
事故から数日後―
当方の保険の担当者さんには出来ればクルマは直したいということを伝えてありましたので、運ばれた修理工場で修理の見積もりを取っていました。
そしてついに、その結果を知らせる電話がかかってきたのです。
かけてきたのは、懇意にしている損保ジャパンの代理店の担当者さんです。
「最悪のお知らせがあります」
「」
「軽く見積もっただけでも、修理費が100万を超えるようです」
「…!」
「相手の方は全損超過特約に入っていたので、車両の時価額14万+50万円までは出ます」
「」
「しかし、その金額では到底直せないので、新しい車を探してもらうしかないかと」
当初、そんなに掛かるとは全く思っていませんでした。5,60万で収まるだろうと思っていたのです。なので、非常に衝撃的な知らせでした。
「なんでそんなにかかるんですか…」
「珍しい車なので、中古の部品がないので、新品になるとのことで」
確かに、ビストロスポーツMTはなかなかの希少車です。SOHC S/C 5MT 4ドアの設定は、数あるヴィヴィオの派生種の中でも極僅かしかありません。中古部品がないのは事実です。カム角センサが割れてしまったので交換しようとした時、オークションで随分探しましたが出てこず、仕方なく大金を支払って新品を買ったこともあります。
しかし、損傷部分は右フロント。機関部に影響がなければ、それほど特殊な専用部品が必要になるとは思えません。
「他の部品とりのビストロを引っ張ってきてその部品を載せるとかではダメなんでしょうか…」
そんなことを言ったりして、何とかならないかと交渉しました。しかし、代理店の方が何とか出来る問題でもありません。
「修理工場の担当者の方と直接話してみたらいいかもしれませんね」
ということで、電話番号を教えてもらいました。
家から15kmほど離れた県庁所在地にあるその工場はとても大きく、ディーラーや鈑金屋、修理工場が一体になった、信用感のある所です。
車の中に置きっぱなしになっていた免許証を回収するため一度行ったのですが、とても親切に対応して頂きました。
早速電話をかけ、担当の方と話してみます。
「なにぶん部品の流通の少ない車ですので、ちゃんとした中古がないんですよ、いい加減な部品を使うわけにも行きませんし」
「エンジンとミッションがずれてるので、そのへんもきっちり見ないといけません、細かく見ていくと他にもどんな不具合があるか…とりあえず、ざっと見ただけで100万ですので、修理はちょっと…」
他にも色々話しましたが、要約するとこのような感じです。
ただ、ビストロスポーツMTの時価額14万は低いと思うのでそれは交渉してみたほうがいいですよ、と言ってくれました。
私のビストロスポーツは約2年前にエンジンをリンクスジャパンのリビルトに載せ替えており、保証が残っている状態です。また、今となっては絶滅危惧種の貴重な車ですので、なんとか修理したいと考えていましたが、ここまでなのでしょうか。
幸い、事情を話した友人がちょうど乗り換えようと思っていたので車を譲ってもいい、と言ってくれました。どうやら、諦めたほうがよさそうです。
しかし、部品はまだまだ使えるのがありますし、社外パーツもついています。
それらを回収して、少しでも足しに出来ればと思いました。しかし、家から離れた大手の工場でそんな作業ができるわけもありません。自走できない状態なので、家でやるのも無理があります。
父の知り合いの個人の鈑金屋さんが家から2kmほどの近所にあります。私は今まで数度しか会っておらず、あまり長い時間話したことはありませんが、父は長い付き合いで、レガシィの車高調の取り付けをしてもらったことがあります。
そこでなら作業させてもらえるかもしれません。
色々思い悩んだ末、その鈑金屋さんに車を置くスペースを貸してくれないか、頼みに行きました。
ところが、ここで事態は思わぬ方に展開するのです。
< 続く >
Posted at 2013/05/20 01:29:06 | |
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