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イイね!
2010年07月08日

点火時期を考える

点火時期を考える こんにちは。
すっかり暑さにPCも身体もボロボロになってるてんれ~です。

週末にはオフなどもちょこっと参加したのですが忘れないうちにセッティング記録の続編を書いてしまいたいと思います。



前回の実践的なセッティング作業でA/F合わせが終わるとまず一段階が終了ということをお話しました。

内燃機関のお約束として、A/F値は出力に大きく関わりますがもう一つの要素として外せないのが点火時期との関係です。

元々はクランク角が一定の位置に達した時に点火するような仕組みでしたがより緻密な制御をすることで引き出せる出力が上昇できるようになりました。
無論高回転域における信頼性の上昇した今時のパーツ精度も忘れてはいけませんがコンピューターで点火時期を制御するようになり、さまざまな燃焼状態を意図的にプログラムできるようになったことは自動車の発展に大いに寄与しました。

さて、点火時期の基本は過去記事に書いたとおりですが、高回転に移行するにつれ発生してしまう物理的速度によるラグを緩和するために段々と進角していきます。
しかしあまりに早く点火してしまうと圧縮行程中に爆発してしまい、エンジンには多大なストレスが掛かります。
(カウンターパンチと思っていただければ・・・)

内燃機関の一般的な出力と点火時期の関係に


#ノッキングが発生する直前のタイミングが一番効率的に出力を得られる。

というものがあります。
ここで思い浮かべて欲しいのがディーゼルエンジン。
高い圧縮で高温高圧になったディーゼル燃料はその圧力による温度上昇で自己発火します。
これはガソリンエンジンにも当てはまることで、混合気は圧縮が進みすぎてしまえば点火指示前に爆発してしまいます。

それゆえに、ターボチャージャーのような過給機を備えたエンジンでは自己発火を抑えるために濃い目のA/F値をとります。
元々のエンジンの圧縮比にもよりますが取り込む混合気の圧力分シビアになります。

結果的に高温高圧になる高負荷領域ではNAの車両に比べ点火時期は遅めの数値となり、一定ラインを境に点火時期は山を描くように一度は進み、あるところから下降していくようなイメージになります。

しかし点火時期をあまり遅らせてしまうと今度はパワーが出ませんので上で書いたノッキングが出るか出ないか辺りを探りながら、可能な領域で進角スタンスをとることになります。

画像の説明ですが、黄色の部分は一定走行状態から急にアクセルを開けた領域。
吸気系を変更してしまうとここで効率がよくなりすぎるなどがあれば必要な燃料が足りず希薄燃焼状態を僅かな間ですが発生します。
その点については、加速増量補正と補正燃料噴射減算値を調整することで緩和することができるようです。

私のようにむき出しエアクリにパイピング剛性を上げ、小さいクーラーを使う場合効率が上がりすぎてこの部分が顕著になりますので基準データに比べかなりの増量方向への調整が必要となりました。

一定走行状態から加速へ移行する際の点火時期はピークの50度付近から急激に下がってきているのがグラフで確認できます。
エアフロ電圧(空気量)と負荷値が示すようにピークブーストになる頃には点火時期は一度25度付近まで落ち込んでます。

そこから右の加速状態の続く区間は紫の区間ですが、この領域がパワーを引き出していく領域になりますのでこの区間はノッキングレベルが若干ですが常に上昇している部分です。
その中で着目したいのが以前から何度も触れているNVCSの作業領域。

この画像のグラフをみると明確に作動が見て取れてました。
このグラフの1目盛りは5秒ほどですので緑で塗ったおよそ1秒の間にエンジン負荷、エアフロ電圧と使用量が同一の関係で下がっている部分があります。
早く吸気バルブを開けて多くの空気を長く閉じ込める状態から、相対的に早く排出する状態へシフトしたために下がった負荷分だけ点火時期が進み、そこからのカウントダウンのような点火時期推移が結果的なフィーリングの良さ、一息で回っていくフィーリングに繋がったのではないかと思ってます。

