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ジェームス安城店のブログ一覧

2012年03月20日 イイね!

VW POLO 左流れの原因は?

左流れの記事を見て、お問い合わせを頂きました。左流れが発生してディーラーで見てもらっているが改善されないとのことです。

車両は2012年2月登録の新車でVW(フォルクスワーゲン)POLO(ポロ)DBA-6RCBZです。 走行距離は1,457km 色々な所で左流れで炎上している噂(?)の車両です。



早速試乗してみます。。。。。

あまり酷くは無いですが、確かに左に流れます。流れ量ですが、平坦な道路で40km/h時に電柱3本分で1車線程度左に流れますので大体100mで3~4mです。通常道路には水はけを良くするためにかまぼこ型になっており路面カント(水勾配)が1~2%ほど付いています。路面カントが付いている道路で100mで4~5mほど流れます。1車線道路の真ん中、右端と走りましたがやはり左に流れます。

とりあえずB-DYNAアライメントテスターでアライメントを測定します。

 

空車状態の測定結果です。アライメントの数値ですが、それほど悪くないです。赤丸の左右差も悪くないです。10分程度の左右差ならばほとんど影響は無いです。スラストアングルが1分付いていますので理論上は直進しませんが1分なのでほとんど影響は無いと考えられます。



ハンドルセンターは少し右にずれていました。ハンドルを真っ直ぐにすると左に流れますね。スピードメーターは240km/hまで有ります。



走行状態に近づけるためにウエイトを60kg載せて測定します。キャンバーとトーが少し動きました。キャンバーは右流れ方向に、トーはアウト方向に動きました。この車両のバンプステアはバンプアウトですね。



ハンドルセンターを固定してトーを測定しました。右前輪がトーインで左前輪がトーアウトです。このままですと左に向かって走行します。



スラストアングルが出ていたのでトーションビームの取付部分で微調整しましたが殆ど動きませんでした。



バンプステアを考慮してフロントトーを若干インに調整して終了です。スラストアングルも0になりました。

 

再度試乗してみます。。。。。。

ハンドルセンターは直りましたが、左流れは全く変化有りません。
アライメントは問題ないので、次はタイヤのユニフォミティを測定します。
GSP9700にセットして測定します。



測定結果ですが、黄色の丸印が横方向の力を表すラテラルフォースバリエーション(LFV)です。下の囲みは表記のタイヤ番号を組み合わせた時に発生するLFVです。数値的には問題ありません。赤丸のラジアルフォースバリエーション(RFV)は左前だけ110Nといまいちです。RFVは主に振動に関連します。ユニフォミティ的には左流れの数値は有りません。

実はLFVは2つの力に分けられます。LFV=プライステア(PRCF)+コニシティ(CRCF)となります。ハンター製ユニフォミティテスターGSP9700ではLFVの内(多分)コニシティしか測定出来ません。測定ロジックを見てみると、測定時は正回転と逆回転を測定しているのですが、測定数値を合算している感じがします。プライステアは(インアウトを変えずに)逆回転した場合、反対方向の力が働きますので合算すると±0になります。LFV詳細はこちらを参照ください。



左前のユニフォミティが悪いので、ひょっとしてプライステアも悪いかもしれないと微かな期待をしてクロスローテーションを実施します。(1番のタイヤのみが左流れだとすれば、右後ろに持っていく事によりトーインによる右流れ効果を期待)



試乗してみます。。。。。。。。

残念ながら全く変化無しでした。。。。。

アライメントもコニシティも正常、新車なのでその他の部分の異常も考えにくいので、左流れの原因はプライステアだと思われます。但しあまり酷くないので通常の右側通行用のタイヤと考えられないことも無いですが。。。。
日本向け(左側通行用)のタイヤに交換すれば恐らく直るとは思いますが、新車なのでディーラーさんと交渉するとの事でした。 (タイヤを交換して直るかどうか非常に興味が有りましたが残念です。)

装着タイヤはコンチネンタル プレミアムコンタクト2(CPC2) 185/60R15 84T 2011年45週製造 南アフリカ製でした。何故かコンチタイヤは左流れが多い気がします。左側通行用を作っていないかもしれませんね。

