早一週間前になっちゃいますが、
多方面からプレッシャーがかかって、
下手な分析もできない状況でw、
とりあえずまずはPeugeot 106勢の上位3台を分析します。
まずは他を大きく引き離す、
KMYマイスター!Peugeot 106 S16 (L3エンジン)。
続いて、2012年、ラテンフェスタ SUPER EUROクラスの覇者、
ジリ貧チャンピオン!同じくS16。
最後に、私、
kiku106(無冠w) Peugeot 106 Rallye 16V。
仕様は、Sタイヤ、LSDは共通。車重は軽い順に、ジリ貧さん
本当は写真で車を紹介したいんですが、風景2枚しか撮ってなかったので割愛(苦笑)。
では早速・・・。
まずはコースですが、今回はセクターを6個に割ってます。
Sector 1:: 計測地点~1コーナークリップ付近
Sector 2: 1コーナー立ち上がり~Aコーナー(コカコーラ)減速地点
Sector 3: Aコーナー進入~100R~ヘアピンクリップ付近
Sector 4: ヘアピン~300R~Bコーナー(ダンロップ)クリップ付近
Sector 5: Bコーナー~13コーナー、プリウスを経て最終コーナークリップ付近
Sector 6: 最終コーナー立ち上がり~計測地点
さて、次にタイムをごらん頂きましょう。
KMYさんがダントツの7秒台前半。残り2名を4.5秒離してます。
ジリ貧さんは初FSWで、普段はミニサーキット中心にもかかわらず、検討の2番時計。
前週に泊りがけでFSW攻略したkiku106は、ラジアルで出したタイムに1.2秒しか載せられてません・・・。
ギャップの数値(赤文字)部分に注目して欲しいのですが、全般にわたってKMYさんが速い中、
さらにSector 3では、500m程度のセクションで1~2秒千切ってます!
さらにBコーナー後の細かいセクションを含むSecotr 5。
この2つのセクターを中心にKMYさんの走りを分析していきます。
A: 全体の速度推移+旋回半径推移
まずは、全体の速度推移と、コーナー処理がわかりやすい、旋回半径(R)のグラフをご覧ください。
ぱっと見て、1コーナーのkiku106のチキンさは置いといて(苦笑)、明らかに3人の走りが異なるのは、楕円で示した100R付近、それとBコーナー~最終にかけてです。
Rを見ても、この2箇所は旋回半径の取りかた、考え方が違うのが見て取れますね。
KMYさんの100R付近は、なんか異様な感じのRですww。
因みに今回から、LAP+の有償版、Spec. Sを投入しました。
なので、今回のグラフ横軸は基本的には「距離」です。今までは「時間」だったんですが、
複数台数の比較は「距離軸」の方が見やすいです。
B: 1コーナー(減速)
くどいようですが、kiku106は置いといてww、2人のブレーキングの妙をごらん頂きましょう。
KMYさん、ジリ貧さんのここでの差はほぼありません。
190km+の速度から、100m看板前後からのハードブレーキング、加減速Gのグラフで分かるように、素早く減速Gを立ち上げています。お見事!
さらに加減速Gのグラフを見ると、KMYさんは1.1Gの最大荷重後、1コーナークリップに向かって、非常に滑らかにGを減少させていきます。そしてそのままフル加速へ。この素晴らしいGコントロールが、Aコーナー入り口までの加速の差となります。これは教科書に載せたいような完璧なコーナリングです。
ジリ貧さんは、踏力の立ち上げは見事ですが、最大Gの距離が長くなっています。
その分加速Gの立ち上がりが、KMYさんより遅く、kiku106と同等となっています。
kiku106は、150m看板より手前でブレーキングを開始、クリップまで距離があるのと、ブレーキの偏効き症状が出ていたため、減速Gの立ち上がりがゆっくり、かつ弱いですね。このブレーキングでkiku106が失ったタイムは約0.5秒だと思われます。しかも立ち上がりに影響が出れば、さらにタイムを失いますので、全然ほめられない走り方です・・・。
C: Aコーナー(コカコーラ)
ここで注目して欲しいのは、ジリ貧さんです。
結果から言うと、突っ込みすぎになっています。したがって100Rにむけての速度が他の2台と比べ、明らかに低いですね。
このコーナーは80度くらいの角度で曲がるのですが、手前がクレストでクリップが見えにくい場所です。そして4速、150km/hからの減速で操作の精度が求められる高速コーナーです。
走り方の基本は、コーナーに入る前(旋回ヨーを立ち上げる前)に減速を完了し、アクセルオンで旋回する事です。おそらくジリ貧さんは旋回開始時に減速Gを残しており、ヨー制御のためステアが切り込めない状態、したがってアクセルを踏めない状態だと思います。
図の3色の三角形はコーナーのボトムスピードの地点を示していますが、KMYさん、kiku106は旋回開始直前・直後辺りがボトムです。対してジリ貧さんはコーナー出口がボトムになっています。