細かい数値は控えますが純正よりは早くスポイルしている方向になります。
逆に序盤から中盤までの点火時期のピークを全体的に下げてNVCSが有効になる時間を長くとる方向性もあるような気がしてきましたが、作動前後の点火時期や伸び途中でのレブに似たあの感触が気になって無意識にアクセルを緩めてしまう状況がストレスでしたのでピークブースト到達点を一つの基準にこの機構の使いどころを私なりに考えての設定です。

ちなみにこの項目はFCコマンダーでは設定が出来ません。
パワーFCの吊るしデータでは5400回転となってますが全体的に点火時期を抑え燃料も濃いので、吊るし状態である程度踏んでいると燃費が非常に悪く、かといって踏まないと盛り上がりに欠けるのはその辺が関係しているかもしれませんね。

加速途中の249秒ちょっと手前にノックレベルが結構上がってしまっている箇所があることを考えるとこの車両の設定ではパワーピークのところで24度程度が限界でしょうか・・・
この辺を改善したい場合はインタークーラーの大型化などによるノッキング耐性を拡大してその分進角していくといった感じになります。


ブログ一覧 | セッティング記録 | クルマ
Posted at 2010/07/08 09:39:33

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この記事へのコメント

2010年7月8日 18:11
雨の予報かと思ったら晴れたり、晴れかと思ったら急に夕立がきたりで天候が安定しないので気分的にもあまりよろしくない天候ですね(^^;)
それが梅雨だといわれたらそれまでなんですが(汗

あいかわらずの解説の凄さ、さすがですね♪

<ノッキングの直前に最も効率よく出力を得られる

ノッキングの原因って出力が出過ぎてる状態で(なさすぎるとエンストしそうにガクガクしますが)クラッチをつないじゃってドッカン現象が起きてるんですよね?(間違ってたらすいません(汗 )
だからノッキングが起きないぎりぎりのところがいちばん高出力ってことですか?(なんとなく個人的にこんなイメージなんですが(汗 )

だとするとノッキング起こしてるときって燃料無駄にしてるんですかね?(・・;)

あとは、文中で気になったのは、NAよりもターボの方が点火時期が遅いということです。
結構差があるんでしょうか?

コメントへの返答
2010年7月9日 13:18
こんにちは~。
今日は比較的涼しいですがこれからまた雨になるんだとか・・・

えー、ちょっと説明が悪かったかも知れませんので補足しておきます。
点火時期を進めていきますとその回転数に対して一定以上進角したところでノッキング現象が発生します。
それが発生する少し前の点火時期が最も出力を得られる「点火時期」ということですね。

また走行にクラッチワークやシフトの選択ミスで発生するノッキングとは少々違います。
あちらはトランスファーやタイヤの抵抗などにエンジンの動作が負けている状態を指してますが、セッティング記録で言っているノッキングとはエンジン単体で発生する不正発火を指してますので混同に注意です。

点火時期と得られるパワーの関係はボールをバウンドさせている状態を想像してみてください。
一定の距離だけで手を動かす前提で、
跳ね返ってくるボールが再び落下を始めてしまった時にボールを打ったときが点火時期の遅い状況。

落下まで移行せずに上死点ギリギリ手前で打った状態が最適な状態。

まだまだ上昇力があるのに上死点よりはるか手前で打ってしまうのが点火時期の早すぎる状態です。

まだまだ向かってくる力が強い物に作用を加えればボールも手も痛みますが、既に逃げている物に作用を加えても手ごたえがないですよね?
点火時期を進める前提として燃焼率がありますので実際には燃料が濃ければ点火時期を進めて燃焼時間を長くとる必要があり、逆に薄ければ遅らせる必要があります。

この辺の燃料の濃さ(酸素とオクタンの比率=酸化速度と効率)に大きく点火時期が関わっていることをご理解いただけるでしょうか?