 

LFVが悪いと思われる車両に何度か乗った事が有りますが、酷いと10~30mの走行で5mほど横流れする場合もあり、非常に危険です。今回の車両は少しハンドルにテンションを掛けていないと直進しない程度なので、判断は難しいですが、感覚としては路面カントを倍位にした道路を走行しているような感覚でした。たまたまタイヤ4本ともにプライステアの公差が大きかったのかもしれませんね。

オーナー様には、少し遠方よりご来店いただいたのですが改善出来ず申し訳ありませんでした。(後学の為に直ったら理由を教えて頂けるとありがたいです)

2012/10/29 
問合せが多いので追記
LFVについては下記参照ください。
https://minkara.carview.co.jp/userid/606715/blog/26000303/
2012年03月16日 イイね!

アウディA6高速シミー

高速走行中(100km/h~120km/h)のハンドルフレでお悩みのオーナー様からユニフォミティを見て欲しいとのご依頼がありました。

車両はアウディA6アバント3.2FSIクワトロです。通販でタイヤホイールセットを購入して装着後、ハンドルのブレ(高速シミー)が出て、何度かホイールバランスを取り直したが治らずバーデンのブログを見てご来店されました。毎度お馴染みの高速シミーですが、果たして治るのでしょうか?



オーナー様と一緒に試乗してみます。確かにシミーが発生していますが、なんとなくユニフォミティ不良のような感じではなく、すごく細かい振動がある速度域でのみ発生します。タイヤはハンコックVENTUSV4ES 245/35R19 です。



アジアンタイヤは品質のばらつきが大きい事が多いので怪しいと思いつつユニフォミティテスターバランサーGSP9700にセットして測定します。



4本ともに測定した結果ですが、意外にユニフォミティ、重量バランス共に良好でした。左リアのみRFVが125Nといまいちですが、リアなのでステアリングが振れるほどでは無いように思います。



とりあえず一旦タイヤを外します。



ホイールのみで、ビードシート部のラテラルランナウト(RRO)を測定して、ユニフォミティマッチングでタイヤを組み付けます。



4本ともにホイール、タイヤ共に良好でした。左リアも組込み(嵌合)不良のようで、RFVは70Nと大幅に低減しました。



ユニフォミティマッチング後の数値です。特に問題なく良好です。数値的には振動の原因は見当たりません。



車両に取り付けようとしてハブリングを装着して初めて原因が判明しました。
ハブリングがぐらぐらです。1mm程度動いてしまいます。



ハブリングを外した状態ですが、ハブ側が少し凹んでいるのが分かるでしょうか?



横から見るとよく分かります。最近のアウディはハブが少し特殊な形状をしています。多分固着防止の為だと思われますが、ハブの車両側の直径が少し小さくなっています。
これでは厚みの薄いハブリングの場合(今回は約5mm)は遊んでしまって芯が出ません。国産車のように、スタッドボルトにナット締めの場合は、ナットのテーパーで芯が出やすいですが、輸入車に多いボルト締めの場合は、ハブセントリック(ハブにぴったり)でないとかなりの確率でブレます。
今回のアウディの場合は厚みが10mm程度のハブリングが必要です。出来れば精度の良い金属製の物がベストです。



国産用のハブリングはほとんど在庫しているのですが、輸入車用は有りませんので人力で芯出しをします。
タイヤにテープを貼り、ダイヤルゲージでタイヤのラテラル(縦方向)ランナウト(RRO)を測定します。最大1mm程度振れています。これではブレブレになります。
根気よくボルトを少し緩めては締めて微調整していきます。結構な職人の技が必要になります。



少し空転させて振れを確認します。何とかギリギリ許容範囲まで追い込みました。(約0.1mm~0.2mm)



