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イイね!
2018年08月17日

1960年代のイタリアン・デザイン;その美しさと脆さ儚さ・・・




 みん友様やmyファンの方も、

 https://minkara.carview.co.jp/userid/1095234/blog/41836872/

 https://minkara.carview.co.jp/userid/1923480/blog/41839919/


で取り上げておられますが、先日イタリア・ジェノア近郊で、痛ましい高速道路橋梁の崩落事故が発生しました・・・





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 事故の報に接し、1967年に完成したというこの「モランディ橋」の崩落前の画像を見て不謹慎ながらも思ったのが 「いかにも1960年代のイタリアらしい繊細な造形美があるなあ・・・」 という事でした。

 「モランディ橋」の「モランディ」 というのが、地名ではなく建築設計者であるリカルド・モランディ氏;

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3

に由来するところなど、建築造形美を重視し、また誇りに思っていたからでしょうね。






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 しかしながら一方でその繊細な造形美は、脆さ・儚さを併せ持っていたのだろうとも考えました。素人目にも橋脚の細さなどが目に付きます・・・






 そしてわたしが、1960年代・イタリア・ジェノア、という言葉と、この繊細な造形美から想起したのが・・・




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 わたしが最も好きな、最も美しいと思う客船、今は亡きイタリアン・オーシャンライナー 「SSミケランジェロ」「SSラファエロ」 のことでした。




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 1965年に竣工した両船は、当時のイタリアの技術的・芸術的粋を集めた客船として登場し、ジェノアを母港とした大西洋航路やクルーズに活躍しました。




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 外観では斬新な篭マスト形煙突を2本、しかもデザイン的に破綻寸前のギリギリまで後方に配置して、その頂上に配置した整流板とともに繊細さと優美さとスピード感を表現し・・・・




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 インテリアも写真から想像するだけなのですが、これも絢爛豪華ではあっても重厚さより、「表皮をひと皮そぎ落した」 ようなモダンで繊細な内容を誇るものであったようです。







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 しかしこの両船、「美人薄命」の諺通り、その活躍はたった10年で終わり、赤字のため運行停止⇒革命前のイランに売却され海軍兵舎に⇒イラン革命による荒廃を経て、イ・イ戦争でラファエロは撃沈され、戦争を生き延びたミケランジェロもボロボロの状態でほどなくスクラップに・・・・という悲劇的な最期を迎えました。。。






 両船の美しい船形と、その悲しく儚い生涯を知っているが故の認識バイアスかもしれませんが、この両船には例えば、



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 クイーン・メリー ; 戦前はSSノルマンディとのスピード競争に打ち勝ち、戦争中は軍隊輸送船として大活躍(挙句に味方の巡洋艦を1隻、衝突事故で沈め)、戦後も生き永らえた後は異国アメリカの、しかもこれまでの生涯とは特別ゆかりもない西海岸のロングビーチでホテルシップとなり、そこでも当たり前のように半世紀にわたり観光名所となっている・・・  あのようなしぶとさ、力強さに欠けた脆さ・儚さが、デザインからも感じられるように思われます。






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 船だけでなくクルマでも、ピニンファリーナ、ベルトーネ、ミケロッティ、ザガート、ギア、ヴィニャーレ、フルア、ツーリング、スカリオーネ etc.と1960年代に一世を風靡したイタリアン・デザインの車は、なべてエレガントで繊細なデザインを誇るけれども、車体構造、あるいは鉄そのものが薄くて脆く、後世に残存しにくいようなfragileな印象があります。そして数十年を経た現在、車のみならず「イタリアン・デザイン」自体、かつての輝きが失われつつあるように思われます・・・






 無残に崩落したモランディ橋の映像を悲しく見つめながら、過ぎ去った1960年代のイタリアン・デザインの栄光とその脆さ・儚さについて考えていました・・・・



 改めて、今回の事故で犠牲となられた異国の方々に心よりお悔やみ申し上げます。

 (*画像の大半はYou Tubeのキャプチャー映像および海外サイトより引用しました)




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Posted at 2018/08/17 21:22:37

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