それは突然やってきた。Xデーを12月27日と定め、話を進めること2週間。いよいよその日がやってきた。僕は長野に向けて車を走らせていた。横には、この日の歴史的瞬間に立ち会おうと賛同してくれた会社の同僚。今、思えばこの6年という時間はあっという間だったと思う。ーーーーキリトリーーーー運命の出会いだった。今でもそう思う。いや、むしろ必然だったのかもしれない。携帯の画面に映る、青い車体は自分の好みにぴったりで是非一度、この目で状態を確かめたいと思った。あの時のことは今でもはっきり覚えている。コイツが新しい相棒だと思った。中学時代からの憧れだった車をいよいよ手にした。ーーーーキリトリーーーーもてぎまで弾丸ツアーをしたこともあった。LSにも2回も参加することができた。ボツにはなったがクラレガの取材も受けることができた。そして、なにより素晴らしい人々に出会えたこと。ものすごい刺激を受けたこと。すべての思い出が走馬灯のように駆け巡った。ーーーーキリトリーーーーいよいよ新しい相棒となるであろう車体とご対面。一通り物色したところで、青い車体の悲しげな瞳が目に入った。僕にはコイツが「まだ頑張れるよ。」と言っているように感じた。そう、まだ思い出半ば。これからも新しい思い出を作るためにコイツとともに行こう。決意を固め、車屋に詫びを入れ帰路についた。帰りの道中。嬉しそうにボクサーサウンドを奏でるその青い車体に「これからもよろしく」とつぶやきながら、新なる日々に期待を膨らませるのだった。