
5月某日
トヨペットに新型プリウスの試乗に行きました。
昨年暮れに20型を購入した私は、もちろん購入意志は無く、ほんとに試乗だけ(笑)
グレードは「S」だったと思います。
プリウスに乗ってるものとしては、やはり新型の実力は気になるものです・・・
昨年の8月末、来年早々には新型が発売されることを知りつつ・・・
また、新型の情報も多くリークされていて、おぼろげながらその姿、性能、装備などの進化を捕らえつつも今では旧型となってしまった20型に決めたのは・・・
プリウスという車にあまり過大な期待も無く「とにかく燃費良くて、パッケージングもまぁまぁ」そしてモデル末期となる20型の安心感と「お得装備」でした。
さて、さっそく試乗に走り出しましょう。
運転席に乗り込むと、すわり心地の良いしっとりしたシートの着座感です(20型比)
各種メーターの配置は独特のものですが20型プリウスに乗ってる者としては違和感はありません。
20型との大きな違いはセンターのEMVが無くなって、その代わりにクラスターにエコドライヴモニター表示となったところです。
今までプリウスのアイデンティティー?ともなっていたセンターのEMVはナビ装着場所となったのです。
エネルギーモニターとナビが別れたのは良かったと思います。
プリウスを運転すると、どうしても燃費を意識し、そのためにエネルギーモニターは常に見ておきたい画面なのです。
今まではEMVがナビ画面と併用でしたので、エネルギーモニターとナビをいちいち切り替えて見なければならず、ましてや同乗者がTVを見たいと言えばEMVを見たい運転手はお手上げでしたから(笑)
新型ではナビはナビとして独立使用できることで、普通に良くなりました。
センターコンソール・・・
20型ではセンターコンソールが無く、運転席と助手席の移動が容易でしたが、新型ではセンターコンソールが付きました。
スポーティーなイメージと共に高級感が増したように思います。
使い勝手という意味では賛否両論あると思いますが、従来の車のイメージ、ヒエラルキーとしてはセンターコンソールは高級車の証のようなものです、悪くないと思いました。
シフトノヴもセンターコンソールに移植され、ますます普通の車の使い勝手に近づき、これを多くの方が歓迎したようですね・・・(受注台数がそれを証明しています)
そして、シフトの追加装置としてパワー・ノーマル・エコと3パターンの走行モードスイッチが追加されました。
この使用感は後述します・・・
視界・・・
新型ではエコドライヴモニターをクラスターに納めました。
液晶表示画面を視認性ギリギリまで大きくしたのでセンターが盛り上がっており、前方の見切りは多少悪化しました。
しかし、初めてこの車を買う方には「こんなもんかな?」とう感じでしょう・・・
いずれにしてもプリウスの視界は一般車両よりも悪いです。
Aピラーが太く、Cピラーも太く、後方は2分割されたハッチドアグラスの仕切り・・・
高高率なエアロデザインを支える為なので仕方ありません。
視界の良い車から乗り換えた方は路地の右左折などに注意です。
まぁ、もっと視界の悪い車も多くあるので慣れれば何ら問題無いレベルですけど・・・
発進します・・・(ノーマルモード)
走り出してすぐに気が付いたのがアクセルの重さです。
20型が軟式テニスのテニスボールを軽く踏んでる感じと例えるなら、新型はビニール製のカラーボールを踏んでる感じ・・・かな?