規定トルクを掛けて終了です。



早速試乗してみます。。。。

試乗した限りではシミーは出ません。振動の原因は、やはり取付時の偏芯による振動だったようです。
タイヤホイールが重量バランス、ユニフォミティ共に良好でも、車両に取り付ける時にズレてしまうと振動の原因となります。偏芯取付については、わずか0.3mmのズレでなんと車軸加振力15kgに相当します。(バランスウエイト(錘)換算で約30g程度と言われています)

ハブリングについては、入れるべきかどうか良く質問を頂くのですが、輸入車のようなボルト止めタイプは必須です。ない場合はかなりの確率で微振動が発生します。国産車のようなナット止めタイプは、正確な手順で装着するとほとんど問題は出ませんが、ハブリングを入れておいたほうがより安心だと思います。

ハブリングについての注意事項ですが、ハブリングが固着して外れなくなる事が良くあります。固着防止に銅グリス等を塗布しておくと固着防止になります。
パンクや純正戻し等で、純正ハブ径のホイールに付け替える場合は必ずハブリングを外して下さい。忘れるとタイヤが外れる等の重大事故に繋がります。

今回実施した、ダイヤルゲージ等を用いた車両への取付(無負荷状態のランナウト)ですが、前提としてユニフォミティ(RFV)が良好な場合のみ有効です。
いくら無負荷状態のランナウトが良好でもRFVが悪いと振動が発生してしまいますので、誤解無きようお願いいたします。おまけにタイヤホイールを脱着するとまた狂ってしまいますので。。。。

今回は何とか直すことができて良かったです。
オーナー様ご利用ありがとうございました。(早めにハブリングを導入して下さいね)

2012年03月10日 イイね!

ベントレーコンチネンタルGT

輸入車ディーラー様からユニフォミティマッチングの依頼がありました。80km付近で振動があるのでユニフォミティを確認してほしいとのことです。遠方の上新車なので、今回はタイヤホイールを送付いただいて対応することにしました。

車両ですが新車のベントレーコンチネンタルGTとのことです。
6L W12エンジン ツインターボ 4WD 最高出力 575PS トルク 71.4kgm 最高速度 318km/h 0-100km/h 4.6秒 車両重量 2,320kg 車両価格 2,400万円オーバーのモンスターマシンです。

恥ずかしながらW12型エンジン知りませんでした。VWの3LV6を合体したエンジンなんですね。



ホイールは、オプションの21インチです。おいくら位するのでしょうか?3ケタ万円?



裏を見るとBBS製の2Pでした。2Pはどうしても組立精度が出にくいのですが。。。



タイヤはピレリ P-ZERO 275/35ZR21 ベントレー認証タイヤです。



早速ユニフォミティテスターバランサーGSP9700フランジプレートを使用して装着します。



フロント右から測定しましたが、RFVが245Nととんでもない数値です。残り3本も55N、230N、140Nと通常ではありえない数値でした。これでは振動が発生してしまいます。



とりあえず原因を探るべくレバーレスタイヤチェンジャーSICE S300にてタイヤを外します。TPMS(空気圧センサー)付なので慎重に外します。



ホイール単体でGSP9700にセットしてラテラル、ラジアルランナウト(RRO)を測定します。



測定後、再びタイヤを組み込んで、位相組換えをします。



位相組換え後再びGSP9700にセットしてユニフォミティを測定します。
結果、タイヤの交換をお勧めされてしまいました。特にTIRが210Nとありえない数値です。TIRとは、ブレの最小と最大の差(ピークトゥピーク)です。210Nとは1.3mm程の縦ブレとなります。通常は80N以下が望ましいです。



ホイール精度は0.3mm程度と、2Pとしては普通です。



リアに装着されていたタイヤはもっと酷く、2次RFVが115N、TIRも220Nでした。2次RFVとは、1回転中に2回の振動成分が有るという事です。簡単に言うとタイヤが卵のような形(楕円形)になっている状態です。



ホイールは正常ですが、タイヤがダメダメです。



リアのもう1本も2次RFVが悪いです。



頑張ってユニフォミティマッチングしましたが数値的に振動は無くならないと思います。 RFVは、国産車で80N以下、輸入車で40N以下が望ましいです。



全体の数値です。タイヤ単体のRFVが悪すぎます。

 

