むるきちのブログ一覧

自分のブログでは何回か書いてますがここでは初めてなので、ご挨拶代わりに書いてみます。
自分がイタリア車に乗り出したのは二十数年前です。

免許取りたての頃はミニが欲しかったんです。
雑誌を見たり、ミニが停まっているとしげしげと眺めたり。
当時は浪人だったり学生だったりした自分には高値の花でした。

そんな時近所でミニに似た車を目撃したんです。
ミニ似た小柄な車体、ミニとは違うハッチバック、サソリのマーク。
ミニとはまた異なる佇まいに一目でやられてしまいました。
雑誌で調べてそれがアウトビアンキＡ１１２アバルトと言う車である事を知りました。
しかし、今から２０年以上も前の話です。
当時のイタリア車なんてのは素人には扱える物ではない、金持ちの道楽車という時代です。
憧れは憧れのまま就職し通勤用に軽自動車（三菱ミニカターボ）を購入しました。
これが人生最初の愛車ですが、ちょっとしたカーブでもひっくり返りそうで怖いし、ターボの割にスピードは出ないは加速は悪いは…。
通勤以外でこれに乗る事はありませんでした。
こいつのおかげで車への興味が一気に失せました。

当時はろくに趣味も無く、仕事が思うように行かない、自分に自信がもてない等で激しく落ち込んだ日々を送っていました。（若気の至りですよ。(笑)）

そんな時来客用の駐車場に停まっている小さな車を見つけました。
帰宅時だったので近づいてよく見るとまぎれもなく　アウトビアンキＡ１１２アバルトでした。
眺めているとオーナーさんが戻って来たんです。
自分が興味深そうに見ていたので「乗ってみる」って言ってくれたのです。
もちろん、車に乗り出したばかりの初心者だし、相手はお客さんです。
何かあれば大変な事になるでしょう。
丁寧にお断りすると、「じゃ、助手席に乗ってみる」との話。
喜んで狭い助手席乗るとこれが良いんですよ。
大きさはミニカとたいして変わりないのにシートだとかは全く別物です。
とにかくカッコいい。
走り出して驚いたのは排気音。
まさしくアバルトの音でした。
コーナーでもタイヤひとつならずクリアして行きます。
これはなんなんだ…。
しばらく呆然としてしまいました。

どうしても聞きたい質問を投げかけて見ました。

「やっぱり壊れますか？」

当時の自分より１０歳くらい年上と思われるオーナーさんは

「まあねぇ。でも面白いから…(笑)」

正直かっこ良いっ、こんな大人になりたいと思ったもんです。

仕事上、お客さんがそれなりのお金持ちである事はわかっていました。
でも、当時の自分に一番かけていた物を持っている気がしたんです。

イタ車に乗れば自分もあんな人間になれる…いつしかそういう妄想に切り替わってしまいました。(笑)

翌日から中古車探しが始まり、エアコンが効かないという理由だけでビアンキではなく、同じサソリマークののついたウーノターボを選んだのです。（サソリマークは前のオーナーさんがつけたらしい）

これが全ての始まり…。
ここからは生活が変わってしまいました。
イタリア車のクラブに参加し走行会に参加したり。
特に矢田部のテストコースでの２００キロオーバー体験は今でも鮮明に覚えています。

詳細は書きませんがこのときの体験が自分のフィアットに対する信頼感を絶対的な物にしてしまいました。

（当時のクラブは確か「クラブ・パラボリカ」だったと記憶してます。ご存知の方いますでしょうか？）

もちろんイタ車の洗礼はそれなりに受けました。
雨漏りで車内に水溜りが出来たり。
走行中にサイドガラスがドアに落ちたり。
真夏にヒーターが止まらなくなったり。
いつしかそんな「些細な」事は気にならなくなっている自分がいました。
とにかく面白かった…。
それに動かなくなった事は一度もありませんでした。
通勤に使っていましたからそれだけは幸でしたねぇ。

そんなウーノには約二年乗り車検を迎えました。
そして車検明けでなぜかやって来たのは小さな「フィアット５００」でした。

続く…。