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2016年01月31日 イイね!

フォードKaにかけるインポーターの意気込み

フォードKaにかけるインポーターの意気込み今から20年前の1996年9月のこと。ヨーロッパ・フォードはKaというクルマをパリサロンの場で発表しました。

2ドアハッチバックと割り切り、まるでデザインスケッチからそのまま市販してしまったかのようなデザインはとても斬新なもの。

当時のインポーターでもあったフォード・ジャパン・リミテッドはKaを日本へ輸入することを決断。しかし、当初はMTしかラインナップになかったため、CVTの開発を終えてから日本へ導入することを検討していたそうです。

日本販売開始は1999年1月のこと。本国発表から2年余り遅れることになったわけですが、その間に日本向けに開発をしていたとか。

この2年余りの開発期間の正確な情報がなかなか伝わってきませんが、当時の雑誌を見てみると、実際にCVT仕様のKaを日本へ持ち込んで徹底的に走ってデータ収集に務めてしていたそうです。しかし、結果的にはCVT導入を見送り、MTのみの導入を決断したとか。

これはイギリス仕様のKaのカタログ。

日本導入当初にディーラーでいただいたもの。

そのイギリス仕様のKaカタログに差し込まれていたものがこれ↓

日本仕様装備諸元を記載した一枚もののリーフレット。

イギリス仕様とは異なる日本仕様専用装備として次のことが挙げられています。

  1.専用フロントバンパー
  2.専用エアコンディショニングシステム
  3.電動リモコン式ドアミラー(ヒーティッド機構付)
  4.フィックスド リアウィンドー
  5.ハイマウントストップランプ
  6.フロントシートベルトプリテンショナー
  7.フロントシートベルトロードリミッター
  8.マイクロンエアフィルター
  9.AM/FMカセット+2スピーカー(CDチェンジャーコントロール機構付)
 10.専用アンテナ
 11.ドアポケット内蔵カップホルダー(2サイズ対応)
 12.バニティミラー(運転席)
 13.シガーライター
 14.リモートテールゲートリリース
 15.カーゴルームランプ
 16.カーゴルームトリム


こうして見ると、日本向けの細かな仕様変更は結構あるようです。その中でもイギリス仕様との最大の違いはこれ↓でしょう。

奥のレッドが日本仕様で、手前のグリーンがイギリス仕様。一見すると見分けがつきにくいですが、よく目を凝らせばバンパーの形状が異なることに気付きます。

高温多湿の日本の気候に合わせ、強力なエアコンの開発とそれに伴うラジエターの大型化を図ったそうです。それらによるクロスメンバー強化の必要性。また、万全な熱対策によるエア・インレットの大型化などで結果的にはイギリス仕様比で約8kg増になったとか。

こうした電装系の日本仕様への大幅な変更によって、収まりきらなくなったそれら部品を収めるために、上記1で掲げたように、フロントバンパーが専用品のものへと付け替えざるを得なかったようです。全長が40mm延ばされました。

これだけの対策を施しながら150万円のプライスはかなりのバーゲンだったのでしょうね。戦略的で絶妙な価格と言えるでしょう。開発費にどれだけ掛けたのかわかりませんが、フォードサイドが日本市場のためにこれだけにも及ぶ改良を加えたということから強い意気込みを感じます。

ところで、ヨーロッパにはこんなKaが存在していました。


ストリートKa。

ピニンファリーナとの共作で生まれたオープンモデル。遊びゴコロを感じさせる面白いモデルで素直にカッコいいと感じます。日本でも発売されていたら良かったのにと思います。

さて、これはKaの特別仕様車「GT-Spirit」のリーフレット。

リアルーフスポイラーやスポーツサスペンション、カラードバンパー、レザーステアリングなどを装備して19万円高に抑えた169万円。「コノリー社製本革張りシート」なるものはさらに19万円のオプション。当時オプションで選んだオーナーがいたのでしょうかね。

このリーフレットによると、「GT-Spirit」は中部地区限定特別仕様車で限定50台とのことです。推測ですが、日本の各地域で限定で販売されていたのかもしれません。

Kaは戦略的価格で日本向けに特別な対策を施してまで導入したモデルでした。当時のインポーターの意気込みは十分伝わるのですが、残念ながら終始MTのみのラインナップということが祟って、販売増には繋がらなかったようです。結果的にはわずか2年で日本市場からは撤退を余儀なくされました。

日本市場の特殊性を理解していながら、当時のインポーターの判断が正しかったのか今となってはわかりません。些細なことかもしれませんが、こうしたことが日本市場からの撤退の一因だったと言えるのかもしれませんね。

※海外のTVCMと、三本和彦氏の「新車情報」を見つけたのでどうぞご覧ください。


Posted at 2016/01/31 21:12:43 | コメント(4) | トラックバック(0) | フォード車 | 日記

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「@ロボ部長 さん、2桁ナンバーというのは凄いですね!しかもオリジナルを保っているなんて。もう感動モノです。」
何シテル?   04/11 20:50
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