クロス・ケイトリンのブログ一覧

今日は今進行中の現場を１日空けて、先日までお世話になってた現場へ外構塀の吹付をしに行ってきました。これがまたハードで休憩も昼も早々になんとか夕方に終わる事が出来ました・・・


と、まぁバタバタと若い奴と片付けをしてると施主の奥さんが、
「ちょっと１つだけお願いしたいことがありまして・・・室内なんですが、ちょっとよろしいでしょうか???お礼はしますから・・・」

と、身体の不自由な奥さんがわざわざ外まで出てこられて・・・

「マジか!?もう夕方だしな～参ったな・・」

と、内心・・・

「分かりました。片付けたらまた声掛けますからちょっと待って貰えますか??」


残りの掃き掃除を若い奴に任せ、再び声をかける・・・


案内されたのは洗面室・・・


そしてクロスには元のクロスの色が分からない位の哀れな程のカビ・・・


施主と奥様揃って
「このカビなんですが・・・キレイになりますか???お礼はいたしますから・・・」


老夫婦に見つめられ、断り切れず渋々・・・
「なんとか、やってみましょう・・」

洗剤とウエスでサクっと開始・・・


「ん???」

サクっとじゃ通用せず、全力で開始(笑)

全力でようやく元のクロスが見えてきた・・・

「こりゃ、遅くなるな・・・」

作業中、奥さんと世間話をしつつ、しばし無心の全力・・・見えてきたお礼の期待・・・(笑)


人の声が響く洗面室で、違う音が・・・・



振り返ると奥さんが何度も小声で「ありがとうございます」と連呼してすすり泣いていた・・・


思わず自分の手元を見直し、グッと来るモノをこらえ、邪心とお礼に頭いっぱいだった自分を全力で恥じた・・・



いつかの若い頃、親方との考えの違い。金の価値。独立を誓った日。「金なんかじゃねぇ!!」と誰にでも言えたあの頃。


「結局金なんだ。」と何度も現実に揉まれながらこんな大人になった・・・


洗面室の掃除が完了し、「専門外なので、受け取れません。」と精一杯カッコつけて、なんとかお礼のお金は受け取らずに洗面室は出たが、結局玄関先で、半ば無理やり旦那さんに
「家内の気持ちだから持ってってやってくれ。」
・・と


いただいたお金の価値はその銀行券的価値の何十倍の価値があるお金であろうか・・・いただいた気持ちが何より上行くこの本気の感謝・・・何年ぶりだろう・・・

・・・以上だぜぇ