
最近、僕は溶接に関する技術や母材の質について興味があって、信頼出来る本職の方と話が盛り上がります
先日も盛り上がってしまい遅くまで拘束しちゃいました
ごめんねーw
なぜかと言うとステンレス製エキマニの修理が頻繁に入庫するからです。(年間でみたら20個~)
有名なワークスエキマニ~メーカーエキマニまで。
それは単純に、長時間のレースやドリフト走行などにより、振動や溶接不良さらには母材の厚みによるものだと考えていました。
(もちろんそれを阻止する加工も大切。)
その修理の一連の流れは。
クラック(ひび割れ)の部分を再度溶接し。
作業性を考慮した上で補強を施す。
http://proxy.f2.ymdb.yahoofs.jp/users/8f6bd823/bc/c1c9/__sr_/6fff.jpg?BCsjFJLBFiOCx51g
といった流れの修理作業ですが、
よくクラック・トラブルのある集合部分はこのようなロストワックス制法で作られていれば多少は安心して使用できます。
それでも他の部分にクラックが入ります。。
アフターパーツの消耗品と考えて使用するには勿体無いですよね
その昔の自動車メーカーのツーリングカーのエキマニはどのような製法で、どのような材質だったのでしょうか・・疑問が残ります。。
まずは
よく、SUS304と書いてある商品がありますが気になりませんか?
知っていても「磁石が付かない」とか「磨けば光って見た目も良い」とかですよね。
☆答えは
18-8ステンレス(SUS304)
18-8は、18%のクロムと8%のニッケルが含まれていることを表しています。
SUS304を組織構造から分類するとオーステナイト系、単純に見極める時は(磁石が付くか付かないか)で判断可能。
さらに言うと、オーステナイトというのは結晶構造の一種で、原子がサイコロの角と面の真中にあるもの(面心立方組織)のこと。
ニッケル・クロムステンレス鋼はオーステナイトに属するんです。
最大の特色は非磁性になります。
そして、
なぜ、こんなことを言うかというと、オーステナイト系はステンレス鋼独自のものであって、
溶接など熱加工を行ったとき温度分布として700度前後の部分が存在するそうです、
この温度の場合ステンレス鋼の中の炭素とクロームとなり18-8ステンレスの18クローム部分は相当低下してしまう。のです。
先ほどの「面心立方組織」←この組織としての粒子の間に炭化クロームが析出してきて、結晶構造の粒界に割れが発生します。
それが今回のステンレス・エキマニ特有な割れの一つの原因です。
それを粒界腐食って言うそうです。
もう一つは、
溶接後の歪が残っている場合に腐食割れすることがあり、
応力のかかったままの材料に特殊な腐食環境(たとえば雨水や海水などによって酸性イオンがかかっていたり)で使用すると割れを起こすことがあります。
では、なぜSUS304などを採用するかというと
・優れた耐食性
・表面肌は輝いている。(商品としての見た目)
・強度が明瞭に判断されていないから採用してしまう。※1
※1
実用上0.2%の伸びのところで降伏点。耐力の限界。
軟鋼(スチール)にはこれが明瞭。「なのであまり採用しない。」
結果
0.2%の伸びの耐力の限界を越えて割れる。
ということは・・
使用条件では、直しても直しても割れが始まれば「いたちごっこ」ってことですよね。
では、どうしたらいいか。
それは!
今後の課題ですw
長くなりましたが、僕はアフターパーツを提供する側として
少なくもトラブル原因の一つとして謎を解明し、トラブルの根源を知って、お客さんと向き合い作業をする。
これはエキマニやマフラーを修理、製作している作業者の責任と思って日々仕事に取り組んでいます。
それは素材を理解して製作する大切な気持ちに繋がる。
これは僕が各種ステンレス材料で製作したEK4にK20エンジンスワップ用のワンオフエキマニです。
↓↓
過酷な条件下にて使用しておりますが現在もクラックやトラブルが出ていません。
これからも楽しいカーライフを♪
向き合えば答えが見つかる!!・・・・akiLAspec
Posted at 2009/09/14 11:55:43 | |
トラックバック(0) |
溶接修理 | 日記