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2009年12月07日

画期的なエンジニアリング 革命をもたらしたクルマ ランボルギーニ・カウンタック LP400

画期的なエンジニアリング 革命をもたらしたクルマ ランボルギーニ・カウンタック LP400 本日、ご紹介するのは、
ランボルギーニ・カウンタック LP400(1974年)。
カウンタックの市販モデル第一弾である、
LP400が登場したのは、1974年。
LP400のLPはミッドシップ縦置き、
400は排気量4ℓを表している。
このモデルは、
スポーツカーに求められる理想を具現化したクルマである。
その、理想とはいくつかある。
ショートホイールベースによる、回頭性の良さ。
巨大なV12気筒エンジンが生み出す高出力。
エンジンをミドシップに縦置きにし、
トランスミッションをドライバーシートとパッセンジャーシートの間に配置する事により、
前後重量配分を最適なものに、重心を低くおさえる事ができた。
丸鋼管を溶接して鳥かご型に組み上げたフレームにアルミボディをかぶせている為、
極めてボディ剛性が高い。
エンジニアリングテクノロジーとしては、妥協を完全に排した、最高傑作である。
<ランボルギーニ・カウンタック LP400 主要スペック>
全長:4,140mm
全幅:1,890mm
全高:1,070mm
ホイールベース:2,450mm
トレッド(フロント):1,500mm
トレッド(リア):1,520mm
重量:1,065kg
エンジン形式:水冷60度V型12気筒DOHC24バルブ(ウエーバー製キャブレター×6)
※DOHCではあるが、1気筒あたりのバルブ数は2バルブである。
最高出力:375hp/8,000rpm
トランスミッション:5MT
サスペンション;前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ前:205/70V14
タイヤ後:215/70VR14
ホイール前:7.5J×14
ホイール後:9.0J×14
である。
この仕様をご覧いただければ、当時の最高峰の技術で設計された、
スーパーカーである事がお分かりいただけるであろう。
このエンジンはすさまじく大きく、エンジン自体の重量は不明だが、
クルマ全体の重量が、1,065kgであることを考えると、
この車重のほとんどがエンジンとトランスミッションで占められているのは間違いない。

では、実際に乗り込んでみるとしよう。
カウンタックのドアはご存知の通り、跳ね上がるタイプのものだ。
しかし、カウンタックに初めて触れるあなたは、ドアを開けるボタンを見つけられないだろう。
ドアを開けるボタンは、ドアの側面に大きく開けられた
NACAダクトの上側に付いている。
サイドシルが太く天井が低い為、入り込むのは至難の業だ。
これは、慣れるしかない。
エンジン始動の儀式に移ろう。
電磁ポンプを動かすと「カチカチカチ」と音がする。
その「カチカチカチ」のテンポが少しずつ遅くなってきたところで、
少しだけスロットルを開けると同時にクランキングするとエンジンが始動する。
この阿吽の呼吸はそれぞれの個体によりわずかに違う。
一発でエンジンがかからないと、その後なかなかかかりづらくなってしまうので、
出来る限り、一発目で始動するように心がけた方が良い。

実際に走行してみると、まず、エンジンの素晴らしさに驚く。
空気の流入とガソリンとの混合具合を想像しながら、キャブレターとプラグをいたわるように、
エンジンの回転が上がるのに呼吸を合わせながら、アクセルを踏み込んでいく。
4ℓV型12気筒2バルブDOHCエンジンは、ラフなアクセル操作は受け付けないが、
息が合えば、8,000回転で最高出力375馬力を発生するまで、よどみなく激しく吹けあがる。
この一体感は現代の車には無い醍醐味である。

激しいのは、その振動と音である。
特に音は、エンジンそのものの音であり、
様々な回転系のメカニカルノイズが複雑に絡み合い、
幾重にも重なり、まさに芸術的なランボルギーニ・ミュージックを奏でるのである。
また、エンジンの回転の上がり方に歌心があり、リズムがある。
ただ、音が大きいだけではない。
そこには、わびさびの演歌の心が宿っているのである。
現代のスーパーカーのエンジンはフリクションが少ないので、
一瞬にして吹け上がってしまう。
それはそれで技術の進歩なのであるが、この歌心が失われてしまい、寂しさを禁じえない。
そして、アクセルを戻し、回転が落ちていく瞬間の音は、
回転が上がる時以上に素晴らしいのである。
フリクションが大きいので、回転が落ちる音を存分に楽しむ事ができる。

カウンタックLP400はトレッドが広く、ホイールベースが短く、
前後の重量配分が理想的で、重心が低く、ボディ剛性が極めて高く、
サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンで路面のトレース能力が素晴らしい。
これだけ理想的な要素が揃っていれば、ハンドリングが悪いはずも無い。
実際に、この外観から想像する以上に、ワインディングやサーキットでの
ドライバビリティは非常に素晴らしい。
コントロール性能も秀逸で、ドライバーの意のままに操ることが出来る、
プレシジョン性も高いクルマである。
特筆すべき事の一つに、トランスミッションのシフトフィールが素晴らしい事が挙げられる。
トランスミッションはドライバーとパッセンジャーシートの間に搭載されており、
シフトレバーがトランスミッションから直接突き出しているので、
シフトノブにこの上ないダイレクト感が伝わってくる。