それ故に迷走しないために、先にA/Fを決めてしまいそれに点火時期を合わせていくといった作業手順になっています。

自然吸気と過給機での吸気による点火時期の違いは車にもよりますが自然吸気では30~35度程度、過給機では20~25度といったところでしょうか。パワーピーク点では10度程度の差はありそうです。

実際には条件によりなのでターボでも50度を超えている部分もありますし、NAでも15度を下回るような部分もあります。
2010年7月10日 19:29
点火時期の設定って人間の五感が必要になってきますよね。
ノッキングしてるときの振動や音、それらを聞き分けられる感性?は経験がない人だとさっぱり分からないですよね。

HKSだったかなあ、コンピューターにヘッドフォンがついていてそれで聞き分けできたような?
パワーFCだとマフラー音にかき消させてなかなかノック音の判別が難しいです。
しかも私みたいなコマンダーでのセッティングは走行しながらなので危険です。笑

やはり誰か友人つかまえてセッティングの旅に出るしかないかもしれませんねえ。
サーキットじゃセッティングできないし。。。>直線が短すぎる。

高負荷、高回転、高速域でのセッティングと、低回転、高負荷のセッティングかキーポイントですかねえ?

そうそうそれと、NAとターボだとNAの方がマージンぎりぎりにセッティングしないと車の性能発揮しない?
コメントへの返答
2010年7月11日 7:08
おはようございます。
排気系統などにより若干音は違いますがキーンという金属音からチリリ、チリリって感じですかねー?

HKSのA/FKnockAmpは私も利用してます。
ただヘッドフォンしての運転は危険なのでバーグラフをノックレベルに設定しています。

コマンダーでのセッティングは大まかなテストをする分にはテストモードはあるので便利なのですが詳細詰める場合はちょっと悩ましいですよね。
マップトレースモードから直接変更できれば良いのですが・・・

今回は少々手順を省略して書いてますがA/Fが理想的な推移になったところでマップトレースモードで改善したい部分の走り方をさせ、その時だけの軌跡をトレース。

その後そのトレースした箇所を中心に上下左右のマスとの中間値も意識しながらのセッティングがやはり一番手っ取り早いでしょうか?

サーキットでセッティングするならば筑波本コース裏ストレートや富士、でしょうかねぇ?
どちらかというと低回転高負荷のほうがデータ取りにくく思います。

NAの場合はA/Fをしっかり詰めておかないとパワーでませんねー。
ターボ車両でもこのNA領域に関してはやはりA/Fが重要で私もその部分についてはかなり神経質になってA/Fをあわせてあります。
(でないとスカスカになるので(´・ω・`;))
2011年6月24日 20:16
はじめまして、こんばんは~
何度かチラ見させていただいてパワーFCの勉強させていただいてますm(__)m

でも・・アタマが悪くてなんとなくしか分かってないです^^;
自分のクルマはスカイラインではなく、初代のインプレッサなんですが、点火時期がイマイチ分からず・・
ノッキング手前が最適な・・とよく聞きますので、進めてみるんですが・・まずノッキングしません・・
溶接加工した大型のインタークーラー化したらノックしなくなりました

早過ぎるとストレスらしく・・でも体感ではシフトアップの際に繋がりが良くて気に入ってます

いろんな所をまわりましたが、詳しい数値などは書かれていなく・・・ブーストの立ち上がりの際の数値はどのぐらいがいいのか?やフルブーストから高回転は?などよく分からず・・

お聞きしたいのですが、点火時期って・・・車種によってぜんぜん違う考えかたをしたほうがいいのでしょうか?
ターボはフルブーストまでは点火時期はこの数値~なんて決まり事とかってあるんでしょうか??