あまりにタイヤのユニフォミティが悪いので、ディーラーの担当者様に事情を説明しましたが、メーカーは、現車装着して確認しないとタイヤは交換出来ないようです。
とりあえず、できる限りRFVを最小化して組み付けてディーラー様に発送しました。
到着してすぐにディーラー様で装着して試運転したそうですが、やはり以前よりは改善されたが微振動が残るとの結果でした。今後メーカーと話し合うとのことでした。

ピレリPゼロ(ベントレー認証)と純正(BBS)ホイールの組み合わせなので、製品不良とは考えにくいです。ですので、今回のユニフォミティ不良ですが、タイヤにフラットスポットが出来ていることが原因と推察されます。

最近、輸入車で特にロープロタイヤを装着した新車で、ハンドルブレや微振動が発生する事例が結構ありまして、ほとんどがフラットスポットが原因のようです。

通常フラットスポットと言うとブレーキロックやスピンを思い浮かべますが、長期間駐車によるフラットスポットも良く発生します。あくまで経験上ですが、3か月以上長期駐車すると回復不可能な変形が発生します。長期間駐車する場合は、タイヤ空気圧をかなり高めに入れてたまにタイヤ接地面を移動させると変形しにくいです。

新車のフラットスポットは少し事情が違い、新品タイヤは走行により熱が入って初めて完成されます。200km~1,000km走行することにより内部構造が少し成長して、ゴムも熱により2次加硫されて初めて本来の設計性能が発揮されます。

新車の輸入車の場合、船便で1か月以上掛けて輸入されます。個々の駐車位置により、甲板の温度も違うと思います。甲板の温度が高い場合ですと、接地している部分のみ加硫が促進されて平らに固まってしまう事が考えられます。(対策としてタイヤの空気圧を高めにしていると聞きました)

慣らしが終了しているタイヤは、多少の長期駐車ではフラットスポットは出来にくいですし、出来たとしても走行することにより改善されますが、慣らしが終わっていないタイヤに部分的に加硫が促進されると回復不可能な変形になります。

今回のベントレーも輸送中に出来たフラットスポットが振動の原因ではないかと思います。車重も2.4トンもあり、しかも21インチと言う悪条件ですので。。。

ロープロタイヤにお乗りの方は、タイヤ交換したら適切な慣らし運転(60km/h以下で最低200km以上)を実施してください。慣らし終了後タイヤの成長により空気圧が低下しますので、空気圧点検も忘れずに実施お願いします。
2012年03月05日 イイね!

車両の左流れの原因は?(再び)

昨年書いた 車両の左流れの原因は? ですが、いまだに全国からお問い合わせを頂きますしPVも多いです。
特にVW、アウディ等の輸入車やアジアンタイヤや逆輸入タイヤを使用しているオーナー様が真直ぐに走らずに非常に困っていらっしゃるようです(VW 左流れ で検索すると炎上してたりします)。
記事を読み返してみると今一つ分かりにくい部分も有りますので再度なるべく分かりやすい(?)ようにユニフォミティに絞って解説したいと思います。 

アライメントやサスペンション等車両側は全て正常で、路面は平坦なのに走行すると左(右)に流れる症状の原因はタイヤのユニフォミティの一つであるラテラルフォースバリエーション(LFV)不良です。

(1)ユニフォミティとは、均一性を指します。タイヤのユニフォミティとは広義には次の3つの事を指します。

①重量の均一性
 重量的なアンバランスを指します。タイヤはゴムと金属等を張り合わせた物なので重い所と軽い所が出来てしまいます。タイヤ交換時にホイールバランサーで測定してバランスウエイト(錘)を装着する事でアンバランスを修正します。

②寸法の均一性
 無負荷状態のタイヤの真円度を指します。昔は2分割の金型で鯛焼のように製造していましたが、現在は8分割以上の金型を使用する場合が多く見た目上の真円度はかなり良くなりました。大昔はでこぼこを削って真円に近づけていました。