カウンタックLP400のウィークポイントを十挙げておこう。
まず第一に、周囲視認性の悪さがある。
後ろが見えないばかりか、前方向、横方向の視認性までもが非常に悪い。
第二に、リアトレッドの幅が広い為、都内にせよ、田舎道にせよ
日本の狭い車道の幅ではもてあましてしまう。
第三に、高速直進安定性が悪い。
これは、トレッドが短い事に起因するものだが、
回頭性の良さとトレードオフと考えて良いかもしれない。
第四に、高速域でのトラクション不足がある。
スピードが200km/h以上になると、リアのリフトを感じると共に、
トラクションが失われてしまう。
これは、リアの巨大なエアスクープから取り込まれた気流が
エンジンを冷やした後、ボディのアンダーに流れてしまう為、
浮力が生じているものと思われる。
当時、最高速度300km/hをうたっていたが、
この直進安定性の悪さと、リアのトラクション不足を考えると、
現実には250km/h以上は出せないはずである。
第五に、ドライビングポジションが劣悪な事を挙げよう。
仰向けに寝そべって、首だけ前を向いて、自分の足を見るような姿勢になる。
長時間のドライブでは非常に苦しい。
第六に、メインテナンス性が極めて悪い。
巨大なエンジンの直前にトランスミッションが直接接続されており、
一体化されている為、エンジンを降ろすことが、容易ではない。
このエンジンを降ろせる工場を確保しなければ、カウンタックを所有することは出来ない。
第七に、クラッチの重さがある。
これは、この手のスーパーカーではいたしかたの無いことかも知れないが・・・
渋滞では、このクラッチの重さと戦いながら、オーバーヒートの心配をしなければならず、
ドライビングポジションの悪さを加えて、3重苦となる。
第八に、天井の低いところでうっかりドアを開けると、
ドアが天井にぶつかってしまう恐れがある事。
第九に、窓がほんの少ししか開かない事。
今でこそETCがあるので便利になったが、
ETCが普及する前は、高速道路の料金所では、
マジックハンドで、料金を支払っていた。
第十に、カウンタックLP400が入る駐車場が、日本の街ではほとんど無い。

ランボルギーニ・カウンタック最大のトピックス、
マルチェロ・ガンディーニのデザインにも触れておこう。
このウエッジシェイプ・デザインは、
自動車史に残る、極めて独創的かつ、完成されたものだ。
リトラクタブル・ヘッドライトと跳ね上げ式ドアがこのクルマのデザインの特徴である。

くれぐれも注意していただきたいのは、
カウンタックの跳ね上げ式ドアはガルウイングドアではないという事。
ガルウイングとはかもめの翼を意味しており、
ガルウイングドアを持つクルマは、
・メルセデス・ベンツ・300SL
・デロリアン・DMC-12
・マツダ・オートザムAZ-1
・ジオット・キャスピタ
・メルセデス・ベンツ SLS AMG
等である。

ちなみに、
フロントピラー上の2点のヒンジで外側斜め前方に持ち上がるドアを
・バタフライドア
・インセクトウィングドア
という。
・マクラーレン・F1
・メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン
・トヨタ・セラ
等がこれにあたる。
このタイプのドアはドアを開けると、ドアが車体の外に張り出してしまう。

ランボルギーニ・カウンタックのドアは一点支持で真上に回転しながら開くもので、
乗降性に優れ、ドアを開けても、ドアが車体の外側に張り出さない為、
ドアを開けたままでも走行可能である。
カウンタックのドアの呼び名は様々だ。
・シザードア
・シザースドア
・はさみドア
・ジャックナイフドア
・ランボルギーニドア
・バーチカルドア
・スイングアップドア
等、呼び方は多い。

私は、カウンタックLP400を、
コンクリート打ちっぱなしのシャッターが閉まる天井が高いガレージに保管している。
それは何故かと言うと、
ドア、フロントボンネット、エンジンフードを全て跳ね上げた状態で保管する為である。
こうする事により、ダンパーのへたりを最小限にとどめる事が出来るのである。
また、私のカウンタックLP400は、完全オリジナルを保っている。
ドアミラーが付いていない為、ナンバーも取れず、公道を走行する事は出来ないので、
私有地にカウンタックLP400用のサーキットを建設し、そこでのみ楽しむ事にしている。


・・・ま、乗ったことないんですけどね。

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Posted at 2009/12/07 19:15:44

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この記事へのコメント

2009年12月7日 21:59
我々の子供の頃の"憧れ"と言えば、やはりカウンタックにトドメを刺しますね。ラジコンカーも持ってました。(^_^;)

しっかし、クルマ全体の重量が、1,065kgとは知りませんでした。現代では考えられないくらい軽いですね。さらに、タイヤサイズに時代を感じさせます。(^_^;)

私も一度でいいから、カウンタックのサイドシルに腰掛けてバックしてみたいもんです。(^_^;)
コメントへの返答
2009年12月7日 22:40
そうなんです。
鳥かご形状のフレームは非常に軽量で、
エンジンとトランスミッションの重量が
ほぼクルマ全体の重量を占めています。
カウンタック最大のウィークポイントは、
空力であり、LP400は高速域では、
かなりの浮力が生じます。
車重が軽い為、高速域でのトラクションは
望むべくもありません。

しかし、見た目のインパクトはすさまじく、
存在感、オーラといったものでは、
現代のどのスーパーカーも足元にも及びません。
特に、LP400のラインには雑味がなく、
シルエットはどこから見ても、
シンプルかつ巧妙で、
繊細かつ力強い、
誰にもまねできないものです。

おっしゃられている、いわゆる
カウンタックリバースについてですが、
実際にやってみると、、
体がねじれた状態で、
重いクラッチの操作をしなければならず、
足がつりそうになってしまいます。

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