コメントへの返答
2011年6月25日 0:08
初めまして。
レス前にみや@JA4+GC8さんのお車の仕様をざっと拝見させていただきました。

組み合わせを工夫されたり一般的にみると大分ハードにチューニングされているようですね。

点火時期や燃料の制御ですが、気筒数やエンジン形式により大幅に違う物です。
ただ、共通して強い関係にあるのが
1:圧縮比
2:過給圧
3:吸気温度
4:燃焼室形状
と燃料の割合です。

ノッキングについては非常に繊細な音ですのでお車の環境によっては環境音に紛れてしまい発生に気が付かないケースも多々あります。かなり静かな部類の私の車両でもアンプで音を増幅しなければなかなか聞こえませんので細かい部分をつめるときにはノックアンプを利用しています。

ヘッド部分はEJ207をベースにされているようなのでEJ207の基準データをさらっとみた限りでは割合NEO6に似た点火時期傾向が振られていましたが、ハイブースト車らしい燃料の噴き方も同時に見られました。

私の主観なのですがシフトチェンジでのつながりに呼ぶ箇所の点火時期は進角させすぎていくとギシシャク感が強まります。
アクセルオフ、オン、負荷の有無が極端に変動する部分ですのでこのタイミングで起こるノッキングがあることも過去の走行データにより認識していますので、シフトチェンジポイントについてはA/F変動を意識して自分の走行に合わせて調整しています。

恐らく具体的な実際の数値が入っていないのはデータを引用した上に何かトラブルがあったと文句を言われないようにするためかと思います。当然自己責任の作業ではありますが世の中それでも矛先を向けたがる方は多いので出来る範囲の自衛=明確なデータの公表を避ける、といった部分に繋がるかと思います。

点火時期は車により色々違うのは間違いないのですが、1気筒あたりの排気量や点火順序、燃焼室の癖と過給圧の推移等から「どこまで燃やせるか」といった本質部分をイメージするとそのエンジンに見合った点火時期が存在することが浮き出てくるかと思います。

↑各バルブの動き、吸気や圧縮時の気体の流れとガスの濃さをイメージすると良いです。

” セッティング記録”の各記事が少し参考になるかもしれませんのでお暇な時に読んでみてください。
2011年6月25日 0:58
お返事ありがとうございます~

動画を見させていただきましたが、自分は少し耳が悪く・・ノック音は分かりませんでした^^;

クルマ的にも煩い車両ですので、インテグラルのノックメータとコマンダのノック数で走っています


シフトアップして踏んだ時に読む位置をEJ207の元データより15とか進角させてやっと体感できたぐらいの体感センサしか持っておらず・・いろいろ知ってきた際にぶつかる壁?に居ます^_^;
たぶん進め過ぎな感じがしていますので・・少し戻しておきます

やはり吸気温度が低く、エアクリーナ関係もノーマル・・がノック数が低いのと関係してそうですね
ブーストも1.1Kとノーマルよりも低いのも・・でしょうか

ちょこちょこと訪問させてもらって勉強していきますね

ありがとうございました!
コメントへの返答
2011年6月25日 4:08
ノック音はヘッドフォンでないと少々わかりにくいですが、乾いた感じのチリチリ、カリカリといった音です。
元データより15度はちょっと行きすぎな気はしますね。進めすぎると逆に遅れてしまう場合もありますので少しログモードで点火時期の推移を追ってみるのも手かもしれません。

早く点火しすぎますと圧縮行程中ですので却ってパワーにつながらないことも・・・

吸気温度はウチの車両ではスロットル付近で25~45度の範囲で、渋滞中などは70度近くまで上昇します。インタークーラーがエンジン上部にある車の場合は吸気温度が高めになる傾向が強いらしいのでインタークーラーの強化でノック耐性が上がっていく事は十分考えられます。

ただしパワーの出やすい点火時期というのもありましてNAで25~35付近、ターボで15~25付近と考えておくと良いかと思います。

現在エンジン組みなおし中ですが完成したらまたセッティング関係の記事が増えるかと思います。またいらしてください☆

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「チャタリング音軽減実験 http://cvw.jp/b/633652/42913715/
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