女性が出て行った後の待合室で、話題はさっきのフェレットに。おばあさんが隣にいたおばさんに、「動物をあまりかわいがり過ぎちゃうのもねぇ…」その一言がすごくひっかかった。かわいがり過ぎなきゃ、そんなにつらくないのに…っていう意味?おばあさんは続けて、「うちの犬も先月一匹死んじゃって…」と、おばさんに話していたけど。おばあさんにとっては『ペット』なんだろうなって思って、おばあさんが連れてた子犬がちょっとかわいそうになった。人の価値観なんてそれぞれだし、ペットを愛玩動物と思ってる人を批判するわけじゃないけど。けど、このタイミングで 会いたくはなかった。私にとって、いくら他人であってもフェレットの死は人ごとじゃなくて。ずっとうつむいたまま泣くのをがまんしてた。私にとって、ちょことまろんは家族だから。女性にとっても家族だったから、もう息をしてない子をすがる思いで連れて来てたんだ。話題はフェレットってどういう動物っていう話しになり…おばあさんが受付の人に聞くと、まろんのことを指差して、あの子がそうですよって教えてあげると…おばあさんの興味はまろんにうつって、私に話しかけてきて。話したくなかったから、うつむいたまま返事もしなかった。価値観が違うだけなのわかっているのに…おばあさんを無視した私は心が狭いんだろうな。旅立ってしまったフェレットは、虹の橋で遊びながらあなたが天国へ行く日まで待っててくれているよ。だから、いっぱいしあわせなお話を聞かせてあげるためにも、いっぱい泣いたら、早く元気になってあげてね…