また、ドローンレースを知らない人向けに補足を入れてみます。
・どんなレース?
私がやってるのはFPV(First Person View)という、機体に搭載したカメラに映し出される映像をゴーグルでリアルタイムに見ながら操作するタイプのもので、ラジコンというよりは、ほぼ機体に乗っている感覚の未来のモータースポーツです。
参加したレースは、
Japan Drone Leagueという日本では最大のドローンレースリーグで、全国で年間7戦開催。私は去年の第5,6,7戦に参戦しました。今年は既に第1戦は消化。今回は第2戦になり今回で5回目の参戦となります。
週末の2DAY開催で、土曜が練習4回、日曜が予選2回飛行し、各クラスの上位9名が準決勝進出、更に勝ち進むと決勝となります。
練習と予選が90秒以内に計測ラインを通過した周まで有効のタイム計測。準決勝と決勝はよーいドン3周レース。
電波法により同時に飛べるのは3機までなので基本的に3人ずつの組でフライトします。
・クラス分け
オープン、エキスパート、プロの3つのクラスがあります。
通常のモータースポーツと違い、マシンや仕様によるクラス分けではなく、完全スキルによるものです。ちょうど、ノービス、国内、国際、のレースが1日に開催される感じかもしれません。
私が参加してるのはオープンクラスというエントリークラスで、ゲートを潜るのがやっとの始めたばかりの方からほぼ上のクラスと言える速い方までいます。ここではまずは完走、次に9位以内に入り準決勝進出が最初の目標となります。
オープンで決勝3位以内に入ると次戦からエキスパートクラスに昇格となり、ここでは中級者〜上級者までがしのぎを削っています。
プロクラスはまた別次元で、速さだけでなくレースの駆け引き、ペースコントロールやバッテリーマネジメントができないと勝てないようです。ここでの上位者は間違いなく日本トップクラスと言っても良いでしょう。
・コース
ドローンレースはサーキットのような常設ではなく、都度レイアウトが変わるジムカーナに近いものです。
2週間前に発表となるので、各々の練習場で模擬コースを作って練習したり、PCのシミュレーターで誰かが作った模擬コースを練習して、ほとんどの人がコースを大体頭に入れてからレースに臨みます。
今回のコースの難所はフラッグ間の360°ターンがあるくらいで、難易度的にはそれほどでもないのですが、スピードが出てしまうのでそこのコントロールの難しさやクラッシュリスクがオープンクラスだとありそうです。
・機体構成、セッティングなど
いつもの練習場ではスロットルリミットを90%とかかけてるのですが、今回のコースを歩いてみるとかなり広く、スピードアベレージも高そうなので、リミットを100%としました。他、セッティングなどは直前に練習したまま(レート変更のみでフィルターやPIDはFalcoXデフォ)
レーシングドローンは良い完成機もあって楽なので私も使ってますが、FCやESCがよく壊れるので色々換装し、たまたま壊れないで飛んでた直近の構成がこれというだけであまり拘りがないです・・
ちなみに機体構成はこんな感じです。
Frame:HGLRC Wind Lite Pro
FC: FlightOne Lightning H7
ESC:HobbyWing
Motor:HGLRC AEOLUS 2207.5 1750KV
前置きが長くなりましたが当日のレポートです。
【プラクティス】
練習4回のうち、様子見で飛んだ最初が一番良い感じであとはイマイチ・・。頑張ろうとするとラインをトレースできなくなったりクラッシュしたりで調子が出ませんでした。
この日はホテルで自分のDVRを見てダメなところを反省。そして上手い人のDVRを繰り返し見てイメトレ。寝る前に目を瞑ってコースを飛ぶイメトレしました。
【予選】
2回ある予選の内の1回目はクラッシュせずに少しゆっくりでも良いので確実に周って記録を残す作戦です。
4周回れば準決勝には残れそうな雰囲気だったので、1回目は少し抑えめペースでコース確認のつもりで飛びました。結果は4周クリア。28~29秒台でちょっと遅い感じです。
