1970年に登場した、UVMV 1100 GT、チェコのシュコダ謹製の小粋なスポーツカー。
S-110 Rのエンジンを搭載した軽量ボディのスタイルは、
ちょっと、サーブ・ソネット3にも似てはいるが、中々カッコイイ。
残念ながら、計画中、1968年のプラハの春勃発により、ワルシャワ条約機構軍の侵攻等があり、
シュコダの工場ではなく、どうやら関連会社の小さな工場で、
わずかな台数が生産されただけに終わった。
その後、シュコダはプロトタイプではあるが1100supersportを発表する。
乗降の際はルーフごと前へ持ち上げるギミックや、やや当時流行りのESV的な雰囲気は、
まさに「プロトタイプ」然としている。
しかし、このクルマはただの「プロト」で終わらなかった。
それがFerat Vampir RSR
1981年、映画用にリメイクされ、大活躍するのである。
タイトルは「Upir z Feratu」というスリラー映画。
どうやら「吸血自動車」という設定のようで、燃料は人の血液、おーこわー。
こいつを、最愛の看護師が吸血鬼であった事を知った医者が、
ショックのあまり、ラリーストに転じて、
どうも、その看護師がらみの会社が作った、吸血マシンに自らの血を注ぎ込み爆走する。
0:42と1:06あたりではUVMV 1100 GTとのツーショットもある。
劇中では110Rやサンクの姿も、また2:07あたりで初期のリトモやジュリエッタ・スプリントも!
走行シーンはインカーカメラでも確認できるが、
なんともロールがスゴイ!
リアにそびえ立つボディ一体型ウィングもF40より早く採用している。
ホットウィールかマッチボックスを実車化したようなスタイルである。
しかし見慣れてくると、これがなんだかカッコ良く見えるのは私だけか????
恐るべし!ロマネスク建築の国!!モルダウの流れは永遠だ!
次は東ドイツの山椒は小粒でピリリな1台。
ヴァルトブルクのエンジンを搭載した硬派なスポーツカー。
その2サイクル3気筒の咆哮はマトラV12のソプラノサウンドも凌駕する!!
その名はMELKUS RS 1000
Melkus社はレーサーのハインツ・メルクス氏が、1959年にドレスデンにて設立。
フォーミュラマシンを製作する傍ら、1969年に、ヴァルトブルク353用3気筒2サイクルエンジンを搭載したスポーツカー RS1000 を発表。
ベースになったヴァルトブルク353
エンジンは992ccと1200ccの2種類、992ccのコンペティションスペック仕様は、88ps、最高速210km/hの性能。
このRS1000は1979年までに、101台が生産されたに過ぎない。
このRS1000は、10年程前にミニチャンプス製1/43スケールのミニチュアカーが発売され、
日本でも話題になった。
また、実車も海外お取り寄せで売りに出ていたが、790万円の値がついていたはず。
Melkus社は、その後、BMWの販売権を取得、2006年には、RS2000を発売したが、
思うほど販売は伸びず、25台を販売した後、2012年の8月に残念ながら破産申請をした。
余談ながら、RS1000は近年、A Touch of Class(ATC)と言う、
ニュージーランド出身のジョー、オーストラリア出身のサラ、UK出身のトレイシー、
イタリア出身のリヴィオからなるドイツの4人組ダンス・ユニットのPVに登場している。
「東側諸国」今となっては、知らない若者も存在するかも知れない言葉。
そんな堅苦しいイメージの国家においても、スポーツカーへの夢を熱く現実のものにした、エンジニア達の存在。
西側へのあこがれか?反社会的行為なのか?
Another Brick in the Wall
そんな文言がぴったりくる。
本日の1曲
Ultravox! アルバム「Systems Of Romance.」から「Slow Motion 」
ミッジ・ユーロ加入後もポップでいいけど、ジョン・フォックス時代はブームタウンラッツ的な曲もあって、それはそれで良い。
この曲は中でも最高傑作である。
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2013/07/06 00:26:56