例えが微妙でスミマセン(^^;
もっと分かりやすく・・・
そうそう、20型=軽自動車 30型=メルセデス(っぽい)踏み応えです。
少し踏力が必要ですが、20型が軽過ぎたとも言えます。
車体の振動によるアクセル位地の維持には多少重いアクセルの方が有利なので、改良なのでしょう。
そろそろとアクセルを踏んで発進するとモーターの力強さが増している感じです。
ゆっくりと発進させますが、20型ではエンジンONしてしまうくらいの小加速域でもエンジンが掛からず、普通にゆっくり発進すれば20km/hくらいまではモーターで悠々と走り出します。
もちろん、少し強く加速すると10km/h程度からエンジンは掛かりますが、それと同じくらいの加速を20型ですれば3~5km/hくらい?走り出してすぐにエンジンが掛かってしまうのです。
ずいぶんモーターが頑張る設定になったと感じました。
モーターの出力UPと共に制御も変わったところでしょう・・・
ハンドリング・・・
走り出して最初の角を曲がった途端、Dラーの駐車場を出ただけでその違いがハッキリと伝わってきました。
剛性感のあるしっかりとした足とインフォメーション・・・
ツーリングモデルではありません、ただのSです。
しかしこのインフォメーションと足には感心しました。
ベース車が変わったということですが、さすが世界戦略車をベースに選んだだけのことはあると思いました。
少し褒めすぎかと思いますが・・・20型がフニャフニャなだけという意見も・・・(汗)
まぁ、とにかく私としては及第点のハンドリングで、10年前のレガシー並みにはなったと感じました。
充分以上に納得できるハンドリング性能だと思います。
この後の走行でもそれを実感することになります・・
さて、国道に出てみました・・・
渋滞も無く、快適な状況ですが市街地なので信号が多く、昼の時間帯なのでイチイチ信号にひっかかります。
わき道の信号が青に変わり、スッっと軽く手ごたえのあるハンドルを3時くらいに回し、右折しながら国道に合流しました。
エンジンが掛かるほどの加速をし先の信号を目指します・・・
40~50km/hまでゆっくり加速しましたが、加速感、乗り心地ともに良いです。
ここで感じたのはエンジン低回転での静かさ・・・
室内の遮音性は相変わらず△なのですが、車そのものは大変静かです。
タイヤの走行ノイズと他車の排気音は聞こえますがプリウスのエンジン音はほとんど聞こえてこない感じです。
20型もそうですが、一定速の低速巡航ではほんとに静か・・・(車そのものは)
前方の信号が赤なのでアクセルOFFで減速していきます・・・
回生ブレーキのキュイーン・・・というモーター音が少し大きくなりました。
あきらかに「回生してます」って感じで聞こえてきます。
20型では昼の雑踏の中ではほとんど聞こえないくらい小さい音になっていたのですが、新型では昼の座等の中でも明らかに回生音が聞こえてきます。
意図的なのか、磁束道度が上がった為なのかは不明ですが・・・
プリウスが回生してるという実感はありますね(笑)
ブレーキに足を乗せます・・・
やんわり踏んで停止・・・
この時、ブレーキのタッチも良くなったのを感じました。
ブレーキの利き具合も剛性感がUPしました。
わずかな踏力に神経質に利くのでは無く、踏んだだけ利くといった感じです。
20型では停止寸前のコントロールに慣れが必要でカックンブレーキになりがちですが、新型はその点も随分改良されていました。
まぁ、それでもカックンにならないように慣れが必要な部分は残ってますけど(^_^;
ほとんど気にならないくらいになっているように思います。
信号が青に変わり、前車について発進・・・
一般的に走ってる車の信号スタートに付いていってみます。
やはりみなさん少し強めの発進ですね・・・
これに付いて加速するとエンジンは多少唸ります。
お!?
なかなか良い排気音が聞こえてきました・・・
20型ではいかにも1,500ccの安物っぽい細い音質でしたが・・・(汗)
新型は野太い・・・とまでは行きませんが低音質の心地良い響きになっています。
頑張ってる感が無く、余裕の感じられる音です。
速度調節でアクセルをわずかに戻します・・・
アクセル調整での滑空域はかなり狭い感じ・・・
エネルギーモニターもあるのですが、始めて乗る試乗車なので少し戸惑いますね・・・
ハンドルのボタンでいろいろと切り替えてみますが、面倒くさくなったので自分の五感を頼りにと、頭を切り替えました(^_^;
前車に追走してしばらくは乗り心地を楽しみます・・・
やはり足周りの剛性感が良く、ハーシュネス、ダンピング、ピッチングなども20型よりもグッっと良くなりました。
あくまでも20型比なので、超高級車とは比べないでくださいね(汗)
国道から枝分かれしてバイパスに入ります・・・
片側4車線という広いバイパス・・・・
信号の間隔も500m以上、車も少ないので快適に走れます。
500mを数台で貸切なくらい空いていました。
4車線の1車線ごとに1台づつ走ってOKって感じ(笑)
で・・・
何故かここで「エコモード」にしてみます(笑)
赤信号で停まり、前車に続いて青で発進。(一番右車線)
広いバイパスということで前車はますます持って強加速で発進していきます・・・
私もアクセルを深く踏んで発進・・・
あれれ!?