が、1回目のリザルトが5位となったので少し気楽になりました。これで2回目は少し攻めていける気持ちになれます。最悪クラッシュして記録が残らなくてもぎりぎり9位には残れるんじゃないかと。ドローンレースはメンタルスポーツなので少しの気構えや心の揺れが響くのでこういうのは大事なことです。
予選2回目は少しだけスロットルを開け気味に。途中何か所か危ないところがあったけど何とか4周回り切りました。ラップは25~26秒台で安定して刻めたのも良かったです。
2回目はやはり攻める人が多いのかクラッシュが目立ちました。
カップ麺を作ってると予選順位発表が。
私のオープンクラスから発表ですが、なんと予選1位通過とか言ってます。。そんな手ごたえはなかったので意外でびっくりしました。
【準決勝】
予選結果でのグリッドの有利不利はなく、3機1列にならべます。
スタート方法はシグナルではなく、ホーンのみです。スタート音のタイミング(点灯からブラックアウト)に決まりがない(ランダム)なのは他のモータースポーツでも良くある方式です。
リザルト傾向では、オープンクラスくらいだと、予選や練習の時と比べてタイムは遅いということがあります。練習が一番良かったなんてことが起こるのがオープンクラス。やはり、本番は緊張や焦りで速さが安定しなかったりミスが多いので観てる方は何が起こるか分からない楽しさがあるかもしれません。
準決勝スタート。
中継動画
https://youtu.be/m7RW_Gi6eTs?t=1626
私の作戦は、よーいドンでスタートダッシュはするものの後は淡々と飛ぶということ。
実況がプレッシャーになったり、他の機体が見えたりすると、操作が乱れるのはよくあることなので、とにかく気にせずいつも通りというのが大事。
けど、いざスタートするとどうしても力が入ってぎくしゃくしたり、小回りができなかったり、速く進もうとスロットルを入れ過ぎてオーバーランしたりします。そうならないようにひたすら気持ちを抑制していく感じです。
最終ラップでミスコースやり直しがあって危なかったけど何とか1位でした。
リザルト見ると、26.043, 26.039, 26.150 と特別速くはないけど、ほぼ同じペースでいけたようです。
【決勝】
勝ち上がってきた対戦相手は良く知ったお2人。1人はShin君(実はドローンで知り合う前から筑波サーキットで彼はマーチ、私はエリーゼの同じレースイベントに出てたという偶然w)。もう1人はC葉さん(練習場でよくノンアルビールくれる優しいおじさん)だったので、負けても絶対楽しいレースになるなと。楽しんで行こう!という気持ちになれました。
そして、いつもの練習仲間が後ろで応援してくれるのも心強くありがたいです。
いよいよ決勝スタート。
中継動画
https://youtu.be/m7RW_Gi6eTs?t=4560
1周目自分的にはよいペースもShin君にリードされます。(25.179)
2周目、Shin君なんとクラッシュで1位に浮上するも途中大きなロスでC葉さんに抜かれます。(28.149)
最終ラップ、一生懸命C葉さんを追いかけます。360°は今までで一番クルンと回れたような。。すると3つ目の360°でC葉さんをパス!
ストレートでは一瞬スロットル100%に。ゲートをくぐり最終シケインの右、左をクリアすればゴール。しかしここでだいぶ大回りになってしまいます。
最後の最後の左ターンで膨らんだその隙にC葉さんが綺麗にイン側を回り抜かれてしまいます・・
スロットル全開で捨て身で機体をゴールへ押し込むも、あと数メートル足りず・・無念。(24.602)
負けましたが最後にベストラップが出せたのは良かったです。まだまだ遅いですけどね。ちなみにプロクラスのトップタイムは16秒台でした。。異次元です。
前日の調子では予選通過できれば良いくらいだったのが。予選1回目で一旦リセットして、その後は前向きに落ち着いて飛ぶことができたのが良かったかもしれません。本当にメンタルスポーツです。
次戦は群雄割拠のエキスパートクラスなのでここからは簡単にはいきませんが、また少しずつ頑張ろうと思います!