
「ひとは情熱がなければ生きていけない」
小説家 浅田次郎氏のエッセイでありますが、これは「勇気凛凛ルリの色」の番外編に当たるのか、サブタイトルに「勇気凛凛ルリの色」と付いています。
タイトル画像にあるように何故2冊あるのかと言うと、長くなりますが我が家のリビングの壁面には両サイドにクローゼットが建て付けてあり、その右側のクローゼットに小説を格納する事になっています。
私も嫁も読書好きという事もあり1冊の本を2人が読むから経済的ではあるが、私は非常に記憶力が悪く自分が読んだ本を覚えておらず、昔読んだ本を何回か読むことがある。新しい本を読む際には本のカバーに書かれているあらすじを確認して読んだ本かどうか確認するのだが、本を購入するときにもあらすじを読んで面白そうかどうか判断するので、読み終えて知っているあらすじなのかあらすじだけ知っているのかの判断が難しい。そこで非常に記憶力の良い嫁に「これって読んだっけ?」と聞くのが日常である。
今回はなぜか左側のクローゼットに文庫本が3冊入っていて「ひとは情熱がなければ」は、その中の1冊である。もちろんそこに文庫本があることは知っていたが、読み終えた本だと思い気にしていなかった。
なぜ気にしなかったかと言うと、記憶力の悪い私は昔「読み終わった本はこちら」「読んでない本はあちら」と規則を作ったことがあるのだが、2人が読むため「自分は読み終わったが嫁は読んでいない」。はたまた「嫁は読んだが、自分は読んでいない」等の複雑なパターンがあるため断念した。
この3冊はその時の中途半端な整理の名残りくらいに思っていたのだが、最近右側のクローゼットに移そうと思って開いてみたら未読の3冊であった。
「ひとは情熱がなければ生きていけない 勇気凛凛ルリの色 浅田次郎」
「勇気凛凛ルリの色 四十肩と恋愛 浅田次郎」
「ひまわりの祝祭 藤原伊織」
つい数ヶ月前に「勇気凛凛ルリの色 満点の星」(勇気凛凛ルリの色シリーズの最終巻)を読んだのだが、「勇気凛凛ルリの色 四十肩と恋愛」を読んだ記憶が無い。「満天の星」を買うときに、記憶力の良い嫁に「四十肩と恋愛」って読んだっけ?と聞いた所、「読んだよ」との回答だったのでハナから信用しており「満点の星」を読み終えて、「あ〜、勇気凛凛も終わりかぁ」と思っていた所「ひとは情熱がなければ」を嫁が購入してきて、「これも続編なんだよ」(嫁)、「へー、そうなんだぁ」(私)なんて呑気なことを言いながら右側のクローゼットに仕舞ったのである。
これが「ひとは情熱がなければ2冊事件」の真相である。
読まれた方も多いとは思いますが、この「勇気凛凛」シリーズは氏の自衛官時代やヤ◯ザ時代(文中には度胸千両的業界とある)、売れない小説家時代、直木賞受賞後などに渡り面白おかしく書き綴ってあり、私としては珍しく読んだ数少ないエッセイです。
浅田小説はどれも好きですが(蒼穹の昴だけは…、クローゼットで眠っている中原の虹に手が出せずにいます)、その中でも一押しが「天切り松 闇がたり」シリーズです。
大正時代の伝説の怪盗、天切り松が留置場で昔話を聞かせ江戸言葉で説教する痛快の物語です、まだ読んでない方にはお勧めですよ。
誤解の無いように書いておきますが「蒼穹の昴」は面白くない訳ではなく、例えば西太后一人の呼称が3,4通り出てくるので誰の事を言っているのか途中でわからなくなる。
また主要人物で「春児」(チュンル)が登場するが、読書中は「ハルジ」で通さざるを得ない。
と言うような理由です。
Posted at 2012/06/07 21:43:35 | |
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