③剛性の均一性
 タイヤは金属やゴム等を張り合わせて出来ているので、場所により剛性のアンバランスが出来ます。簡単に言うと硬い部分と柔らかい部分が出来てしまいます。この剛性のアンバランスを狭義のユニフォミティと言います。バーデンでも剛性のアンバランスの事をユニフォミティと表現しています。

(2)剛性の均一性(以下ユニフォミティ)には、主に3つの力の変動力(フォースバリエーション(FV))が有ります。 測定方法はリム組したタイヤに一定の荷重を掛けて回転ドラムに押し当ててタイヤに発生する変動力を測定します。 詳しくはこちら(PDFです)

①ラジアルフォースバリエーション(RFV)
 タイヤの径方向の変動力 (主に振動の原因となります)

②ラテラルフォースバリエーション(LFV)
 タイヤの幅方向の変動力 (主に車体が左(右)に流れます)
 
③トラクティブフォースバリエーション(TFV)
 タイヤの接線方向の変動力(主にRFVと関係して振動の原因となります)

(3)ラテラルフォースバリエーション(LFV)は、主に次の2つの力(残留コーナーリングフォース(RCF))に分けられます。

①プライステア(プライステア残留コーナーリングフォース(PRCF))
 主にタイヤの骨格であるスチールベルトの向きや角度、トレッドパターンで発生します。特徴はタイヤを前後左右裏表に入れ替えても同一方向に流れます。 (回転方向により反転

②コニシティ(コニシティ残留コーナーリングフォース(CRCF))
 主にサイドウォールの剛性のアンバランスやベルトの位置ずれで発生します。特徴は左右をインアウト入れ替えずに付け替えると反対方向になります。 (回転方向に関わらず同一方向

プライステアとコニシティは力が作用する方向が逆の全くの別物ですので注意が必要です。これがごっちゃになると解決が難しくなります。

車両流れの場合すぐにアライメントに目が行きますが、アライメントも重要ですが、その前に車体に対してタイヤが正確に装着されているかが一番重要です。タイヤが正確に装着されていないと、アライメントはタイヤが回転する度に変化します。

プライステアを利用した右側通行用タイヤと左側通行用タイヤについてですが、ラジアルタイヤを作る上で構造上スチールベルトの向きを右上がりか左上がりかのどちらかしか選択肢が無く、どうせ流れるなら路面カント(傾斜)に合わせた方がましなのでそうなっていると個人的には考えています。現在では各メーカーはRCFはなるべく無くそうとしているようです。最近のブリヂストンの左右非対称サイドウォール等はコニシティを使用した物で理にかなっていると思います。(問題が多い某メーカーは、RCF低減の特許がらみで作りたくても作れないのが原因な気がします。。。)

ユニフォミティを念頭に置き、実際に車両が流れる場合の原因の推定方法ですが、平坦な道路を走行して流れ方を見ます。左に流れる場合、ステアリングは右に切った状態で直進するはずですが、手を離した場合でもほぼ問題なく直進する場合は、リアのトー(スラストアングル)かフロントのトーのセンターが出ていない場合が多いです。リアのトーが調整出来ない車両に多い症状です。(キャスター、キャンバーの左右差が10分以内程度でも同様な症状の場合が多いです) この場合はあまり問題が無い場合が多く、ハンドルセンターが気になる場合は右に切った状態でフロントのトーを調整します。
問題は、常に右に力を入れていないと直進しない場合です。この場合は、ユニフォミティ不良の可能性大です。キャスター、キャンバーの左右差を測定して、10分以内程度でしたら、フロントのタイヤをアウトインを変えずに左右入れ替えます。入れ替えて流れる方向が逆になればコニシティが原因です。流れる方向が変わらない場合はプライステアが原因と考えられます。次に片側ずつ前後に入れ替えて流れ方を見ます。入れ替えて流れ方が変化したタイヤが原因です。
特にプライステアが発生しているタイヤは偏摩耗します。左流れの場合は、常に右にステアリングを切るので、右前のタイヤはトーアウトに(内減り)左前のタイヤはトーイン(外減り)になり偏摩耗するので、タイヤの摩耗を見て判断することも可能です。
以上が大まかなトラブルシューティングとなりますが、プライステアが悪いタイヤを判断するのはかなり難しいです。バーデン自慢のGSP9700でもコニシティは測定出来ますが、プライステアは難しいようです。

