今朝の中日新聞朝刊に、こんな記事が載っていました。
「アニメの舞台を訪れる観光客が増えている。舞台といっても、監督はじめ製作者がここだと認めて行政と一緒に盛り上がる町もあれば、公表されないままマニアックなファンに『聖地』として認知され、彼らに後押しされるように行政が動き出した土地もある。アニメによって地域が活性化された町に様子を聞いてみた。」
…と前書きには書いてありました。それでは内容を見てみましょう。
これです!! 見にくいって方がありましたら、クリックして拡大して見てみて下さい。
その中で「舞台を訪問したいアニメランキング(BIGLOBEアニメワン調べ 2011年6月発表 投票数2148票)」って何故かちょっと古いのが書かれていますが…
① 涼宮ハルヒの憂鬱 兵庫・西宮
② ひぐらしのなく頃に 岐阜・白川郷
③ けいおん! 滋賀・豊郷小学校旧校舎
④ 新世紀アヴェンゲリオン 神奈川・箱根
⑤ らき☆すた 埼玉・鷲宮
⑥ あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない 埼玉・秩父
⑦ WORKING!! 札幌
⑧ STEINS:GATE 東京・秋葉原
⑨ 魔法少女まどか☆マギカ ドイツ・ケルン
⑩ たまゆら 広島・竹原
⑮ 花咲くいろは 金沢・湯湧温泉
⑯ 電波女と青春男 名古屋
というランキングになっていました。この統計から1年以上経っているので作品も入れ替わっているでしょうしね…
…で私も訪れた聖地を振り返ってみました。
③の豊郷小です。
この作品では主に登場するのは京都の街中ばかりなんですが、やはり主役である学校がメインに人気が盛り上がっていると言えるでしょう。
記事でも豊郷について書かれていて、年間に訪れるファンは約1万人!! ちなみに町の人口は約7500人だそうで…
そういえば私も今年の4月に登校した際、「うなべん!」を販売しているお店の女性スタッフとアニメによる集客について話していた事があるんですけども、「映画も終わって、作品の人気がどこまで続くかによる落ち込みが心配」だそうです。
確かにこの豊郷町の周辺、観光スポットは一般的にはどちらかというと琵琶湖、それから彦根城あたりになるんですよね。
でも、こうして豊郷という町を訪れ、豊郷自体に興味を持ち、作品が終わっても歴史・文化などを追い求める人たちが少しでも多くなって欲しいと思います。
②の白川郷です。
この作品の性格上、なかなか「聖地」としては地元も受け入れられにくいんじゃないでしょうかね?これはエ○ゲーの舞台になった町なども同様の心境でしょう。
それに白川郷というのは何といっても「世界遺産」、泣く子もだまる(?)「世界遺産」ですよ~!!
「世界遺産」の認定を取り消されたのであれば話は別ですが、「世界遺産」である以上はこれからも安泰さが続くかと…
…という事は作品に頼らなくってもいいって事になると思います。これはファンとしては複雑な心境ですね。
そしてランキングには出ていませんが、長野県・大町市の木崎湖です(「おねがいティーチャー」「おねがいツインズ」)。
ここは私が聖地巡礼をするきっかけとなった場所です。
作品が登場して早10年が経ちますが、個人的には最近では風景を気に入って訪れる様になっています。
私がよく利用する某旅館の女将さんも、「年月が経過してファンが離れていくのが心配」だそうです。
今のこの景気を考えると、「観光」というものはなかなか難しいものだなと思わされますね。
それから、TV放映されてから2年が経過していますが、金沢大学も訪れていました(「Angel Beats!」)
今では「金沢」といえば湯湧温泉の方がメジャーになっていますが、よく考えると「AB!」の舞台は大学だから観光地じゃなんですよね。
湯湧温泉の方に話題をそらすと、観光客は前年比で6.4%増だそうで、如何にアニメの効果があったかが分かります。
また、観光案内所の寄せ書きには「アニメがなかったら石川県に来る事はなかった」とか、「映像で見た風景と現実の場所が一致するのは感動」などと書かれているそうです。
そう思うとアニメの聖地となるのは、その人にとっては新たな観光資源の発掘といった所かもしれませんね。私も豊郷を訪れてそう思います。湯湧温泉、行ってみようかな…
ラストは地元・飛騨高山です(「氷菓」)。
確かに今は聖地として盛り上がってはいるんですけども、飛騨高山というのは元々観光地として賑わっていた場所…アニメが終わっても「観光地」としては安泰でしょうけども、「『聖地』としては忘れ去られて行く運命にならなければいいが…」と危惧しているのが私の心境です。これは白川郷とも共通する部分ですね。
でも作品の内容さえしっかりしていれば、「聖地」としてもファンの心の中には残るでしょう。
これら私が実際に訪れたアニメの聖地について振り返ってみたんですけども、私が気になるのは「アニメの数が矢継ぎ早に投入されすぎて、中身の無い作品が連発されなければいいが…」という事です。
こうして実際に存在する場所をモデルにするというのは、元々「実際の場所をモデルにすれば背景が描き易い」という理由に起因したものだと思われます。
しかしそんな安直な理由が存在する反面、「聖地」というのが盛り上がっている場所ばかりなのが現状です。
私はそんなアニメ業界のスピードの速さに疑問を抱きつつも、アニメが日本におけるコンテンツ産業としてこれからも発展していってもらいたい、そして訪れる人には「聖地」としてだけでなく、その土地に興味を持ってもらいたい、歴史を知ってもらいたいというのが願いです。