が良くなることはなかった。
その日の夕方、虹の橋を渡ってしまった。
俺は当日の夜に会いに行った。冷たくなってしまったシンバに再会した時に経緯を聞いた。
その時に聞いた。朝、呼吸が一度止まってしまった事。
うちのが行ったときに動ける状態でもないはずなのに、声、匂いに反応して甘えてきたこと。きっと、根がシッカリしてたアイツの事だから礼が言いたかったに違いない。
その後すぐの、お別れの日に、立ち会わせてもらった。
その時降っていた雨が、俺にはシンバが寂しそうに泣いて降らしているものにしか思えなかった。
俺が逝った時にはすぐに探しにいくよ…。だからまた元気な姿で走ってくれ。また会えるから。
写真追加しました。俺が再会した時の写真です。
色々書きたい所ですが、頑張ったシンバの姿を見てやってください
こがね色の風は吹く
俺達はシンバとお別れしてからいろんな事を話した。
虚勢手術が原因だったのか、手術が失敗したのか、それとも手術が原因で先天的な病気が潜んでいたのか、
考え話し合っても答えはもちろん出てこない。獣医がわからないというくらいだし。
シンバの体調が悪くなった原因は、結局誰にもわからない。調べる方法は遺体解剖してわかるかもしれないという微妙な返答。
しかしこれ以上シンバに痛い思いをさせたくもない、という三人の意見が一致したのでそれはしなかった。
ただ俺は、そういう原因ももちろん知りたかったが、それよりも
『なんでシンバが…』まだ生後一年もならない、これからも楽しい時間を過ごすはずだったのに…そんな悔しさばかりが込み上げてくる。
考えれば考えるほど、どうしようもない悔しさばかりが込み上げてくる。
話している時も、俺も嫁もボロボロに泣いてしまっていた。そんな中S子さんは絶対に涙を見せなかった。なんて強い人なんだろう。
シンバがあれだけ頑張ったというのに俺達は涙を堪えることもできなかった。
その後、俺達には話すべき事が一つ増えた。
サスケの虚勢手術だ。
正直、俺はヒロの時から虚勢手術に関しては胸を張って賛成とは言えなかった。
やっぱり、子供が作れなくなる体になってしまうし、後戻りもできない。もし自分にそれをしてくれと言われたらすぐにイエスと言える自信はない。ただ、人間は虚勢手術をしなくても病気になる可能性は(多分)ない。しかし猫は産める体で産まないと病気になる可能性が高い。雄は雄で、マーキングやらが大変。
何よりサスケだけを特別扱いしていいのか?そんな疑問もあった。これからずっと一緒にいるためのケジメとして、二人で悩みに悩んだ結果、術前にできうる限りの検査をしてから手術してもらう事にした。
万が一のリスクを考えるとうちの子達には申し訳ないことをしていると今でも思うときがある。
そして事前の検査を終え、手術をする日になった。
手術は早ければ10分ちょっとで終わる。女の子と違い麻酔がちょっと弱かったり、当日中に引き取れたり、勝手が今までと違う。(俺はシンバの手術には立ち会ってないので男の子の虚勢手術は初めて)
家に連れて帰って結構速い時間で麻酔の効き目が終わってくるサスケ。
さすがにちょっと元気がなく、いつものバカっぷりは見れない。俺たちに不信感も抱くだろうし……。
とりあえず、見られてたらサスケも落ち着けないと思い、極力目線を合わせずに様子を見る。
家に帰ってきて、疲れたことを理解したのか、サスケはご飯の後に寝てしまった。しかも相当深い眠りだった。ご飯も食べたし、大丈夫だろうと俺達も一安心。
その時に撮った写真がこれだ。

最初はブレただけだと思った。
しかしすぐ気が付いた。
わかるだろうか。サスケを包み込もうとしているあの色合い。サスケの付近にはこの色の要素が入るモノは何もない。
間違いない………。きてくれたんだ。
シンバはサスケを守りにきてくれたんだね。
オバケとか霊とか俺は信じたことはない。だけどこれだけはすぐに『居る』と確信した。
目には見えない、【こがね色の風】。
オマエが守ってくれてるならサスケは心配ないね。
そして、きっと俺達のところにも、S子さんのところにも、この風が吹いている。
一生懸命で無邪気で、なにも考えてないようで一番真面目なシンバ。
ありがとう。
オマエに見られてたら、適当なことはあまり出来ないかもな。でもこれ以上ないくらい心強いよ。
サスケはその後も何も問題なく今もメチャクチャやって元気でいるよ。思い出すと今でも涙が止まらない俺達だけど元気で居るよ。
もし生まれ変わるなら俺達の前にまた無邪気な『風』を吹かせてくれ。俺はきっと叶う願いだと信じてる。
だからまた…………
ここまで読んでくださった方が居ましたら、本当にありがとうございました。
別れというにはキツイ別れになってしまいました。4月20日に一周忌を迎えます。シンバが亡くなってしまってから、結構すぐ書き始めたので、約一年掛かりで書きました。
文面が徐々に変化してしまいましたが、読みやすく作るのも難しい精神状態になってしまっていたのでお許しください・・・。
最近はペットも家族だと、言ってくれる人が増えてきて、俺としては嬉しい限りです。
ただ、ウチにとってはペットであり、家族であり、それ以上のモノだと確信しています。ここでは詳しく書けませんので、どうしても気になる方は(居ないと思いますが)リアルでお声掛けください。
さて、改めてですが読んでくださった方、本当にありがとうございました。