最近お問い合わせが増えてきた当店自慢のタイヤの組込バランス手法
ユニフォミティマッチングについて詳しく紹介したいと思います。
ユニフォミティとは、タイヤの均一性のことをいいます。
寸法、重量、剛性を含む均一性を表します。
一見タイヤは真円に見えますが実際は、寸法、重量、剛性
では均一ではありません。
一般的にバランス調整とは重量の不均一を調整します。
重量のバランスが取れている=真円ではありません。
例えば三角形のタイヤが有ったとして、重量のバランスは
取れますが、走行すれば振動が発生します。
同じようにホイールにも同様の事が言えます。
ユニフォミティマッチングとは、タイヤとホイールのユニフォミティを
測定して、最適な位置で組み合わせて真円に近づける手法です。
簡単に言えば、ホイールの凹とタイヤの凸を組み合わせて
よりまんまるにする事です。 (RFV最小化組付け)
重要な事は、重量ではなく、荷重された(走行状態に近い)状態で
より真円に近づける事を重視しています。 (重量のアンバランスはバランス
ウエイトで修正出来ますが、真円(ユニフォミティ)は後から調整不可能)
ユニフォミティが良好なタイヤホイールは200km/h以上の速度でも
ステアリングの振動は皆無で路面に吸いつくように走ります。
何度重量バランスを取っても振動が出る場合や、高速走行時に
ステアリングが落ち着かない場合等はユニフォミティの狂いが
原因の可能性が有ります。
HUNTER
GSP9700にホイールをセットします。
センターコーンではなく、ハブフィットとフランジプレートを使用して、
車両に装着した状態を再現して装着します
ホイールのビードシート部の縦横の誤差を0.01mm単位で計測します
インナー、アウター共に測定します
計測結果です。ラジアル(縦)方向は0.05~0.11mm
ラテラル(横)方向は0.03~0.07mmの歪みです。数値としては良好です
ラジアル方向の振れが0.5mm以下なら可です
測定結果からホイールの一番凹んでいる部分にマーキングします
ホイールにタイヤを組み込んでユニフォミティを測定します
ローラーでタイヤに荷重を掛けて測定します。荷重を
掛ける事により実際の走行状態に近づけます
タイヤ単体のRFV(縦方向の剛性のばらつき)が35N(ニュートン)で
ホイールに組付けた状態で30Nでした 。乗用車用タイヤでは80N以下
が許容範囲ですが、足廻りの敏感な車両(特に輸入車)や高速走行を
する車両は40N以下が理想です
タイヤの凸部(剛性が高い所)にマーキングします 。
ホイールのマーキングは右に約90度の位置に有ります
一旦タイヤを脱着してホイールのマーキングとタイヤのマーキングを
合わせて組み付けます
再度バランサーにて測定します。タイヤホイール
アッセンブリーのRFVが30Nから25Nに低減しました
プロットで見ると位相合わせが良く分かります。青い線がホイールの振れで茶色の線が
タイヤの振れです。お互いが打ち消すように組み付けているのが良く分かります。
RFVの次は重量バランスです。インナー21gです
ウエイトを貼り付けます。レーザーで位置を指示してくれますので楽ちんです
確認のためもう一度測定します。すると3gアンバランスが出ました。
通常は5g以下は切り捨てになりますがユニフォミティマッチングの場合
は1g単位まで合わせます
こちらが1g単位のウエイトです。怪しい文字が見えます。
非常に高価でお金より高いので1円玉を張り付けた方が遥かに安いです
3gを切り取って貼り付けます
見事に0gになりました。
上記の作業を4本繰り返して完成です。
非常に手間暇が掛りますので作業時間は4~5時間程度です。
(作業は予約をお願いいたします)
作業工賃は 5,250円~/本と決して安価では有りませんが、
振動問題で諦めていた方はぜひ一度お試しください。
タイヤが転がるという事がどのような事か体感できますよ。