加えて、旋回半径(R)を見ると、ジリ貧さんの旋回半径は奥に行くにしたがってきつくなっていますが、KMYさん、kiku106は手前がややきつく、奥に行くに従い大きな旋回となっています。
これがジリ貧さんが、Sector 3でKMyさんに2秒以上離された原因の一つ目です。
D: 100Rのライン
ここが今回のハイライトといっても差し支えないと思います。
速度グラフを見ると、KMYさんのがずば抜けて速いです。しかも100Rのセオリーは、中間で一度向きを変えるために減速する、M字型の速度推移のハズ(kiku106はこのパターン)ですが、
KMYさんの速度グラフには谷がありません!いうなれば逆U字型みたいになってます・・・。
100R進入から加速し、中間のピークから、ごく緩やかに100R出口(というかヘアピンへの切り替えし)にむけて減速していき、切り替えし付近で微妙に加速してから、ヘアピンへ進入。
当然平均速度がかなりあがるので、このコーナーに要する時間は短くなるのですが、FSW走ってる人はわかると思いますが、普通そんな走り方できません(笑)。
何故、それが可能なのか、そこを探っていきますが、
まず第一の特徴は、横Gのグラフです。
他の2台に比べ、横Gの数値が高く出ています。つまり速度が高いまま、しっかり旋回しているということです。横Gは一定のRであれば側芽高いほど、同じ速度であればRが小さいほど高く出ます。
次に減速Gの推移を見ると、ゆるやかな減速中のGは-0.1~0.2G辺りをキープしています。
これはアクセルオフやブレーキっぽくないですね・・・。
というわけでラインを見てみました。
これもLAP+ Spec.SならではのGPSの位置情報の補正をかけてますので、いつもより精度高いハズ。
これです。
驚くのは、100R後半のRがきつくなる部分、普通はインベタっぽく進入し、Rが変わる部分でコース幅の真ん中付近まではらみながら向きを変えますが・・・
KMYさん、ずっとインベタです!
そして当然ですが、ボトムスピード地点はヘアピン手前!!
さらに良く見ると、100R進入で小さく左に振って、右に切り返しながら100Rに進入しています。
つまり、100Rを曲がりやすくしているんですね。旋回モーメントを早めに立ち上げるイメージ。
大分見えてきましたが、それでも不明点も残ります。
というわけで、本人に聞いてみました(爆)。
その話とデータをまとめると、KMYさんの100Rの走り方は、
1)進入でしっかり旋回モーメントを立ち上げ、100Rに進入。
2)その後インベタラインでアクセル全開。
3)アクセル入れたまま、ステア操作で(結果としてステアの抵抗で減速~旋回)
4)ヘアピンへの切り替えしまでアクセル・オンのまま。
これは多分、走り方だけでは真似できません。
車のセッティングも、こういう走りが可能なように、旋回中リアが巻いてくれるようになってるそうですから。
しかし効果は抜群。セオリー通りのkiku106に対して、1.3秒稼いでます!
距離にすれば全体の1割程度の部分ですが、タイム差の1/4はここでついてますよ~。
さすがマイスター!
E: ヘアピンの重要性
ヘアピンは、その先が300Rとは言え、106風情にはほとんどストレートであるため、タイムを出す上では非常に重要なコーナーです。そこでの結果はやはりタイムの差になってきます。
Sector 4では、「ほぼストレート」でKMYdさんが2台を1秒近く離しています。
その原因は2つで、ヘアピン立ち上がり、とBコーナー進入です。
特に大事なのは、ヘアピンの立ち上がり。その理由はこの図を見れば明らかです。
KMYさんはきっちりセオリーの奥を使うラインで立ち上がり、かつボトムスピードが高い。
この優位は当然、Bコーナー減速まで続きます。
ジリ貧さんは、ヘアピンの見かけの罠にはまって、手前で小さく曲げすぎ、ボトムスピードも落ちています。本人が言ってたんですが、「出口が広いの分かってるんだけど、減速しちゃう」そうです。
ここは初めてだと難しいところですよね。
kiku106はラインはKMYさんと同じですが、ボトムスピードがちょっと低めですね。
まだラインの上を走ってるだけな感じがします。
・・・長いですね?あと少しですよ~w。
書いてる方も疲れてきましたww。
F: Bコーナー(ダンロップ)
ここでの圧巻はジリ貧さんのBコーナー1個目攻略。
まるでAコーナーの鬱憤を晴らすように、手前でボトムスピードにし、鋭い加速を達成しています。
KMYさんは、他者を避けるためにインから入ってますが、それはそれとして、Bコーナー脱出はジリ貧さんがKMYさんを上回っています!。
しかもボトム速度も高いですね~。こういうコーナーは本当に上手い、ラテンフェスタ王者の面目約如です!
