もしTPPが締結されたら…我々の生活はどうなる?
カナダ、メキシコ、台湾も加わり、12カ国で検討中
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉は,2010年3月にP4協定(環太平洋戦略的経済連携協定)加盟の4ヵ国(シンガポール,ニュージーランド,チリ及びブルネイ)に加えて,米国,豪州,ペルー,ベトナムの8ヵ国で交渉を開始され,現在はマレーシアを加えた9ヵ国で,アジア太平洋地域における高い水準の自由化を目標に,非関税分野や新しい分野を含む包括的協定として交渉が行われています。

写真はアメリカの大規模農場。日本の農産品の平均関税率は約21%。関税全体を単純計算すると、その平均は約4.9%。この値は、他の先進国と比べてもほとんど差はないそうです。
2011年11月のAPEC首脳会議で、野田首相が交渉参加に向けて協議に入ることを表明した「TPP(環太平洋経済連携協定)」。これは、アジア太平洋における自由貿易圏の構築を目指し、貿易における関税を原則的に完全撤廃しようという協定です。
TPP参加をめぐっては、賛成派と反対派が大激論。安価な農産品の輸入で大打撃を受けるとみられるJAをはじめ、一定の規制によって競争力を維持している業界は、日本政府がTPP参加交渉の席につくことさえ猛反発しています。
ただ、消費者の目線で考えると、空前の円高で輸入品がより安く買えるようになるのは家計に優しいのでは? なんて思うのですが...。通関士資格、貿易実務講座など、スクール運営事業を展開する経済評論家の片山立志さんにお話を聞いてみました。
「まず、いまどんなモノに高い関税がかけられているかを見てみましょう。高い関税では、
コンニャク芋(1706%)やコメ(778%)が有名ですが、ほかにもバター(360%)、粗糖(328%)、小麦(252%)、生糸(245%)、脱脂粉乳(218%)、革製品(30%)などがあります。一方、野菜や果物の関税は、そのほとんどが3~5%程度なんですよ」
ニュースでは、「農業・畜産業」とひとくくりにされがちですが、農家によっては関税に手厚く守られているわけじゃないってことですね。農産品以外では、TPPはどんな商品やサービスに影響を及ぼすと予想されますか?
「ファミリー・レストランやファストフードなどの外食産業や食品加工業も、低価格競争に悩まされるでしょう。
コストダウンのために、安価な輸入品を原材料として使用することが多くなりそうです。もしかしたら、昔のようにお菓子やパンが50円程度で買えるようになるかもしれません」
農林水産省は、お米や肉などは一部のブランドを除き、価格の二極化が進むだろうと予測。農業生産額は8兆5000億円から4兆4000億円に、
食料自給率はカロリーベースで40%から14%に低下するという試算もあります。つまり、私たちが口にする食料は、さらに輸入品に依存してしまうってことですよね?
先のAPECでは、カナダ、メキシコ、フィリピン、パプアニューギニアが交渉参加を表明。加盟が決まれば、世界のGDPの4割を占める巨大な経済圏が誕生する。
「そうですね。特に、
コメはほぼアメリカの独占市場になると考えられています。米韓FTA締結の際、コメの関税撤廃は例外になりました。これに怒りの声を上げたのが、米作の盛んな州の議員たち。特にアーカンソー州の議員は、今後の米国における通商交渉ではコメを除外しないようにとカーク米国通商代表に求め、代表もそれに応じたといいます。このような背景から、アメリカは関税の完全撤退を目指してくるでしょう」
ただ、APECでTPP参加交渉を参加表明した4カ国のうち、カナダは日本と同じように一部農業分野の保護、つまり関税を残すよう求めていますよね?
「
TPPは、基本的に2015年にはすべての関税を撤退するという協定です。カナダも日本も、そこをくつがえすには、かなりの議論が要されると思いますよ。また、輸出の面でも、米韓FTAの影響はあります。アメリカの関税は乗用車が2.5%、トラックが25%ですが、米韓FTAでは将来的にこれらがゼロになります。ということは、アメリカに輸出する際、韓国製の車と日本製の自動車で大きく価格に差がついてしまうわけです」
日本は輸出国なので、そこに大きな関税がかかってくると、国際競争力を保つのが難しくなりますよね。
「そもそも、いまTPPに参加が確定している9カ国のうち、日本が輸出で利益を上げている国はアメリカです。しかし、アメリカは未曽有の不況ですから、
貿易において日本の上得意先は実質いないも同然。いずれにせよ、輸出に力を入れることになれば、いまより低価格のものを提供する必要が出てくるでしょう。つまり、
農業・畜産業のみならず、国内産業全体が低価格競争のあおりを受けることになります。最悪、低価格競争が続けば、これまで以上の給与カットやリストラが多発し、デフレに拍車がかかっていくでしょう」
1990年代以降の日本のデフレは、日本経済をより悪化させている最大の原因。モノの値段が下がっても、給料が下がったら元も子もありません!
TPP締結は是か非か。参加する・しないの二極論ではなく、その結論によって国民の生活がよりよい方向に向くよう、日本政府はしっかりとした対策を練ってほしいものですね。
でも、役人さん達は喜んで締結に向けて邁進してまっせ(笑)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/tpp/#tpp-01
こんな円高で輸出できない状況に甘んじてる国が、輸入増大かつ貿易収支大幅赤字が見込まれる上に、
国内食料自給が壊滅的な被害を受けるのが確実な協定結んでどうしようっていうんだろ?
目先の少しばかりの輸出増加よりも、百年先の国づくりを考えて欲しいよなぁ~
田んぼも無くなって、荒れた農地が広がって、食料を輸入に頼っても、輸出が増えれば別に良いなんて思ってる日本人って居るのかなぁ???
ご無体な増税といい、あまりの馬鹿さ加減に
日々努力してると、より徒労感が・・・

Posted at 2012/02/02 10:25:53 | |
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