先日のカノカレカップ2nd in ハーバーサーキットでは、
Koooheiくん と併走させていただきました。その際、2コーナーへのアプローチにて、Koooheiくんのケツにコツコツあたるんです。(注:当てる気はないのよw)カートを降りてから、Koooheiくんに理由を尋ねます。彼の事だから、理由のないことはしないはず。
Gina:「2コーナーのアプローチ、どうしてるの?」
Koooheiくん:「あぁ、あそこは「V字」で小さく廻っているんですよ〜。」
Gina:「へぇ〜・・・(半信半疑)」
何となく腑に落ちなかったので・・・帰ってきて考察! ( ノ゚Д゚)ヨシッ!
Koooheiくんのラインを後ろから観察していると、下図のようなライン(Koooheiライン:青)と思います。ボクも同じようなラインをとっているつもりですが・・・B地点で併走しているときの角度差から考えると、実際はこのようなライン(Ginaライン:赤)になっているのでしょう。
ラインの違い posted by
(C)ginapoolholic
ワンスマ澤選手が書かれている文章の中には「ボトムスピード」という言葉が散見されます。車速を二次曲線で描いたときに、最も車速が低い値をとることを指していると思われます。
それに注目すると、A→B地点でのボトムスピードは、Gina > Koooheiくんと考えられます。だから、Koooheiくんのケツに、コツコツあたるわけですよね。(^^;) では、ボクの「ボトムスピード」はどうなのか? 下図は、上記ラインから自分が「想像して」書いてみたデータロガー風の図です。
縦軸:車速 / 横軸:通過地点 posted by
(C)ginapoolholic
(Kooohei速度:青 Gina速度:赤)
KoooheiくんはA→B地点にてV字にターンする必要があるので、U字にターンしているGinaよりも車速を落とす必要があります。そのため、減速開始もGinaより早いと思われます。KoooheiくんはA地点をちょっと過ぎた時点でクルマの方向をクルッと変え、この時点でボトムスピードになっていると考えられます。
GinaはB地点に近いところまでブレーキングを遅らせる事が可能で、クリッピングポイントまでの到達は早いと考えられます。しかし、旋回とブレーキを同時に行っているため、直線的にブレーキングを行っているKoooheiくんよりタイヤグリップがロストしている状態で、車速が落ちるのがKoooheiくんより緩やかと考えられます。KoooheiくんがGinaを後ろから見ていて「ダラッ〜と流れている」と言われましたが、おそらくこの状態の事でしょう。
かつ、Ginaの走り方だとクリッピングポイントにクルマを合わせるのが難しいので、合わせられないときにはスロットルがパーシャルの状態(グラフの①)が存在してしまいます。
次は、B→C地点での挙動です。Koooheiくんは旋回が終了しているので、クルマが安定したまま加速体勢を継続しています。それに対してGinaは旋回が残っているのでクルマの挙動が安定しておらず、②〜②’の加速になってしまうと考えられます。
そしてGinaがD地点を迎えた時点では、左タイヤに荷重が残存しているため、Koooheiくんより左へのステア補正量が多くなってしまいます。それではKoooheiくんに比べ、加速力が若干落ちてしまう!(;゜)
これが0.3秒負けたカラクリなのかな?・・・と思います。(^^;)
ボトムスピード自体がKoooheiくんより多少高くても、ボトムスピード近辺にいる時間が長い。かつ、その後の脱出速度と安定性を考えた場合には「V字にターンして直線的に第2〜3コーナーを抜けた方がトータルとして速い」という結論です。
更に調べると「
レーシングカートテクニック 」にも、同様のことが書いてあったので引用を。
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「
レーシングカートテクニック Vol.1 」P44~45より
カートに加わる遠心力がグリップ力の限界を超えると、タイヤは滑ってしまいます。そこで、高いスピードを保ちつつ遠心力を最小にできる「もっとも曲がり方のゆるい、コーナーの最大半径の円弧を描くライン」が基本になります。
ただし、これは単独のコーナーに限った話。実際のサーキットには複数のコーナーとストレートがあり、カートは加速、減速、加速・・・を繰り返します。そこではひとつのコーナーの通過タイム以上に、ストレートのスピードを上げること、つまり「コーナーでの脱出速度を上げること」が、タイム短縮にとって重要なのです。
最大半径の円弧でコーナリングすると、カートはそのコーナーの限界速度で走れます。このときタイヤのグリップ力のすべては、遠心力と戦ってカートをコース上に留めることに使われています。つまりこれは、コーナリングが終わるまで加速に移れないことを意味しているのです。
ライン取りの違い posted by
(C)ginapoolholic
では、もっと早く加速に移るためにはどうすればいいでしょうか。それは、クリッピングポイントを奥に取ればいいのです。当然、コーナー自体ももっとも速く走るライン(コーナー最大半径のアウト・イン・アウト)とは異なります。
図のように(↑)、コーナー前半を最大半径より小さい円弧にして、クリッピングポイントの手前からコーナリング半径を徐々に大きくするのです。この方法だと、コーナー前半はキツいラインを通るので遅くなりますが、その先は円弧がゆるく加速のタイミングが早くなり、より高い速度でストレートに移れるのです。
クリッピングポイントをどれだけ奥に取るかは、エンジンの性能で決まってきます。加速力に優れたエンジンであれば奥へ、あまり加速に余力のないエンジンならコーナーの頂点に取ると良いでしょう。
コーナーが連続するS字区間や、コーナーが接近していて個々のコーナーで理想のラインを取れない区間では、最後のコーナーをもっとも高速で脱出することを優先しましょう。そのためには、手前のコーナーを多少犠牲にしてもやむをえません。
手前の各コーナーのライン取りは「コース幅をいっぱいに使うこと」と「次のコーナーへ最良のアプローチができるポジション」との兼ね合い(妥協)で決まってきます。
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まさに・・・上に書いてあるじゃないか!w (^^;) この本は、余計なことが書いておらず、エッセンスが詰まっている感じでオススメです。Vol.2より、Vol.1の方が、こういったテクニックの話が集約されており、非常に参考になりました。
ちなみに、下の動画は、昨年10月のワンスマ澤選手の車載映像。0:43の時点が、今回の第2コーナーです。
VIDEO
外からの映像。
VIDEO
いやー、モータースポーツって本当に難しいですね〜!
たかが250mのインドアカートなのに、これだけの事を考えさせられるとは・・・。(^^;)
今回の事も知識としては頭の中には入っていたのに、実戦でまざまざ見せつけられたのは初めての経験だったかも・・・(゚Д゚;)
Koooheiくんから、勉強させていただきました♪
次回ハーバーに行ったときには、このラインを試してみよう! ヽ(´▽`)/
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日々徒然 | 日記
Posted at
2010/03/11 10:22:13