
アウディA4アバント(B8)にお乗りのオーナー様から、ユニフォミティマッチングの依頼が有りました。新車時から高速域の微振動(高速シミー)にお悩みで、ディーラーでは改善されずバーデンのブログを見てご来店されました。
タイヤのユニフォミティ(RFV)が悪いといくら精密にホイールバランスを取ってもシミーは無くなりませんのでご注意ください。RFVを測定するにはGSP9700等のユニフォミティテスターを使用するのが唯一の方法です。
ホイールは純正18インチ、タイヤは ピレリ Cinturato(チントゥラート)P7 AO(アウディ認証)245/40R18 です。
現状のまま
GSP9700にてユニフォミティと重量バランスを再測定します。
測定結果です。左リアのRFVが90Nです。国産車であれば問題ないのですが、輸入車や高性能車の場合は出来れば80N以下が望ましいです。
重量バランスの狂いですが10g前後で対角線上の狂いなのであまり影響はなさそうです。
重量バランスの狂いですが、同じ重さの狂いでも位置により影響度が違います。2面バランスではリムの両端でバランスを取りますが、位置が近いほど振動が出やすいです。180度離れている場合はそれほどでも無いです。位置が近いという事はスタティック(縦)バランスが悪いという事なので、完全にバランスを取っても装着時に偏心すると実際はスタテックバランスが悪い事と同じになってしまいますのでご注意ください。
RFVを最小化する為に
ユニフォミティマッチングを実施します。

ホイールビードシート部のランナウトを測定します。先ほどの重量バランスの狂いと同じで、同じホイールの振れでも、一番凹んでいる場所の位置で影響が違います。
ホイールの場合は一番凹んでいる(ローポイント)場所が、インとアウトで近いほど良好です。ですので3P等の組立ホイールはどうしても精度的に厳しいです。

ホイール測定後、精密に篏合させる職人技を駆使して組み立て、再度ユニフォミティを測定します。

測定後、ホイールのローポイントとRFV1次ピークを位相合わせします。

RFV最小化後、重量のホイールバランスを取ります。画像のようにウエイトの位置が近い方が良好です。
重量バランスも1g単位で精密に取ります。

4本を1日掛けて組立てます。RFVについては55N以下に出来ました。
取付時の誤差を取り除くため、取付面の清掃をしRFV1次ピークを上死点にして装着します。この作業はハブの僅かなクリアランス(0.05mm前後)を利用して意図的に偏芯取付をする事により装着状態の真円度を高める拘り(変態?)の方法です。
一般的に0.03mmで5N程度の影響が有ると思われます。

完成です。
詳細数値です。
タイヤホイール共に精度は良好です。
RFVは許容範囲内に収める事が出来たので、かなり改善出来ると思います。
この数値でまだ振動が出る場合は車体側か、タイヤの高速ユニフォミティ不良だと考えられます。
高速ユニフォミティ不良については、タイヤ交換しか方法が無いのが現状です。
オーナー様遠方よりご来店ありがとうございました。
Posted at 2013/10/03 15:45:09 | |
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ユニフォミティマッチング | 日記