Mercedes-Benz A45 AMG 4MATIC用の【SA浜松 SPORTS ECU】の開発テストを行いました。 こちらのA45 AMGは当店の店長所有の2014年モデルです。
最強で最良のAクラスとしてラインナップされておりますA45 AMGに搭載されているエンジンは【2.0L 直列4気筒直噴ツインスクロールターボ】が搭載される等、大変魅力的なパッケージになっています。
メインECUデータ書換え前には、これまで装着されていました【サブコン】と【純正ECU仕様】でのパワー計測・データロガーチェックを行いました。
サブコン仕様をデータロガーで確認してみると、ダイヤル設定により高過給圧仕様となるものの、上げられた過給圧に対して【点火時期】が適正値にならない事から、エンジントルクが上がるエンジン回転域では、点火時期が6°〜7°リタード【遅角】*右上写真矢印部 され、パワー計測1回目には出力が向上しましたが、2回目には純正出力値同等になってしまいました。
安定感という部分では、サブコンは抑えめのダイヤル値での設定が良いのかもしれません。
☆Mercedes-Benz A45 AMG 4MATIC【純正ECU 出力データ】
純正ECU状態でのシャシダイ計測値は、出力【311PS】トルク【44.2kgm】と、出力に関してはカタログ値の【360PS】に届かない状態でした。
純正でのパワー測定・データロガー取りを終えた後に、SA浜松 SPORTS ECU開発テストに入りました。
車両に【空燃比計・ノックアンプ】データロガーの接続をした上で、A45 ECUデータMAPの変更 → 検証テストを1つ1つ行いました。
2,500rpm〜3,000rpmと低回転域においてもECU書換え効果を体感頂けるよう、過給圧の立ち上がり・レスポンスUPに対するアプローチを行うと同時に、変更された過給圧値に適した【空燃比】【点火時期】になるようデータ書換えを繰り返し行います。
各項目毎に幾つかのリミットが介入する事から単純に目標値を変更しただけではMAP変化が起きませんが、これまで経験して来た事が外車用のECUでも大きく役立ち時間は掛かりましたが、1つ1つクリアして進める事ができました。
目標要求トルクに対するリニアな出力特性への仕上げは 、MAPを3D化した上で1面1面を仕上げて行きました。目標となる、過給圧特性・空燃比をクリアした後には、改めて点火時期セッティングを行いました。 サブコン時もそうでしたが、メインECU制御でも車両に適した点火時期にならなければ安定したエンジン出力値になりません。
高出力化を狙う上でも効果のある点火時期ですが、SA浜松では安定感と高出力化を両立できるポイントを繰り返しテストし、ベースデータ開発を行っています。
☆Mercedes-Benz A45 AMG 4MATIC【SPORTS ECU 出力データ】
ECUデータ書換え後には出力【360PS】トルク【54.4kgm】仕様になりました。
エンジン出力値は3,000rpm付近でも【+50PS〜】になり、トルク値は【+10kgm〜】と広範囲に渡りECUデータ変更による効果を出す事ができました。
またTOTAL的にECUデータを変更した事により、パワー測定を数回行っても安定感のある数値を出せるように仕上がりました。

仕上げは実走での走行チェックでも3,000rpm付近のトルク感は非常に力強くノーマルでは体感する事ができなかったエンジンフィールを体感できました。
4MATICだけにトラクション性能も高く、安心して高出力化されたA45 AMGを楽しめるのも良いです。
トルクMAPの書換えにより普段乗りのレスポンスも向上しA45 AMGでのドライビングを楽しんで頂けます。Mercedes-Benz A45 AMG 4MATIC【SA浜松 SPORTS ECU】 開発テスト完了致しました。
Posted at 2020/01/30 19:41:30 |
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