因みにBーコーナーのライン取りは少しデータ的にずれてます。
B一個目の立ち上がりはコース幅の真ん中くらいまでだと思います。
G: Bコーナー~13コーナー、そしてプリウス
この辺りでラップ的には1分15秒位でしょうか(苦笑)。
ここではジリ貧さんが他者を避けてるため、データを追いづらく、KMY vs. kiku106で行きます。
ここでのポイントは2つ。
1)まずはKMYさんのBコーナー攻略法。B2個目で減速しないって・・・。
2)そして、圧巻の高精度コーナリング。
Bコーナーですが、Rのきつい右左の回りこみが連続してますね、普通は2個目も少し減速(アクセルオフ)しますが、KMyさんのデータ見ると速度が落ちてません。Gもずっと加速側。でも横Gはちゃんと立ち上がってるので、まっすぐ行ってるわけではない・・・。
答えは割りと、100Rに近くてアクセル踏みながら、ステア操作、プラス縁石の内側まで使うことだそうですw。
特徴的なのは、それをするために、Bの一個目は捨て気味にする点でしょうか。
ジリ貧さんと同じく、手前でしっかり減速、向きを早めに変えて、脱出を鋭く、
で、2個目のコーナーは直線として扱って、13コーナー入り口までの速度を稼ぐ。
という考え方ですね。見事に実践されています。
しかし
ここでkiku106のデータを見て欲しいのですが、13コーナー手前の到達速度はKMYさんより高い!
kiku106の走り方は、B1個目をアウト-イン-イン的に走り、アクセル全開で2個目への旋回を開始、その後ヨーが立ち上がってから、アクセルオフでリアを振り出し、13コーナーに向けて加速。
という考え方です。
B1個目のボトムポイントや、B2個目のアクセルオフのタイミングがまだ詰められますが、ここはセオリーっぽい走りもアリかもしれません。
さて、圧巻の高精度コーナリングですが、13コーナー、プリウスの美しいV字型の速度グラフご覧ください。この辺りはちょっと特殊なコーナリングで、ぶっちゃけ難しいですが、KMYさんは非常に効率的にクリアしていますね。
対してkiku106は13コーナーでは完全に失敗。プリウスもちょっと突っ込みすぎ。
特に13コーナーは速度グラフがU字になってますが、この理由は加減速Gを見ればわかります(緑の矢印)。減速->加速開始->2度目の減速->最加速、という風になっています。
これは、最初の加速時点で、車の向きを変えきれてなくて、コース内にとどまるため/旋回を完了させるために、アクセルを戻さざるを得ない状況です。
結果は、加速の遅れにつながり、プリウスまでKMyさんの速度に追いつききれ無い代償となります。
加減速Gを見ると、各コーナーで全てKMYさんの方が加速Gに移るタイミングが早いですよね。
これがコーナリングでタイムを詰める、基本ですね。
H:最終コーナー
ついに最終コーナー、ここを抜ければ後はアクセル全開。でも、だからこそ最終コーナーは大事なんですよね。
ここではKMYさんと2台のラインの差が結果として0.3秒程度の差につながっています。
(但し、データが少し上方にずれてるのでご注意)。
特徴は、早めの減速と旋回で、極力加速を長く取っているところ。
後は、距離を考えてて、ちょっと小回り気味に見えます。
そして、プリウスから、最終の間で車のヨーを載せ変えてますよね。
しかしこのボトムポイントで、その速度で、しっかり向きが変わるのか?
その答えは、横Gの矢印部分。小さくカウンター当ててますね。
やはりセティングも含めて考える必要があるかもしれませんね。少なくともうちの車はここでこんなには曲げられないセティングだと思います。
というわけで、
次回は、KMYさん vs. rsport240さんの直接対決を分析します~。
</kmyさん<kiku106です。