ぜんぜん付いて行けない・・・(#+_+)
ベタ踏みでも加速しない・・・(一応してるけど)
エコモード・・・かなり強力な抑制制御が働いております。
市街地で他車の流れについて行くのが困難なくらい・・・
信号2つほど我慢してエコモードで走ってみました。
すると・・・
私の後続の車がイライラしてるのが分かります。
道路は空いてるので、わざわざ私の後ろに付かなくても良く、違う車線から追い抜いて行けば良いのですが・・・?
パイパスとはいえ、信号のある一般道で、信号のつながりは運が良くても1回パスできるかどうか。
さらに私の前にも車が居るので、必死についてこなくても良い状況です。
後続車は、いわゆるケツカッチン状態で付いてくるのです。
試乗車に対する嫌がらせでしょうか・・・?(笑)
まぁ、特に何の対処も必要無いのですが・・・
私に少し、イタズラ心が芽生えました。
信号のある一般道でバトルも出来ませんが・・・(爆)
新型の加速性能を試してみることにします。
また信号でストップしたのでパワーモードボタンをポチッっと・・・
さて、30型はどんな加速を見せてくれるでしょうか??
次の信号まではやはり500~600mあります。
尊号が青に変わり、前車に続いてエコモードの時のように徐々に前車に離されてみます。
車間距離が十分に開いたところで少し加速・・・
うん、アクセルのツキは良い感じですね、エンジンも回ってます・・・
後ろでジレていた後続車は「やっと加速かよ・・・」といった感じでビタ付けで追い上げてきます。
「ヨシ、食いついて来たな・・」と、私はもう少し加速・・・
これもビタ付けで付いてきます・・・
加速が続いたので完全に食いついてると確信した私はここでパタンとアクセルを倒しました。
30型プリウスはギョイーン!!と最大加速!
40km/hくらいからの中間加速としては軽量2Lターボ車並みでしょうか、胸のすくような加速です。
ルームミラーを見ると・・・
1秒くらいは一緒に加速していた後続が、2秒、3秒後には・・・
見る見るうちに点になっていきました(笑)
素晴らしい、必要充分以上の加速性能を30型は見せてくれました。
モーターもエンジンもパワーアップしていることが実感できました(^-^)
などとやってるうちに、随分時間が経ったようで・・・
同乗した営業担当に営業所から「まだ帰らないの?」と電話が掛かってきたので・・・
そろそろ引き返しましょうか(^_^;
帰路もバイパス区間ではパワーモードの走りをチェック・・・
発進~中間加速、減速、パートスロットルのニュアンス・・・
また、中~高速での車線変更でのハンドリング、やや強めのブレーキ・・・
全域で良くまとまっており、パワーモードオンリーで走るならスポーティーと言っても良いくらいの車ですね・・・
こうして新型プリウスの試乗を堪能しました。
普通なら往復20~30分程度の試乗なのでしょうけど、担当営業がノンビリした正確なので(笑)
1時間を優に越える・・・充分な走行テストができちゃいました(^-^)v
さまざまな記事でも触れていますが、高速性能がUPしたことも、この試乗で片鱗を味わうことが出来ました。
すべてにおいて・・・納得・・・です。
普通のエンジン車と比べると価格が高いと言われますが、この新型プリウスの総合性能を考えると、むしろ安いくらいだと思います。
電子デバイスの楽しみ、ファミリーカーとしての使い勝手、走りの性能・・・
この独特なエアロスタイルの外観がOKな人には珠玉の1台と言えるでしょう・・・
あくまでも300万クラスの大衆車として・・・ですよ(^-^;
今後さまざまなHV車が増えていきますが・・・
30型プリウス・・・
本当の意味で大衆に広まる、新しい時代にふさわしい素敵な車だと思います(^-^)
これにて試乗記、終わり・・・
追記
20型乗りとしては羨ましい限りの30型です。
でも、私は20型を買って良かったと思います・・・
20型と30型の進化を肌で感じることが出来たからです。
そして、20型の良さも、改めて発見した部分もあります。
これからも20型を永く乗っていこうと思った次第です・・・