節分の寒空、赤ちょうちん、そして優しさ

寒い日が続き、

立春の今日は比較的日差しの下で暖かかったものの、

来週はまた寒いらしい・・・。

そんな状況では何もかも凍えそうな気がする・・・。

いくら保湿しても彼の手はカサカサだ。

春の訪れはいつか。



昨夜も寒空で、

あいつも寒いだろうさと火を入れる。

よっぽど寒かったのだろう。

反応が悪い。

そんな一瞬から市内を流し始める。


橋のたもとは、お開きの表示。

とても賑わっていたようだ。


さて、高層建物街に進んでみれば・・・

赤ちょうちんと人集り。

煙突からは微かに煙も見える。

ちょっと温まろうかと足を止め、

気を付けから人集りに交じった。



ビル風が無風に近いのは幸いか。

それでも寒い事には限りなく、

お辞儀の角度は増えていく。


そして完全に折れた頃、

ちょうちんが消えてしまった・・・。

残念だが仕方がない。

その様な時もあるのだと、

彼を言い聞かせる。

聴いてほしい・・・。



そんな時、

彼へ貴重な最後のモノを差し出して下さる方がいた。



飛びついて受け取りたかっただろう。

でも、

直ぐに手は出さずに遠慮した。

別れ際、自発的に大きな声で

「ありがとう!!!」

とお礼をした。

小さいながらに成長しているのだと感じた。

そして何よりも

彼に“優しさ”を教えて頂いた方に深く感謝します。


あいつに乗り込もうと歩き出した時、

ちょっと寒さが和らいだ様な気がした。

そんな素敵な夜だった。

春よ、こい。