
トヨタの品質を巡る騒動が収まる気配を見せません。今度は、またアメリカでカローラなどのステアリングが不安定で危険であると米運輸省NHTSAが調査に入るらしいです。はっきり言って、様々な政治的思惑だとか、GMがダメになってどこかを叩きたいアメリカ社会の鬱憤だとか、いろんなワケのわからない動きがあるように思います。
なにはともあれ、いよいよ章男社長が米国議会の公聴会に出席することになったとか。
日本でのインタビューで章男さんは「誠心誠意説明したい」と語っているようですが、アメリカでのこの手の場には細心の注意と万全の準備が必要です。ディベート術に思いっきり長けた向こうの議員が、中間選挙前の点稼ぎを狙ってありとあらゆる突っ込みを仕掛けてくるのは間違いありません。
リーマンショックの後、リーマンの当時のCEOだったファルド氏が集中砲火を浴びたのも公聴会でした。ま、彼の場合はそれぐらいやられてもしょうがない面はあったと思いますし、今回そこまで厳しいやり方はしないだろうとも思いますが、しかしこれは向こうの議員達にとって格好の「見せ場」になるのも事実。
「誠心誠意」もいいですが、それはあくまで前提条件。情緒的に訴えたところでアメリカ人相手のこういう場ではなにも得点できません。極めて理路整然とファクツに基づいてどういう主張をするのか、どういう突っ込みやひっかけを仕掛けてくる可能性があり、そこにどんな対応を考えておくのか、徹底的に調べて準備しておくべきです。それでもかなりやられる覚悟が必要なぐらい。
都合の悪いことを言わないとか、ごまかそうとかしてしまうと却って大変なことになるので、そこに対してもどういうスタンスをとるのか明快な作戦が必要です。アクセルペダルの急加速問題はまさにこういうテーマでしょう。
そもそも、アメリカではマクドナルドのドライブスルーで買ったコーヒーをこぼしてやけどを負った人が訴訟を起こして三億円だったかの賠償を勝ち取ったり、盗みに入った泥棒がその家のカーポートが壊れて落ちてけがをしたと言ってカーポートのメーカーを訴えたり、これらは極端な例としても、ありえないような言いがかりを平気で付けてくることはよくある話。ある意味、「言ったもん勝ち」、「言い返さないのは負け」の社会です。そういう輩に対して毅然と論理的に対応できるということはアメリカ社会でまっとうに生きていくうえでの必要条件です。(もちろん、プライベートで付き合うとすごくいい人も多いんだけど。強烈に我儘というか勝手な人から、とてつもなくナイスな人まで、その振れ幅の大きさも特徴かもしれません。)
さてさて、どうなるでしょうか。
章男社長の健闘を祈りたいと思います。
Posted at 2010/02/19 16:02:50 | |
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