有機物で出来た粘弾性体であるタイヤは、実際は想像以上にばらつきが大きいのが現実のようです。某タイヤメーカーに同一サイズの同一銘柄の重量の公差はどれぐらいですか?と質問した所、5%ですと回答されました。17インチタイヤで大体10kg程度ありますので、誤差は500g程度が許容範囲となります。いかにタイヤを均一に作る事が難しいかの事例だと思います。 ですので、同じ車両に同じタイヤでも症状が出たり出なかったりします。

車両と路面の唯一の接点であるタイヤは、非常に重要です。出来ましたら信頼性の高い物を正確に装着され、日常点検される事をお勧めします。タイヤは命を載せていますので。
(個人的な経験に基づいた考え方ですので、間違い等有りましたらご容赦ください。)



2012/3/20 回転方向について分かりにくいので変更

2012年01月23日 イイね!

プジョー308CC 高速道路でのステアリングの振れ3完結編!?

プジョー308CCを新車購入されたregias4様ですが、高速走行中のハンドルのブレ(高速シミー)に悩まされて、昨年の4月頃バーデンにてユニフォミティマッチングを実施した所、タイヤのビード切れが発覚しフロント2本のみタイヤを新品交換しました。

その後残りの2本もミシュランPS3に交換されてもいま一つシミーが収まらずに6月頃に再度ユニフォミティマッチングを行いました。結果改善はされたのですが完治には至りませんでした。最近点検の為にディーラーにてローテーションを行った所、振動がさらにひどくなったので再々度ご来店となりました。

プジョーやポルシェ、BMW、アウディ等の輸入車は、素晴らしいハンドリングと引き換えに非常にシビアな足回りのセッティングになっていると感じます。微振動に悩まれているオーナー様は非常に多いです。



6月にタイヤ交換した時のユニフォミティです。ディーラーで交換した2本をリアに装着しました。1本が、ミシュランの割には今一つでした。



フランジプレートを使用してユニフォミティテスターバランサーGSP9700にセットして測定します。



重量バランスとユニフォミティがかなり悪化しています。3,000kmほど走行しているとはいえあまり考えられない数値です。RFVは100Nでした。



ホイール単体で振れを測定します。



ホイール測定後再びタイヤをユニフォミティマッチングで組み込んでいきます。



組付け後の測定結果ですが、ホイール精度は問題有りませんでした。タイヤ単体のユニフォミティが前回より悪化しています。



残りの3本は問題有りませんでした。走行すればホイールバランスは狂っていきますので5,000km毎位に取りなおすと快適に走行できます。



4本ともに精密にホイールバランスを取り、納車しました。結果ですが完治したとの事でした。正確には前車の307CCに比較すると95%位の感じだそうですが、許容範囲との事です。苦節?8か月何とか直って良かったです。

今回のユニフォミティの悪化は原因不明です。重量バランスが崩れたのでユニフォミティが悪化したのか、ユニフォミティが悪化したので重量バランスが崩れたのかのどちらかとは思いますが、高速ユニフォミティが関係しているかもしれません。何時も感じますが、本当にタイヤは奥が深いです。唯一路面と接している一番重要な部品なのに、個体差が大きいです。

オーナー様からお聞きしましたが、プジョーの場合は、シミー対策としてステアリングギアボックスを調整すると良いみたいです。今回改善出来たのはギアボックス調整とユニフォミティ調整の効果だと思います。

タイヤのローテーション(位置交換)ですが、ハンドリング重視の場合は行わない方が良いです。各場所に合わせてタイヤは摩耗していきますので、場所を変えるとハンドルセンターがずれたり、ハンドルブレが発生します。

今回は長い時間が掛りましたが、勉強になりました。個人的には高速ユニフォミティテスターに掛けてみたいと思いました。regias4様ありがとうございました。
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